ニューサイクリング 1989年12月号(No.305)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1989年12月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1989年12月号は、通巻305号です。

カラーの口絵は、「ニューグッズハンティング エアロウイング ラグ」「魔物について」「MTBジャパンオープン」「ツール・ド・北海道」です。

305号の目次をページ順に追うと、

 20 スポーツサイクリング車宣言 700CWOタイヤ・オールラインナップ

 38 マンモスMTB世界選手権 ATBテンションディスク、コースレコードの日

 46 NC道案内 上州・大道峠 走りが楽しいオンロードツーリングコース

 54 私をとらえる魔物について

 66 ツール・ド・フランス メカニシャンの1日

 70 第3回ツール・ド・北海道 明と暗を走り抜けた戦士達のフォルム

 80 NCテスティングギヤリポート ラティード・カーボンコンポジットフレーム、チクロエア

 86 第1回MTBジャパンオープン

 90 新連載 心に吹く風 人生80年時代の心意気

103 モノディスプレイ

104 NCクラブハウス(4) 自転車で道を走ってみる会

106 クラシックラリー

108 NCエイドステーション

111 気になる風景 駅制

113 NC情報通

117 1989年総目次

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「スポーツサイクリング車宣言 700CWOタイヤ・オールラインナップ」は、700Cホイールの可能性を探る特集記事です。今回は国内外メーカーの18Cから38Cまでの700Cタイヤを41種類紹介しています。また後半では「700Cで遊ぶ人達」と題して、700Cホイールの自転車に乗っている6名のユーザーにインタビューした記事が載っています。

「マンモスMTB世界選手権 ATBテンションディスク、コースレコードの日」は、スギノテクノ開発室に努める筆者による、9月にアメリカ・カリフォルニア州で開催されたマウンテンバイクの世界選手権の大会レポートです。筆者は、このレースにATB 用のテンションディスクの試作品を持ち込んでいます。そのホイールを全米チャンピオンのジョン・トマック選手に使用してもらうこととなります。そして、トマック選手は前年の記録を10秒以上短縮するワールドレコードを記録して優勝しました。

「NC道案内」は、ルートマップと写真を中心とした見るサイクリングガイドです。今回は「古き良き街道の脇往還をトレースする新しい道」と題して「上州・大道峠」を紹介しています。今回は沼田駅をスタートして上津、布施、下宿を経由して797mの大道峠を越えます。この後標高800mのピークをひとつ越えて下りに入り、岩本を通って中之条駅に至る40.3kmです。ガイドデータでは、ホイールはチューブラーでグレードは初心者OK、シーズンは3月~12月となっています。

「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、医師がオーナーのケルビムのトライアスロンモデルが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「スコット型ハンドルに関する考察」です。

「ツール・ド・フランス メカニシャンの1日」は、サンツアーのメカニシャンとして転戦2年目をむかえた藤原冨美男氏へのインタビュー記事です。その内容はステージのある一日を起床からスタートに向けての準備、レース中のメカニック達の行動、ステージ終了後のメンテからその後の移動までとなっています。

「第3回ツール・ド・北海道 明と暗を走り抜けた戦士達のフォルム」は、6日間655kmで戦われた大会のレースレポートです。レポートは初日のプロローグから最終日の第5ステージまで、各ステージの展開と結果を伝えています。

「NCテスティングギヤリポート」は、NC編集部員による新製品のテストレポートです。今回は「ラティード・カーボンコンポジットフレーム」「チクロエア」を取り上げています。「ラティード・カーボンコンポジットフレーム」は、11月号で紹介されたフレームを使用した試乗車を借り出してのテストです。フレームはカーボンの内層にテクノーラという強力アラミド繊維を重ねたコンポジット構造です。その走行感は踏み出しが軽く、高速巡行性も良い。ハンドリングは直進性重視でおとなしい性格、特に低速域では少々腰が重いとの印象です。「チクロエア」はミニコンプレッサーです。シガーソケットから電源を取るタイプで、AC電源からは市販のアダプターが必要となります。その性能は、700X28Cのタイヤに0から6.3気圧まで約40秒という結果でした。性能的には十分な製品ですが、フレンチ・バルブ専用ということと、作動音が大きいということがデメリットだと報告しています。

「第1回MTBジャパンオープン」は、小田急石打スキー場で開催された大会のレポートです。同大会では、当時「カミカゼダウンヒル」と呼ばれたハイスピードダウンヒルを含め、ヒルクライム、トライアルが行われました。初日のトライアルでは、世界チャンピオンの柳原康弘選手が優勝します。2日目はダウンヒルでしたが、雨の為にコースを短縮して実施。結果は平均時速49.8kmで柳原康弘選手がトップとなり、2冠を獲得しました。

「心に吹く風」は、12月号から始まった杉野安氏による新連載です。今回は「人生80年時代の心意気」と題して、筆者が65歳になって新たな挑戦を始めたことや、「人生は80年」といわれるようになった当時の、これからの老人像やヨーロッパの老人たちの生活ぶりを語っています。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、アラヤ「VX-400」、ボッテキア「KRONOSTRADA 90」「GUANACO」、プーマ「レーシングメッシュ I」「ツーリングメッシュ LITE」「XTGツーリング LITE」等を紹介しています。

「NCクラブハウス」は、各地のクラブを紹介する為にNCが提供するもので、9月号から始まったページです。今月は「自転車で道を走ってみる会」から記事が寄せられています。

「スペシャルメイドサイクル&クラシック自転車ラリー」は、10月に東京の日比谷公園で開催されたイベントの取材記事です。クラシック部門35台、スペシャル部門17台が展示され、記事では出品者相互でおこなわれた人気投票の結果と寸評を紹介しています。

「NCエイドステーション」は、読者参加のコーナーです。今回は「ニューパスハンティング実走レポート」'88年12月号で紹介した「美濃高原六つの峠」'87年5月号で紹介した「東嶺林道」の実走レポートが各1件あります。そして「峠情報」として「旧仙岩峠」の情報が読者から寄せられています。

「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「駅制」と題して、制度のことについて語っています。

「NC情報通」は、自転車に関連したイベントや情報などを掲載するコーナーです。今回は、ニューサイ恒例の正月七福神巡りの案内など、7件の情報が掲載されています。

「1989年 NC総目次」は、NC誌1989年1年間の掲載タイトルをジャンル別に分類し、一覧形式にまとめたものです。

1989年12月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ワイルドエウスト」でした。

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