ニューサイクリング 1989年10月号(No.303)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1989年10月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1989年10月号は、通巻303号です。
カラーの口絵は、「魔物について」「NC道案内」です。
303号の目次をページ順に追うと、
20 私をとらえる魔物について
32 スポーツサイクリング車宣言 700系WOホイールの大いなる可能性と実体
40 '89ツール・ド・フランス
52 NC道案内 八ヶ岳のパノラマ風景と1300mの下り 旧佐久甲州街道・平沢峠
58 再訪その1 九十九里浜
66 NCテスティングギヤリポート〈ニシキ・エイリアン〉
70 市川雅敏のプロロード日記 初勝利へのカウントダウン
76 南アルプスグランプリ・ポイントヒルクライムレース
80 杉野 安の舌万歩計から パリ祭とツール・ド・フランス
91 モノディスプレイ
92 NCエイドステーション
94 NCクラブハウス (2)なるしまフレンド
97 NC情報通
98 気になる風景 焼石
100 MCC創立40周年記念 下関ー青森タイムトライアル1 時を追い続けたものたちのファイル
108 5時間耐久レースに草の根の強い息吹を感じた
112 ALFREX CUP '89ロードレース大会
116 ニューサイクリングラリーのお知らせ
となっています。
主な記事を以下にご紹介します。
「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、会社員の方がオーナーのトーエイのデモンターブルが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「デモンターブルについて」です。
「スポーツサイクリング車宣言」は、700Cホイールの可能性を探る特集記事です。まずは「700Cが見直され始めた」と題し、今井編集長が700Cの歴史的な変遷について述べています。次に「700系WOホイールの大いなる可能性と実態」と題した編集部の座談会記事が掲載されています。
「'89ツール・ド・フランス」は、22チーム198名で争われたツール・ド・フランスのドキュメンタリーレポートです。ルクセンブルクのプロローグTTは前年の覇者、ペドロ・デルガドがスタート時刻に2分34秒遅刻するという前代未聞のスタートとなります。注目選手ではローラン・フィニヨンが2位に、グレッグ・レモンが4位につけました。再度の個人TTとなる第5ステージでは、デルガドが前日までの134位から28位へ浮上。そしてツール初となるスコットバーを使用したレモンが総合トップに躍り出ます。山岳での戦いとなった第9ステージではローラン・フィニヨンがステージ優勝し、続く第10ステージでマイヨジョーヌを手にします。この後はレモンとフィニヨンがマイヨジョーヌを奪い合いながらステージが進みます。その決着がついたのは第21ステージの個人TT最終日です。前日までの総合トップ、ローラン・フィニヨンと2位グレッグ・レモンとの差は50秒。そして、スコットバーを装備したTTマシンを駆ったレモンは、24kmのTTでフィニヨンに58秒の差をつけてゴール。50秒の差を覆し、さらに8秒の差をつけて自身2度目となる総合優勝を勝ち取りました。
「NC道案内」は、ルートマップと写真を中心とした見るサイクリングガイドです。今回は「八ヶ岳のパノラマ風景と1300mの下り」と題して「旧佐久甲州街道と平沢峠」を紹介しています。今回は清里駅をスタートし、清泉寮に寄り道した後、JR最高地点を経由して1450mの平沢峠を越えます。ここからは下りで、旧佐久甲州街道を走って韮崎駅に至る42.3kmです。ガイドデータでは、走行にはチューブラーホイールを使用でグレードは初心者OK、ベストシーズンは5・6月と10・11月となっています。
「再訪その1 九十九里浜」は、NC的走りを始めて10年目を迎えようという筆者が、過去に訪れた場所を再度走った紀行を綴る不定期連載です。今回は、始めてツーリングで訪れた九十九里浜を再訪し、飯岡から上総一ノ宮まで走っています。
「NCテスティングギヤリポート〈ニシキ・エイリアン〉」は、NC編集部員による新製品のテストレポートです。今回取り上げたニシキのATB「エイリアン」は、チェーンステイを上に持ち上げた「パララックス・フレーム」と呼ばれるフレームとストレートフォークを採用して、特徴的なフォルムとなっています。その乗り心地はウィップが多めのしなやかなペダリングでハンドリングにやや癖があるということです。パララックス・フレーム採用の効果は、テスト中チェーントラブルが発生しなかったこと、そしてブレーキ性能も申し分ないものだということです。
「市川雅敏のプロロード日記 初勝利へのカウントダウン」は、市川雅敏選手からの現地レポートです。今回は、3月から7月にかけての出場19レースの結果を伝えてきています。そして、7月に行われたリヒテンシュタインでのレースでプロ初勝利を手にします。さらにその勢いをかって、翌週のヒルクライムでは2勝目をあげました。
「南アルプスグランプリ・ポイントヒルクライムレース」は、8月に長野県上伊那郡長谷村で行われたレースの、大会チーフコミッセールによるイベントレポートです。
「杉野安の舌万歩計から」は、杉野安氏執筆による連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「パリ祭とツール・ド・フランス」です。パリを訪れた筆者はこの年の格別暑かったことと、この数年のパリの変貌ぶりに苦言を呈しています。特に革命200年際の為に、ツール・ド・フランスのシャンゼリゼのゴールがいつも通りの形でなくなってしまったことに腹を立てたといいます。今回は食の話題には触れていませんでした。
「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、パレッティのATBフレーム、E印オリジナルツーリングシューズ等を紹介しています。
「NCエイドステーション」は、読者参加のコーナーです。今回は「ニューパスハンティング実走レポート」で、'89年1月号で紹介した「林道広河原逆川線」、'89年2月号で紹介した「箱根・芦ノ湖西岸から十国峠」、'89年4月号で紹介した「奥久慈・構造谷を走る」の実走レポートが各1件。それと、「Letter to Editor」に今井編集長の「孤独の旅」シリーズで語った体験と同様の体験をしたとの便りが読者から寄せられています。
「NCクラブハウス」は、各地のクラブを紹介する為にNCが提供するもので、9月号から始まったページです。今月は「なるしまフレンド」から記事が寄せられています。
「NC情報通」は、自転車に関連したイベントや情報などを掲載するコーナーです。今回は、第3回クラシック自転車ラリーの開催告知や新刊書紹介など、8件の情報が掲載されています。
「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「焼石」と題して、信仰対象の石のことについて語っています。
「MCC創立40周年記念 下関ー青森タイムトライアル1 時を追い続けたものたちのファイル」は、25周年・30周年・35周年と続け、40周年でも実施することとなったリレータイムトライアルの挑戦記録です。今回は、イベント実施までのクラブ内での検討、決定後に始まったメンバー選定と全体計画の策定・準備機材・予算について綴っています・そして、5月に第1走者がスタートしてから第3走者が走り始めたところで次回へと続いています。
「5時間耐久レースに草の根の強い息吹を感じた」は、8月に筑波サーキットで行われた「'89 MILANO MIDNIGHT RACE IN TUKABAS」の編集部による取材記事です。
「ALFREX CUP '89ロードレース大会」は、宮田工業創業100周年企画として8月に群馬サイクルスポーツセンターで開催された大会のイベントレポートと、各クラスのリザルトトップ10の紹介です。
「ニューサイクリングラリーのお知らせ」は、この年の11月に御殿場で行われる「89NC・RALLY ニューサイクリング読者会」の開催告知です。
1989年10月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ワイルドエウスト」でした。
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