ニューサイクリング 1988年12月号(No.293)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1988年12月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1988年12月号は、通巻293号です。

カラーの口絵は、「魔物について」「NCオールテラインランドナー」「ニューグッズハンティング チクロソリューション・サカエトンプソン・シマノクリップレス・シマノSH-R100」です。

293号の目次をページ順に追うと、

 16 ロングインタビュー 関ナツエは、今 今、氷の上にそして再びペダルを回す日は

 28 第5回シマノ・グリーンピアロードレース 第5回シマノ・グリーンピア国際ロードレース 5年目の自信、そして揺るぎない未来へゴールスプリントへのカウントダウン

 38 エポック!ツーリング車の新指向 NCヌーベル・トゥーリズム・ジャポン 完成したニューパスハンティングモデル オールテライン・ランドナー

 48 私はこう考える「ツーリングの原点」についての提唱

 52 私をとらえる魔物について

 66 ニューパスハンティング 美濃高原の6つの峠

 76 ニューパスハンティング実走レポート

 80 市川雅敏のプロロード日記 来季もHITACHIと契約

 82 メカニック イン USA USCFオフィシャルメカニック 山口弘一レポート フロム アメリカ第3信

 90 モノディスプレイ

 98 杉野 安の舌万歩計から シルクロード

104 気になる風景 むじな塚

106 作ってみたら アームマップホルダー

108 クラシック自転車ラリー

114 '88年総目次

115 NC代理部

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「ロングインタビュー 関ナツエは、今 今、氷の上にそして再びペダルを回す日は」は、自転車競技の日本代表としてオリンピックに出場したソウルから帰国、スケートの世界に戻った関ナツエ選手へのインタビュー記事です。インタビューでは自転車初レースとなった全日本選抜ロードと国際ロードレース東京大会、全日本選手権ロードレース。そしてピスト競技の「3000m個人追い抜き」それぞれの思い出と印象について聞いています。

「第5回シマノ・グリーンピアロードレース 第5回シマノ・グリーンピア国際ロードレース 5年目の自信、そして揺るぎない未来へゴールスプリントへのカウントダウン」は、兵庫県で開催された二つのレースの取材レポートです。グリーンピアロードレースについては、レース展開のレポートは無くリザルトの掲載のみで、記事内容はイベント全体に対する印象について書かれています。グリーンピア国際ロードレースについては、藤田晃三選手が優勝したレースの展開と、ゴール後の日本選手のコメントを掲載しています。

「エポック!ツーリング車の新指向 NCヌーベル・トゥーリズム・ジャポン 完成したニューパスハンティングモデル オールテライン・ランドナー」は、8月号から始まった新企画の連載です。今回は、前回企画したニューパスハンティングモデルである「NCオールテラインランドナー」が完成したので、その詳報です。まずは用途によって「ランドナー」「スポルティフ」「オンロード」「クロスカントリー」の4バージョンに変化する同モデルのキャラクターとライディングポジションについて説明しています。次にシステムとして各バージョンのために複数用意した「フォーク」「ハンドル」「ホイール」「マッドガード」システムと、「チェンジ」「ブレーキ」「ポンプ」「サドル&ピラー」「ペダル」「電装」についての解説です。最後に輪行の方法とテストライドの結果を述べています。

「エポック!ツーリング車の新指向 NCヌーベル・トゥーリズム・ジャポン」のもう1本の記事は「プロショップは今、ツーリング車をどう考えているか」と題してフレンド商会とセオサイクルへのインタビューを掲載しています。

「私はこう考える「ツーリングの原点」についての提唱」は、自転車ツーリングの本質的なあり方や楽しみ方を追求してみたいとし、筆者は自転車やツーリングについて形而上のことを述べています。

「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、会社員の方がオーナーのフタバのATBが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「ATBのクリテリウム・モデルについて」です。

「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「美濃高原、川の流れるように快走」と題し、鯉下峠・間見峠・袋坂峠・放生峠・北条峠を紹介しています。コースは中川辺駅をスタートし、鯉下峠、間見峠をパスして神淵を北に抜けます。袋坂峠はバイパスのトンネルとなっていたのでトンネルを抜け、さらに放生峠、北条峠をパスして神淵を通過し上麻生駅に至る89.5kmです。

「ニューパスハンティング実走レポート」は、読者による実走レポートです。今回は、'88年5月号で紹介された「中野方峠・蛭川峠・遠ヶ根峠・切越峠」の実走レポートが3件寄せられています。

「市川雅敏のプロロード日記 来季もHITACHIと契約」は、市川雅敏選手からの現地レポートです。今回は、8月から9月にかけての出場7レースの結果を伝えてきています。そして、最後に翌年もHITACHIと契約したことを報告しています。

「メカニック イン USA USCFオフィシャルメカニック 山口弘一レポート フロム アメリカ」は、元3RENSHOのビルダーで当時USCF(アメリカ自転車競技連盟)の公認メカニックを務めていた山口弘一氏によるアメリカからのレポートです。今回の便りでは、USCFの正式スタッフとなり、フレームデザイン・製作と組み立てを担当することとなったと報告しています。さらに、オリンピックに使用するフレームについても触れています。今まで使用していたカーボンフレームはトレーニング中にクラックが発生するなど、選手・スタッフ共に悪いイメージがついてしまったため、今後はスチールを主体にやっていく予定であると語っています。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、ボッテキアの「クロノスストラーダ」、シマノ「スポーツLX」「マウンテンLX」「デオーレII」、サンツアー「XCE4050」「EDGE4050」等を紹介しています。

「杉野安の舌万歩計から」は、杉野安氏執筆による連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「シルクロード」です。筆者はシルクロード博を見学します。このイベントは自転車隊がシルクロードを通って日本までやって来たこと、その自転車に使われたギヤが全てスギノ製だったということもあってのことです。それに関連して中国の歴史に触れた後、車輪の歴史の話に移ります。さらに、スギノテクノ本社は朱雀大通りに面しており、工場の敷地からは平城京の遺品が多数発掘されており、スギノとシルクロードの浅からぬ縁を語っています。

「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「むじな塚」と題して、自然への見識について語っています。

「作ってみたら アームマップホルダー」は、フロントバッグが無い自転車に乗るときの地図入れとして、腕に巻き付けて使うマップケースを自作した話です。市販のマップケースにフックを付けて紐をひっかけて止めるというもの。作者曰く、季節によっては腕がムレるが、実用的で大変満足しているといっています。

「クラシック自転車とシクロランドナーラリー」は、神宮外苑から日比谷公園で開催されたイベントのレポートです。自転車を趣味的なものとして見て楽しむことに主眼を置いて開催された同イベントは、神宮外苑から日比谷公園まで走るとともにコンクールも予定されていました。当日はあいにくの雨でコンクールは十分な審査ができませんでしたが、この催しを通して、自転車が一つの文化的なもの、趣味的なものとして見られ始めていることを感じているとしています。

「昭和63年総目次」は、NC誌1988年1年間の掲載タイトルをジャンル別に分類し、一覧形式にまとめたものです。

※目次では題が「'88年度総目次」となっていますが、本文では「昭和63年総目次」となっています。

1988年12月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック・テーラーメイド」でした。

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