ニューサイクリング 1965年10月号(No.17)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1965年10月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1965年10月号は、通巻17号です。

この号の表紙は「日光戦場ヶ原で」です。

通巻号の目次をページ順に追うと、

口絵 戦場ヶ原

口絵 富士のある風景

18 この夏のサイクルレース 

24 第9回 JCA全国ラリー

26 第7回 国立公園大会

28 誰でも出来るスポーツ車のメンテナンス(3)

32 スポーツ車、部品の寸法(6)

38 私の見たヨーロッパの自転車工場(2) ワイマンのことなど

52 飛騨路ツーリング

62 単独東北を走る

64 新製品メモ

70 PRコーナー

72 外誌紹介

74 サイクリング東西南北

78 パニア―バッグ

82 交換案内

88 編集後記・代理部だより

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「第34回日本アマチュア自転車競技選手権」

夏のサイクルレース特集のひとつで、立川競輪場と八王子で開催された日本選手権の名で呼ばれる同大会のレースレポートです。立川競輪場ではトラック競技が行われ、ロードレースは八王子を発着点として五日市を経由する28.9kmを5周するコースで争われました。このレースの結果、この年にスペインで開かれる世界選手権へ派遣する選手が決定しています。


「第21回全日本大学対抗選手権自転車競技大会 秩父宮杯」

夏のサイクルレース特集のひとつで、福島の平競輪場と平市を発着点とするコースで行われた、トラックおよびロードレースのレース結果報告です。トラックレースは45点を獲得した日大が優勝、ロードレースも日大が1位2位を含む4人が入賞を果たして総合では2位を大きく離して9連勝を飾っています。


「第16回全国高等学校対抗選手権自転車競技大会」

夏のサイクルレース特集のひとつで、大分の別府市で開催されたこの年のインターハイのレースレポートです。トラックレースは別府競輪場で開催されましたが、この大会後に改修に入るというバンクの為か記録に目立ったものはなかったようです。ロードレースは「第10回全国高校自転車道路競走中央大会」として開催され、亀川駅をスタートして3人一組で争うチームロードが行われました。結果は8年ぶりに岩手の紫波高校が優勝、以下2位秋田の能城工業高校、3位埼玉の川越工業高校となっています。


「第九回全国ラリー」

この年の8月に和歌山県で開催された全国サイクリングラリーのイベントレポートで、写真を中心に大会の様子を伝えています。全国ラリーの後には御坊市で「サイクリングキャンプ大会」が開かれており、全国ラリーの記事の後にその模様もレポートしています。


「第7回国立公園大会」

今大会は野外活動隊約800名を中心にして、八甲田の中腹、田代平で開催されました。野外活動隊はサイクリング班60名の他、山岳班、ユースホステル班、他があり、全員青森市からバスで会場まで運ばれています。大会は入場行進から始まり第一部の行事終了後に食事、夜の行事はキャンプファイヤーでにぎやかに進行しました。翌日は朝の集いの後、野外活動班が出発して会場での行事は終了します。サイクリング班は出発後奥入瀬を通って十和田湖まで約30kmのサイクリングとなります。十和田湖の子ノ口に到着後は、船に乗って休屋に行くもの、バスとトラックで青森に帰るもの、サイクリングを続けて発荷峠を越えるものなど、グループごとにプランを立てて解散しました。


「誰でも出来るスポーツ車のメンテナンス 第3回」

これは、横尾双輪館の横尾明氏の執筆による連載講座です。今回は「ハンドルバー及びステムの交換。バーテープの巻き方」です。ここではハンドルはドロップバーのことを中心に話を進めています。最初はドロップバーの形状やサイズ、ステムの選択ポイントなどを説明しています。また、交換する際には国産と外国製では規格が異なる場合があるので、この点に注意するようにとあります。実際の交換作業については、メーカーの製品特性なども踏まえてバーのステムからの抜き方(入れ方)を解説しています。続いてブレーキレバーの取付についても解説がされています。バーテープの巻方は、糊付きのものとそうでないものの二パターン紹介しています。当時一般的であった糊の付いていないビニールのバーテープは、バーの上から巻き始めます。ブレーキレバーの所はバンドが隠れるくらいにたすき掛けをします。最後は余ったテープをバーの中へ押し込み、エンドを差し込みます。糊付きの綿テープの場合は、バーのエンド側から巻き始めます。バーの外側から上を通って内側へ、バーを握る手の力が加わる方向に巻いていきます。巻き終わりは左右同じ距離の所で終わるように、テープの最後はバーの下側で終わるようにするとはがれにくく長持ちするとしています。最後にバーエンドについて、バーがむき出しのままだと転倒時に思わぬ怪我をする場合があるので、必ず蓋をするようにとしています。


「スポーツ車、部品の寸法 〔第6回〕部品の互換に関する寸法」

サイクリングの楽しみは走ることはもちろん、自転車そのものをいじることも楽しみの一つです。この企画は主として寸法の面から自転車と部品およびその関連について解説していく連載となります。今回は前回までに出ていなかった箇所をまとめて取り上げています。はじめにフレーム関係でヘッドまわりとサドル関係です。ヘッドまわりではヘッド小物にフォーク肩とエンドの寸法で、日本のJISとフランスのBNAの規定と寸法をそれぞれ挙げて比較、解説しています。サドル関係ではシートポストの径、サドルのレール幅について言及しています。部品関係ではフレームポンプのサイズ、タイヤバルブとポンプのホースやアダプタ、チェーンのプレート幅、クランクのコッターピン、ペダル、ダイナモそれぞれの互換性について述べています。


