ニューサイクリング 1965年8月号(No.16)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1965年8月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1965年8月号は、通巻16号です。
この号の表紙は「九州横断道路」です。
通巻16号の目次をページ順に追うと、
12 最近のスポーツ車部品を見る
19 第17回関東選手権大会
20 私の見たヨーロッパの自転車工場
24 誰でも出来るスポーツ車のメンテナンス(2) パンク修理 2 チュブラ
30 イギリスの自転車教室
34 陸中紀行遠野
37 テントをかついで伊豆半島
50 サイクリングレポ 田毎の月日帰りラン
50 ロードレースについて その規則と解説
54 新入部員歓迎ラン
58 サイクリングレポ 玉川上水に沿って
59 サイクリングレポ 東京湾半周
60 新製品メモ
62 新車拝見
64 交換案内
73 いじわるコーナー
74 サイクリング東西南北
78 パニヤー台
82 編集後記
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「最近のスポーツ車部品を見る」
これは今月号の特集で、この頃新製品が百花繚乱の様相を呈していたので、現状を整理する意味で当時市場にあった主な部品を編集部がリストアップした企画です。製品は各分野ごとに大まかな分類の説明とメーカー、製品、価格を紹介しています。取り上げられている製品の分野を見ると「リム」「タイヤ」「ハブ」「チェンホイール」「フリー」「リヤディレイラー」「フロントディレイラー」「ペダル」「ブレーキ」「ハンドル」「サドル」「アクセサリー用品」となっています。
「第17回関東自転車競技選手権大会」
これは茨城の取手競輪場で開催された大会における「1000米タイムトライアル」「400米速度競走」「スクラッチレース」「1000米ポイントレース」「4000米団体追抜」のレース結果紹介です。
「私の見たヨーロッパの自転車工場」
この文は「杉野安 ペンとカメラ」と称した、当時の杉野鉄工所の社長であった杉野安氏による海外見聞録です。今回は「カンパニオロのことなど」と題して、イタリアとカンパニョーロ社の訪問記です。筆者はスイスのワイマン本社工場を見学した後にイタリアへ向かいます。ミラノからヴィチェンツァにクルマで向かいカンパニョーロ社を訪問します。内容に社内の様子はあまりなく、カンパニョーロ氏の立身出世と、当時のカンパ社の経営危機と銀行による救済と再建について触れています。
「誰でも出来るスポーツ車のメンテナンス 第2回 パンク修理 (B)チューブラー」
これは、横尾双輪館の横尾明氏の執筆による連載講座です。今回はチューブラータイヤのパンク修理についてです。最初はチューブラーに関する予備知識として「チューブラーの種類」「バルブ」「リムセメントとタイヤのはめ方」「空気の入れ方」「空気圧」「スペアタイヤ」について述べています。次にパンク修理の実際について、写真も使用しながら修理手順を解説しています。
「イギリスの自転車教室」
記事の冒頭で「日本と違って人命というものを極度に尊重する先進国では、自転車に対する配慮が、専用道路の設置や交通規制などによって、深くはらわれているようで、多くの報告がされている。その点、自転車というものに対して、一顧もしないように思える日本の道路行政のあり方は、サイクリストとして非常に残念である。」とあるように、日本での自転車の安全利用についての企画で、ここでは自転車に乗る側に対する発信として、イギリスで発行された「CYCLING TO SCHOOL」を紹介しています。
「陸中紀行 遠野」
この文は綿貫益弘氏による、「伝説と物語の辺地遠野郷を行く」と副題を付けたサイクリングエッセイです。
「テントをかついで伊豆半島」
筆者はゴールデンウィークを利用して3人で伊豆半島海岸線一周のサイクリングを行います。初日は雨のなか横浜から沼津に向かい、先に送っておいた自転車を受け取り三津を経由して大瀬岬のバンガローに泊まります。翌日からは自転車と船も使って、宇久須、中木、須崎に泊まりながら伊豆半島を巡って熱海までたどり着きます。最終日は熱海を出て真鶴道路を小田原へ、さらに東海道、湘南道路を辿って横浜まで好調に走って行きました。
「ロードレースについて その規則と解説」
