ニューサイクリング 1988年10月号(No.291)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1988年10月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1988年10月号は、通巻291号です。

カラーの口絵は、「魔物について」「ドームの2-0」「南アルプスグランプリポイントヒルクライムレース」「ニューグッズハンティング ダイヤコンペBRS500」「ワンショット 湿原の秋」です。

291号の目次をページ順に追うと、

 20 エポック!ツーリング車の新指向 NCヌーベル・トゥーリズム・ジャポン

 38 ツール・ド・フランス88 エタップ詳報 プロローグから11エタップ

 52 ニューパスハンティング 七ヶ岳林道

 62 私をとらえる魔物について

 74 NCマン〈女性〉マシンレポート ヒューマンバイシクルへのプロセス サドル

 91 モノディスプレイ

 94 女性だけの自転車ミニキャンプ

 95 第2回矢島カップ Mt.鳥海バイシクルクラシック

 96 使ってみたら インサルマット

100 杉野 安の舌万歩計から 薬

104 NCサロン

106 気になる風景 榛

109 NC代理部

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「エポック!ツーリング車の新指向 NCヌーベル・トゥーリズム・ジャポン」は、8月号から始まった新企画の連載です。今回は前回からの続きとなる座談会です。話し合われたテーマを小見出しで見ると「魅力的な700C」「ドロヨケ論争」「ダブルVSトリプル」「電装、輪行、エトセトラ」「こんな自転車が欲しい」という内容です。座談会記事の後には「メーカーは今、ツーリング車をどう考えているか」という題で今井編集長が記事を載せています。その内容は、これまでの日本のスポーツ車の流れについて、大手メーカーに近未来の構想を聞いたこと、そしてたどり着いた一つの結論を述べています。

「ツール・ド・フランス88 エタップ詳報 プロローグから11エタップ」は、75回目となるツール・ド・フランス、22チーム198名で争われるレースの模様をステージごとにレポートしています。前半は第1ステージでトップとなっったスティーブ・バウアーが翌日以降総合トップの座を他に明け渡すものの、山岳ステージ前の第8ステージでマイヨジョーヌを取り返し、第11ステージまでそれを保ったまま、次回レポートへ続きます。また、ローラン・フィニヨンは、第12ステージを前にツールを去っています。

「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「展望の良い南会津の新林道」と題し、七ヶ岳林道を紹介しています。コースは七ヶ岳登山口(旧糸沢)駅をスタートし、七ヶ岳林道を走ってピークを一つパス、下りは針生を経由して国道を走って会津田島駅に至る33kmです。

「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、会社員の方がオーナーの自作のタンデムが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「レプリカモデルに関する考察」です。

「NCマン〈女性〉マシンレポート ヒューマンバイシクルへのプロセス サドル」は、女性用のスポーツサイクリング用サドルについて考える企画です。冒頭ではサドルの部分機能分解をし、前部1/3中部1/3後部1/3それぞれの部分について求められる機能を解説しています。次に皮サドルから始まり、プラスチックベースサドルの登場とその進化について述べています。そして、この当時セライタリア・ターボやサンマルコ・ロールスなどのターボ型サドルが全盛となった要因を分析しています。各項目の中では、女性ライダーの意見や'82年11月号で特集した女性用サドルの追求記事を引き合いに出し、女性向けサドルの各時代での配慮・対応状況を紹介しています。最後は、女性ライダーを擁するシクロウネの今野義氏を中心とした次世代サドル開発のことを紹介しています。この記事の後には、女性編集部員による女性のサドル問題に対する突っ込んだ内容の記事が掲載されています。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、シマノ・デュラエースのSIS8段とSLRブレーキ、吉貝の「ダイヤコンペBRS500」、サカエ「MTP126」、アラヤ「R-50」、スギノテクノ「テンションシート」等を紹介しています。

「女性だけの自転車ミニキャンプ」は、15名が参加したプライベートレベルでの自転車キャンプの取材レポートです。アメリカでのレースを体験してきた河西ひろみ選手が中心となって行われたキャンプは、ロード練習をベースに先頭交代やインターバル走行、コーナリング等のトレーニングを行っています。そして、このキャンプによって女子選手養成の一つの方向性の示唆を与えた気がするとレポートを締めくくっています。

「第2回矢島カップ Mt.鳥海バイシクルクラシック」は、秋田県矢島町で開催されたロードレースの開催報告です。

「使ってみたら インサルマット」は、新製品レビューのコーナーです。発泡ウレタンを使用した新しいタイプのインサルマットは内部の空気を抜いて畳むとかなりコンパクトになります。使用時は発泡ウレタンの復元力で自然に膨らむという製品です。寝心地は適当なクッションで良好とのことです。

「杉野安の舌万歩計から」は、杉野安氏執筆による連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「薬」です。当時、江川投手が中国の鍼で治療をしていた話から始まり、歴史の話題へ移ります。そして話は変わり、医学の話題へ移ります。日本の薬学や漢方薬の話をした後に、中国料理には漢方薬が添加されている場合が多く筆者はこれはベストではないと感想を述べています。

「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回の「INFORMATION」にはクリテリウムレースとサイクリングイベントの情報が各1件掲載されています。

「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「榛」と題して、逃げ登るべきところについて語っています。

1988年10月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック・テーラーメイド」でした。

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