「私の見たヨーロッパの自転車工場」

この文は「杉野安 ペンとカメラ」と称した、当時の杉野鉄工所の社長であった杉野安氏による海外見聞録です。今回は「ワインマンのことなど」と題して、ドイツにあるアルテンバーガーの工場を訪れた話と、スイスのワインマンの工場を訪問した話です。筆者は先にアルテンバーガーのエステン工場を訪れます。そこではキャリパーブレーキの日本代理店の話になりますが、筆者は興味はないと返事をします。アルテンバーガーを辞した後は20km程離れたスイス・シャウハーゼンの町に移動します。ここのホテルに泊まった翌日は、吉貝氏と共にワインマンを訪問し、製品に関する質疑応答と工場見学をします。ここで見たワインマンのブレーキアーチはアルテンバーガーと違い、鍛流線が力学的に安全なうまい方法で作られていたといっています。また、当時のワインマンは新たにジュラルミン製のサングラスの工場を建設して世界に新しいモードを作り出そうとしており、これは面白いと感想を述べています。


「飛騨路 雨に明け、雨に暮れたツーリング」

これは港サイクリングクラブの植原郭氏による、富山から名古屋までのツーリング紀行です。筆者は3人で富山からツーリングをスタートさせますが、初日の朝から雨となります。初日は湯谷温泉泊、翌日は小牧ダムから下梨まで船で行ってから走りだし白川郷に泊まります。翌日は峠をいくつか越えて高山泊しますが、翌日は高山市内で半日遊んでしまったため、午後から途中雨に降られながら80粁走って焼石駅近くの宿に投宿します。最終日は前夜からの雨が止まず、十時頃小やみになったので出発しますが、道路は一面水たまりでずぶ濡れになりながら走ります。最後は夜八時を回った頃にようやくクラブ仲間の下宿にたどり着いてツアーを終えます。


「単独東北を走る」

4月の終わり頃、筆者は京都から汽車を乗り継いで青森駅に到着します。駅で自転車を組立て、単独サイクリングを開始します。市内を過ぎ、雲谷平を抜けて雪の残るなか酸ヶ湯を目指しますが、夜になっても到着しません。仕方なく雪面の平らなところに寝ることにします。翌日は夜が明ける前に目が覚めますが、そのまま起きて進むことにします。ようやく酸ヶ湯にたどり着き、食事を済ませリンゴとジュースを買って再出発します。かさ松峠を越えて長いダウンヒルを下り、子ノ口から船に乗って休屋へ渡り、その夜は十和田のユースホステルに泊まります。翌日はホステルを出発して発荷峠を越え十和田南駅まで下りて駅前で食事、さらに自転車を進めて花輪から湯瀬温泉を経由して荒屋新町の旅館に投宿します。翌日は赤坂田を抜けてその後国道4号に入り、舗装路を快調に走って盛岡、花巻、北上を過ぎて水沢まで行って駅前の旅館に入ります。5日目の朝は雨でしたが迷った末に走ることにします。中尊寺で観光して一関まで走りましたが、この日はここで走るのを止めて旅館に入ります。そして、翌日は曇りでしたがこのツアーは中止することとします。そして、自転車を発送した直後に雨が降り出しました。


「新製品ガイド」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は日東ハンドルのスライディングステム、三光舎のパンタ式ディレイラー、ノートンのアルミ製ボトルとケージ、唐沢製作所のプリマスインフレーター、島野工業の333フロントディレイラー、東京ブレーキの軽合センタープル「クロスボーFX」、三ヶ島製作所のレザー付きトークリップと軽合プレートペダル「ラットトラップI型」「純レーサー」「マックスI型」、前田鉄工所の「サンツアー コンペティション」、TAのシュープレートなどが取り上げられています。


「PRコーナー」

このコーナーではカタログや書籍を紹介しています。今回は自転車工業会が作成した「ジャパン・バイシクル・ガイド」や「サンツアーカタログ」「マグネット自転車カタログ」「ブリヂストンカタログ」「杉野ギヤカタログ」「ワンダーフォーゲルカタログ」「川村産業カタログ」や丸石自転車の「チェンジギアの手引」を紹介しています。また他にも、三光舎の「三光舎パーツボックス」を主なスポーツ車販売店に置くことを案内しています。


「近着外誌から」

このコーナーでは海外誌の紹介をしています。今回取り上げているのは、ツール・ド・フランスを特集した「ミロワール・シクリズム」「ミロワール・スポール」「レキップ」の3誌と、隔月刊のツーリング専門雑誌「ル・シクリスト」となっています。


「サイクリング東西南北」

このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は各地のクラブからの情報に加えて、JCAニュース創刊号の案内と全国のサイクリング協会所在地が掲載されています。


「交換案内」

自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は総ページ数は6ページに減少していますが、完成車の売り出しは相変わらず多く、20台を越えています。


1965年10月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士サイクリング車シリーズ '65 後期 オーディナリータイプ その1」でした。

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