ニューサイクリング 1989年6月号(No.299)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1989年6月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1989年6月号は、通巻299号です。

カラーの口絵は、「魔物について」です。

299号の目次をページ順に追うと、

 20 '89年サイクルフェスティバル

 28 新連載 サイクリングガイド NC道案内 アルプスの展望台とロングダウンヒル 杖突峠

 38 私をとらえる魔物について

 50 ルネ・エルス最後のシャントゥルー 電話機は床で鳴った

 58 90年世界選手権日本代表候補選手(ロード)選考会 肝要と凝縮の5時間54分04秒92 高橋松吉が201kmに賭けたもの

 66 USNFメンバー・USCF公認メカニック 山口弘一レポート フロム アメリカ メカニック イン USA

 74 進化するCAT NC・ATRの改造

 78 期待と危うさの間でときめく18才の可能性

 82 孤独の旅 一人旅の充実感、解放感

 84 ワイワイツーリング阿武隈

 88 杉野 安の舌万歩計から ブラックピープル

 94 スポニチ・サイクルロードレース

 96 宮田工業100周年記念スペシャル・リミテッド サンテーヌ

 98 気になる風景 高津

105 モノディスプレイ

106 NCサロン

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「'89年サイクルフェスティバル」は、東京国際見本市会場で行われた展示会のフォトレポートです。

「新連載 サイクリングガイド NC道案内」は、「ニューパスハンティング」に代わる新たなコースガイド企画の連載です。「NC道案内」では、紹介する対象がより幅広くなります。さらに、ルートマップと写真を多数掲載するスタイルはニューパスハンティング」と同様ですが、文章による案内を極力減らし、読むガイドから見るガイドへと変わっています。連載第1回目となる今回は「パノラマスポルティフコース アルプスの展望台とロングダウンヒル」と題して「杖突峠」を紹介しています。コースは茅野駅をスタートして国道ルートで今回の最高点となる1247mの杖突峠を越え、高遠から伊那市駅に至る38kmです。ガイドデータでは、ルートはオール舗装で初心者もOK、ベストシーズンは4~5月となっています。

「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、国際線パイロットがオーナーのトーエイのランドヌーズが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「東叡社のスペシャル・ワークスに関して」です。

「ルネ・エルス最後のシャントゥルー 電話機は床で鳴った」は、今井千束氏によるルネ・エルスのアトリエ視察記です。リリー・エルスからの電話で急ぎアトリエを訪れた氏はかねてからの希望であったタンデム・シャントゥルーの製作を見ることとなります。その工程は、一部始終を見た千束氏によって記事の中で紹介されています。ジャン・デュボア氏の製作するそのシャントゥルーはリリーとジャン夫妻のものであり、結果としてエルス最後のタンデムとなりました。そして、後年このシャントゥルーは日本にやってくることとなります。

「90年世界選手権日本代表候補選手(ロード)選考会 肝要と凝縮の5時間54分04秒92 高橋松吉が201kmに賭けたもの」は、4月に群馬CSCで行われたロードレースのレースレポートです。プロ(競輪選手)44名、アマ16名の合計60名で争われたこのレースは、ロード選手の高橋松吉選手と森幸春選手が残り60kmから逃げ、ゴールラインをほんの一瞬早く越えた高橋選手がレースを制しています。

「USNFメンバー・USCF公認メカニック 山口弘一レポート フロム アメリカ メカニック イン USA」は、元3RENSHOのビルダーで当時USCF(アメリカ自転車競技連盟)の公認メカニックを務めていた山口弘一氏によるアメリカからのレポートです。第5信となる今回の便りは、チーム用のサンプルマシン製作の様子を送ってきています。また他にも、アメリカチームのマシンセッティングやトレーニングについてもレポートしています。

「進化するCAT NC・ATRの改造」は、前年の企画「NCヌーベル トゥーリズム ジャポン」で製作したペガサスのオールテラインランドナーをさらに使いやすく進化させた改良記です。ひとつはシフトレバーまで含めたハンドルシステムとして「オールラウンダーバー+バーコン」をケーブルをジョイント式に改めて実現しています。次はカンティブレーキをスプリングテンションの調整できるタイプに変更しています。さらに、輪行時のアウター折れ対策としてリアディレイラーのアウターカップ受けに割りを入れてケーブルを外せるようにし、チェンリングのインナーをバイオペースにする改造を行っています。

「期待と危うさの間でときめく18才の可能性」は、当時頭角を現し始めていた、日東紅茶・三連勝に所属する橋川健選手の取材記事です。

「孤独の旅」は6月号から始まった、今井彬彦編集長による随筆の連載です。今回は「一人旅の充実感、解放感」と題して、サイクルツーリング、なかでも一人ぼっちの旅に限りない喜びを覚えてきた編集長が、過去の一人旅の思い出と一人旅を好む理由を語っています。

「ワイワイツーリング阿武隈」は、11人で走ったサイクリング紀行です。筆者は総勢10名で新幹線と磐越東線を乗り継いだ夏井駅へ、ここで合流した1名を加えた11名でツーリングをスタートさせます。ダートを走り、御在所街道に出たあたりから集団走行が乱れ始め、メンバーはそれぞれのペースとルートで初日の宿を目指します。翌日は、体調を崩してリタイアした2名がバス輪行で帰宅。残りのメンバーはダート道を押したり、アイスクリームを食べたりとワイワイしながら四時川林道を走り勿来へと下っていきました。

「杉野安の舌万歩計から」は、杉野安氏執筆による連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「ブラックピープル」です。筆者は異民族との交流について自身の考えと経験を色々と披露しています。また、人種による肉体的なパフォーマンスやスタイルについても言及しています。そして、日本の自転車選手も世界に通用するような肉体の進化があってほしいといっています。

「スポニチ・サイクルロードレース」は、4月に群馬サイクルスポーツセンターで開催されたロードレースの大会レポートです。

「宮田工業100周年記念スペシャル・リミテッド サンテーヌ」は、フルカーボンにヘッド・ラグ・エンド部に24金メッキを施した特別仕様車の紹介です。

「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「高津」と題して、公設の港について語っています。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、キャノンデールのロードとATB、リッチーのATB、オランダ・パリーバ社のハンドメイドタイヤ等を紹介しています。

「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回の「INFORMATION」は、サイクリング・ロードレース情報が3件掲載されています。また、シマノが5チームのプロチームスポンサーとなることを報じています。

1989年6月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ワイルドエウスト」でした。

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