ニューサイクリング 1988年7月号(No.288)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1988年7月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1988年7月号は、通巻288号です。

カラーの口絵は、「日本に一番最初にやって来たチネッリ」「魔物について」「ワンショット 小黒黒沢林道から」「ニューグッズハンティング カンパニョーロ レコードSGR」です。

288号の目次をページ順に追うと、

 22 ニューパスハンティング 小熊黒沢林道

 32 '88国際サイクルロードレース 大阪大会・名古屋大会・東京大会

 40 私をとらえる魔物について

 52 日本に一番最初にやって来たチネッリ

 60 コリドーレ・シュナのイタリア再訪記 イターリア、おお!イターリア (2)モンツァの街の臭いが、僕に全てを甦らせた

 68 台湾ショウ

 72 自転車泥棒に気をつけろ!!

 78 井上君の台湾・新無銭旅行 食べた・見た・イン タイワン

 86 杉野 安の舌万歩計から 龍牙と蛇

 90 使ってみたら クリップレスペダル カンパニョーロ・レコードSGR

103 モノディスプレイ

104 市川雅敏のプロロード日記 ベルギーのプロ予備軍達 

106 気になる風景 楽的なもの

108 NCサロン

111 NC代理部

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「後立山連峰の展望ルート」と題し、小熊黒沢林道を紹介しています。コースは大町駅をスタートし、木崎湖西から小熊黒沢林道へ入り尾根通しのルートを行って黒沢峠をパス。峠を過ぎたら鹿島谷から大町温泉を経由して大町駅に至る38.7kmです。

「'88国際サイクルロードレース 大阪大会・名古屋大会・東京大会」は、5月に行われソウルオリンピックの選考会ともなっている大会の男子クラスのレースレポートです。雨のレースとなった大阪大会は、有力選手をリタイアさせる30名の大落車が発生し、ベルギー選手が勝利します。名古屋大会は、50km/h近い周回ペースで進むレース展開から最後にスパートを決めた円谷義弘選手が勝利。翌日行われた東京大会は、8人で始まった逃げのグループが8周回目には3人に絞られ、ゴールスプリントを決めたニュージーランド選手が勝利。総合では、ボスコの高橋松吉選手が優勝しています。

「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、会社員の方がオーナーのペガサスのスポルティーフが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「ラグレスのフレームに関する考察」です。

「日本に一番最初にやって来たチネッリ」は、当時、日本のチネリの中で最も古く、一番最初に日本にやって来たといわれているチネリを紹介しています。このチネリのロードレーサーは、1958年にフランスでの世界選手権に遠征した田中繁選手によって日本に持ち帰られたものです。このチネリはその後自転車文化センターに寄贈されています。また、このチネリはレストアされていますが、そのレストアを担当した梶原利夫氏による解説もあります。

「コリドーレ・シュナのイタリア再訪記 イターリア、おお!イターリア (2)モンツァの街の臭いが、僕に全てを甦らせた」は、当時、イタリアから帰国して宮田に勤務していた砂田弓弦氏が年末から再びイタリアを訪れたことを綴った連載です。今回は、イタリアを訪れて旧交を温めた話や、プロになってスター選手となった元チームメイトのジャンニ・ブーニョ選手にまつわる話、他様々なエピソードが続きます。

「台湾ショーとNICS製品」は、シクロウネの今野義社長の提供による、台北で行われたサイクルショーのフォトレポートです。

※目次ではタイトルが「台湾ショウ」となっていますが、本文タイトルは「台湾ショーとNICS製品」となっています。

「自転車泥棒に気をつけろ!!」は、その当時、レース会場や宿泊先での盗難事例を紹介し、複数の窃盗団による犯行が行われていると報じています。また、街中での盗難例については鍵をかけていても盗難にあってしまうと報じ、盗難対策が今まで以上に重要だと警鐘を鳴らしています。

「井上君の台湾・新無銭旅行 食べた・見た in タイワン」は、自転車技術研究所勤務の井上重則氏による訪台レポートの連載です。今回は、台北へ戻り学生時代の知り合いの台湾人を訪ねます。泊りはここでもホテルではなく、知人宅へ居候。ここでは街へ出ての物見遊山や食べ飲みの話が中心です。自転車関係は、台湾滞在最終日に訪れたメーカー見学です。台湾メーカーの中でもブームに乗り遅れた感のあるこのメーカーは、フレームの基本的寸法が全く分かっていないのではという印象を受けたといいます。それでも、何年かのうちには日本のスポーツ車は台湾メーカーに食われてしまうのではと感想を述べています。

「杉野安の舌万歩計から」は、杉野安氏執筆による連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「龍牙と蛇」です。筆者は中国自転車業界の方向を探る使節団の一員として上海を訪れます。当時の中国は市場を国内から海外へ向けているようだと報告しています。グルメの話は、筆者訪問の時期によく出てきた竹の子の話に、知らぬ間に蛇を食べてしまった事などです。

「使ってみたら クリップレスペダル カンパニョーロ・レコードSGR」は、新製品のレビュー記事です。テストしてみての感想は、ペダルを任意の位置に半固定するイージーフィッティング機構によってステップインしやすい。クリートが厚いため、ペダル軸中心からシューズの底までが他製品と比べて高いことが挙げられています。また、ロックのへたりの為にペダルからシューズが外れなくなるというトラブルが発生したことも報告しています。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、チネリの「XA」、セライタリアの「ファウストコッピ」、カンパニョーロの新コンポーネント「アテナ」等を紹介しています。

「市川雅敏のプロロード日記 ベルギーのプロ予備軍達 」は、市川雅敏選手からの現地レポートです。今回は、ヨーロッパのロードレースやトレーニング、そのとり巻きについて書いています。ベルギーには年齢別に4つのカテゴリーがあり、年齢が上がるとともにギアレシオとレース距離が伸びていくシステムとなっています。そして、コーチ達も時には自転車に乗ってついてきたり、数年たっても選手の成績が上がらない時は、選手ではなくコーチがクビになるとのことです。

「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「楽的なもの」と題して、自由について語っています。

「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回は、「ツール・ド・北海道」「シマノ・グリーンピア」「ツール・ド・ジャパン」他2件のレース情報が掲載されています。

1988年7月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。

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