ニューサイクリング 1989年9月号(No.302)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1989年9月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1989年9月号は、通巻302号です。
カラーの口絵は、「魔物について」です。
302号の目次をページ順に追うと、
22 最新ATB 10台の実力 スタッフベロ・ラフロード・インプレッション
42 自転車が頭脳を持った! サイクルコンピュータは、遊びを豊かに演出する
60 BICYCLE RACE IN 原村
66 全日本実業団自転車競技選手権 阿部和香子、3000m個人追抜新記録/2人だけのウイニングラン
72 私をとらえる魔物について
82 メカニック イン USA 山口弘一レポート フロム アメリカ
90 杉野 安の舌万歩計から 〈炊き込みご飯〉
101 モノディスプレイ
102 MTブリザード
105 NCエイドステーション
106 遊ing ATB '89
108 NCクラブハウス (1)NCTC
110 シマノ・グリーンピアロード開催迫る
112 気になる風景 風景の見方
117 NC情報通(ツール・ド・おきなわ、他)
118 ニューサイクリングラリーのお知らせ
となっています。
主な記事を以下にご紹介します。
「最新ATB 10台の実力 スタッフベロ・ラフロード・インプレッション」は、ATB10台の編集部スタッフによる試乗レポートです。取り上げられているATBは、ブリヂストン、ミヤタ、丸石、パナソニック、アラヤ、ニシキ、フジ、GT、ジャイアント、サカエの各車です。レポートでは、各車の概要と試乗した印象が述べられてます。さらにスペック表も掲載していますので、各車のフレームの角度寸法やアッセンブルパーツ等の詳細な仕様も知ることができます。
「自転車が頭脳を持った! サイクルコンピュータは、遊びを豊かに演出する」は、当時注目を浴びつつあったサイクルコンピュータを取り上げた特集です。6社の8機種を取り上げて、その製品概要と機能一覧表を紹介しています。また、各メーターのスピードや距離などの最大記録値を取り上げて、製品ごとの特徴も探っています。使用感については、サイコンを実際に使用している現役選手にその使い方等を聞いています。また、ツーリストの使用例としてアルプスの萩原浩氏へのインタビュー内容や、サイクリングクラブメンバー50人へのアンケート結果も紹介しています。
「NC道案内」は、ルートマップと写真を中心とした見るサイクリングガイドです。今回は「ATBスーパーラフロードダウンヒル」と題して「御庭・精進口登山道と富士林道」を紹介しています。今回はクルマでスバルラインを2300mまで登ったところからスタートし、御庭からお中道に入り新五合目を経由して精進口登山道から富士林道を走って河口湖へ至る28.8kmです。ガイドデータでは、グレードは中級以上、ベストシーズンは7~8月と10月となっています。
「BICYCLE RACE IN 原村」は、3年目を迎えたクリテリウムレース「八ヶ岳カップ・。バイシクルレース・イン原村」の取材レポートです。
「全日本実業団自転車競技選手権 阿部和香子、3000m個人追抜新記録 / 2人だけのウイニングラン」は、「第20回全日本実業団自転車競技選手権大会」での阿部和香子選手の個人追い抜きと「第23回全日本実業団対抗サイクルロードレース」での男子75kmの取材レポートです。
「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、会社員の方がオーナーのピチュー・フレームのシクロ・スポルティフが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「現代自転車遊び方考」です。
「メカニック イン USA 山口弘一レポート フロム アメリカ」は、元3RENSHOのビルダーで当時USCF(アメリカ自転車競技連盟)の公認メカニックを務めていた山口弘一氏によるアメリカからのレポートです。今回の便りは、氏が製作したTTバイクのプロトタイプを紹介しています。フレームはオールクロモリで、リアホイールが前年まで使用していたカンパからマビックのコメットに変更となったため、コーナリングレスポンスの欠点をカバーする為にステイを曲線形状にしています。他のコンポーネントについてはサンツアーのシュパーブプロとなっています。
「杉野安の舌万歩計から」は、杉野安氏執筆による連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「炊き込みご飯」です。まずは自転車の機材としての質について、日本とイタリアを例に出してその実力と認知度の比較をしています。そして、オートバイの例を挙げて日本製自転車の優秀さを認知させるために日本製機材と外国人ライダーでレースに勝つことが必要だと述べています。食の話題は、日本料理です。筆者が日本一と評価する料亭からのれん分けを許された料理人による店のことを紹介しています。そこで食べた炊き込みご飯とともに出てきた漬物のナスビにはマスタードが挟まれており、その意外性に驚いたといいます。
「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、サカエの「SR LITAGE ATBフレーム」、スギノ「テンションディスク用ハブ」「スギノ75バーテープ」等を紹介しています。
「MTブリザード」は、元ラレーUSAのマネージャーがデザイン・設計し、日本各地の7社が総代理店となって販売が開始された新たなブランドのATB紹介ページです。
「NCエイドステーション」は、読者参加のコーナーです。今回は「ニューパスハンティング実走レポート」'88年9月号で紹介した「真昼岳林道」のレポート2件と、'88年12月号で紹介した「美濃高原の6つの峠」のレポート1件、そしてNC誌に対する意見が1件読者から寄せられています。
「遊ing ATB '89」は、7月から8月にかけて各地で行われたJAPAN ATB FESTAの開催レポートです。
目次にはありませんが107ページには「皇太子殿下シマノ工業をご視察」と題したレポート記事が掲載されています。
「NCクラブハウス」は、各地のクラブを紹介する為にNCが提供するもので、9月号から始まったページです。今月は「NCTC」から記事が寄せられています。
「シマノ・グリーンピアロード開催迫る」は、開催間近となったロードレースのイベント内容紹介です。
「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「風景の見方」と題して、屋外の世界が我々に与える絵画的な印象のことについて語っています。
「NC情報通」は、自転車に関連したイベントや情報などを掲載するコーナーです。今回は、ツール・ド・おきなわの開催告知や市川雅敏選手初勝利の報告など、11件の情報が掲載されています。
「ニューサイクリングラリーのお知らせ」は、この年の11月に御殿場で行われる「89NC・RALLY」の開催告知です。
1989年9月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ワイルドエウスト」でした。
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