アマチュアが道路競走(ロードレース)に参加する時、どんなことを知っていなければいけないかという意図で、編集部が「日本アマチュア自転車競技規則」から抜粋、紹介しています。取り上げている条文の項目は「競技者の義務」「使用する自転車」「携行品の制限」「食料及資材」「徒費時間と競技の中断」「妨害」「コースの誤走」「関門認証」「着順の判定」「服装」となっています。条文紹介の後は、編集部が「ビギナーのために」と題して自転車、服装、食料、トレーニングについて解説しています。
「新入部員歓迎合宿記」
これは早稲田大学サイクリング同好会の新入生歓迎合宿のレポートです。5月の連休を利用して房総半島へ出かけた部員は総勢25名。五反田駅に集合した一行は、川崎港からフェリーで木更津へ渡ります。さらに富津キャンプ場まで移動します。その日はインスタントラーメンの夕食をとり、キャンプファイヤーをして過ごしました。翌日は白浜を目指して健脚組とその他の班に分かれて走り始めます。筆者は健脚組で養老渓谷、勝浦、小湊を経由して白浜まで走りますが、ハードな道程で夜9時半ごろようやく白浜に到着します。フロ屋で汗を流した後はテントに戻って食事を食べ、朝までぐっすり休みます。最終日は朝食後に館山に向かいますが、途中から土砂降りの雨になります。やむをえず一行は、東京まで自走で行くという強硬派5名を除き、館山から自転車を送って電車で帰宅しました。
「サイクリングレポート 信州名所 田毎の月へ日帰りラン」
筆者の自宅から近すぎるという理由から行きそびれていた場所へ友人と共に出かけます。筆者と友人は長野市の筆者宅を出発し、神社でお参りした後目的の場所を走ります。そのあとは聖高原に向かいますが、途中昼食休憩をとって再出発しようとした頃に雨が降り始めた為、上山田へ目的地を変更します。そこで雨宿りをしてから帰途につきました。
※目次では掲載ページは50ページとなっていますが、本文は56ページに掲載されています。
「サイクリングレポート 玉川上水に沿って」
農大サイクリング同好会のメンバーで農大からユネスコ村までの日帰りランのレポートです。ルートは農大から多摩霊園を経て上水道路で狭山湖へ、帰りも上水道路で三鷹へ出ていますが、上水道路が素晴らしいといっています。
「サイクリングレポート 東京湾半周」
これは、サイクルフレンドクラブのメンバー5人で走ったクラブランレポートです。一行は川崎港から春に開通したばかりの川崎、木更津間のフェリーに乗ります。木更津からは国道を走って袖ヶ浦で遅い朝食をとります。袖ヶ浦からは堤防上を姉ヶ崎まで走り、五井の手前からは産業道路を、その後も海沿いを走りながら東京へ向かっていきました。
「新製品ガイド」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は前田鉄工のフロントディレイラー「バアニー」、吉川製作所の軽合金サイドプルブレーキ「レッドシューズ」、極東製作所のハーフクリップ、東京ブレーキ製作所のセンタープルブレーキ「クロスボーMX」などが取り上げられています。
「新車拝見」
このページは、マスプロメーカーの新車を紹介するコーナーです。今回はブリヂストンタイヤと日米富士自転車の各製品が取り上げられています。ブリヂストンからはSSというスーパースピードの姉妹車でファミリヤな10段変速車「SS-F」、BS-Fの普及版となる4段変速にドロップハンドルの「BS-4F」、「BS-4AF」は「BS-4F」をオールランダーバーとしたモデルです。日米富士からは10スピードの「CR-2 クラブラン」、「NFR ニューオールランダー」「CT4D ツアーフォーデラックス」の2車種は4段変速、「HK-2 ハイカー」はハブギヤの3段変速というラインナップです。
「交換案内」
自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は完成車の売り出しが20台を越えています。そして、ホルクス、アルプス、ビアンキ、レニアーノのロードレーサーが出ていたり、買いたしにも完成車8台中4台がロードレーサーがあるなど、ロードレーサーの普及が目立っているようです。
「サイクリング東西南北」
このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回も協会やクラブからの情報掲載が主だったものですが、この中に「サイクルフレンドクラブ(CFC)」という、ニューサイクリング誌の愛読者が集まってできたクラブが紹介されています。
1965年8月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「'65 後期 富士サイクリング車シリーズ」でした。
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