ニューサイクリング 1966年4月号(No.22)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1966年4月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1966年4月号は、通巻22号です。
この号の表紙は「五人乗り自転車」です。
通巻22号の目次をページ順に追うと、
口絵 66年ニューサイクルショウ
24 自転車の物語 楽しい絵による自転車の歴史
33 自転車競技ア・ラ・カルト
34 シクロ・ド・パリ
42 沖縄における若人の森建設大会に参加して
42 全日本学生選手権チームロードレース
59 いじわるせくしょん
60 66年度スポーツ車 その2
66 随想・サイクリストと服装
68 新製品ガイド
70 サイクリング東西南北
72 PRコーナー
76 パニアバッグ
82 特約店名簿
85 交換案内
94 代理部だより
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「自転車の物語」
ここでは、オランダで発行された1枚ずつのシート16枚を一組とした自転車の変遷を絵で紹介している作品のそれぞれを紹介しています。表紙絵の次から紹介されている15枚を順に見ると「セレリフェール」「ドライジーネ」「ペデストリアン ホビーホース」「ルイス・コンペルティ」「マクミラン」「フィリップ・M・フィッシャー」「ホーテン・ミショウ」「スターレン・ミショウ」「アリエル」「ローソン」「ホッジ・ベロシペード」「アメリカン・スター・バイシクル」「カンガルー」「レバープロペルドセーフティ」「フロントドライバー」となっています。
「自転車競技ア・ラ・カルト」
このページは、ベロ・クラブ・トオキョウが担当する連載です。今回は「東京オリンピック出場選手のその後(プロフェッショナル編)」と題して、東京オリンピック出場後にプロへ転向した選手達の動向を伝えています。日本選手では佐藤選手が競輪に転向、新人王を獲得しています。海外のトラック選手では、ベルギーのセルキュ選手がプロ転向1年目で世界選手権スクラッチで決勝まで進んでいます。ロード選手は多数紹介されていますが、ベルギーのメルクス選手はベルギー選手権は惜しくも2位だったが、その他のレースで9勝しています。イタリアのジモンディ選手はオリンピックでは32位と奮わなかったものの、プロ転向1年目にしてツール・ド・フランスで総合優勝を勝ち取っています。
「シクロ・ド・パリ」
これは、杉野安氏によるパリ訪問記です。今回は「のみの市とフレクサと」と題してパリを訪れ、蚤の市を見て回ったこととフレクサの事務所へ商談に行った時の事を書いています。5月にパリを訪れた筆者、初日の夜は下痢と熱に苦しめられますが翌日には回復していたのでクリニアンクールの蚤の市に出かけます。そこでは初期のボーンシェーカーやセーフティを買うつもりでいましたが、当時すでにそのようなものはありませんでした。が、帰り際にだるま自転車を見つけます。購入まではいきませんでしたが、日本にはすでに数台しか現存していないだるま自転車が「のみの市」ではちゃんと買えると伝えています。その後のある日は、吉貝ブレーキの社長とともにフレクサの事務所を訪れます。ここでの会見では日仏の自転車業界の事についての情報交換と製品紹介を行いました。会見中にはともに食事をし、朝から始まった会見は夜にまで及び、通訳氏が疲労困憊となったため残る話は他日へ延期となりました。
「沖縄における若人の森建設大会に参加して」
1966年の1月、沖縄の奥武山公園で開かれた「若人の森」建設大会が全国から選抜された500余名が参加して行われました。そして、JCAからも全国から選抜された二十名の高校生が参加しました。ここでは、10名の参加者がその時の様子や感想を綴っています。式典は初日に開会式から市内パレード、記念植樹、夜の交歓会等がありました。翌日はラリーで、全行程約60kmのサイクリングを行っています。大会の様子は各参加者が様々に伝えていますが、当時の様子を伝える印象的な内容は、各参加者が全国から時には数日間汽車に揺られて鹿児島まで行った後に船で沖縄まで移動していること。そして、沖縄を出入りする際は税関手続きを行っていることに触れている点が、沖縄までの距離そして返還前の沖縄訪問をより印象付けています。
「'66年度スポーツ車 その傾向と各社推薦車 その2」
この記事は今月号の特集です。当時、日本の自転車生産は実用的な生活用具からスポーツやレクリエーションの用具としての傾向が強くなっていました。そこで、この特集では前月号で1966年度の自転車の傾向と各メーカーが自薦した製品を紹介。今月は前月に登場しなかった各メーカーが自薦した製品を紹介しています。
今回取り上げられているメーカーは、ノートン自転車工業、片倉自転車、安全自転車、水谷自転車、マグネット自転車、丸紅山口自転車、英輪社となっています。各社の代表的モデルは写真も交えて詳細仕様を紹介するとともに、その他のラインナップを紹介しています。
「随想 サイクリストと服装」
ここではサイクルツーリストとしての服装について、当時のサイクリングスタイルや筆者の考えを述べています。
「新製品ガイド」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は島野工業の内外装組合せチェンジ、三光舎のフロントディレイラー、吉貝機械金属の軽合ステム、藤田サドル工業の「シームレススーパーサドル」等を取り上げています。
「サイクリング東西南北」
このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は各協会、各サイクリングクラブの会報内容紹介と、「南関東ラリー千葉大会」と「SCA会十周年記念ラリー」開催案内が掲載されています。
「PRコーナー」
このコーナーではカタログや書籍を紹介しています。今回は「安全自転車カタログ」「シルクスポーツ車カタログ」「ブリヂストンカタログ」「ゼブラ自転車カタログ」「極東製作所カタログ」「スピーディックカタログ」「マテックスカタログ」、それ以外では水谷輪業発行の「ツアーサイクリングスポーツ」、島野工業発行の説明書「コンビ12のしおり」「シマノの外装式変速機取扱い説明書」「変速機のしおり」、城東輪業社発行のワンダーフォーゲルの旅行シリーズ「若い旅人」が取り上げられています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は、「タンデムオーダーの注意点」「リムとサドルの選び方」「フリーの振れについて」「ギヤ数の選び方」他、質問とその回答を中心に取り上げています。
「本誌特約取扱スポーツ車販売店」
ここには、ニューサイクリング誌を販売しているスポーツ車販売店が掲載されています。今回は全国28都道府県の126店が紹介されています。
「全日本学生ロードレース」
この記事は、3月に富士スピードウェイで開かれた「第四回全日本学生選手権チームロードレース」のレースレポートです。レースは日大が大会四連勝を飾るとともに、団体で1位2位、個人では1位から3位までを占める結果となっています。
※目次では掲載が42ページとなっていますが、本文は84ページに掲載されてています。
「交換案内」
自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は売りたしにエバレストタンデムやチネリロードレーサー、山王が10台など、完成車が30台近く出されています。
「代理部だより」
サイクル出版社で取り扱っている書籍等の取扱品の紹介コーナーです。今月号では鳥山新一氏著の「サイクリング用語集」と「サイクリングハンドブック」他が紹介されています。また、最後にはサイクル出版社移転のお知らせが掲載されています。
1966年4月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士ツアーエイト 富士ツアーファイブ」でした。
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