ニューサイクリング 1966年11月号(No.28)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1966年11月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1966年11月号は、通巻28号です。

この号の表紙は「海外カタログ」です。

通巻28号の目次をページ順に追うと、

口絵 初冬の信州

 24 海外のサイクリングと自転車の関係雑誌

 36 サイクリング ヒストリー カード

 44 佐渡ツーリング紀行

 52 台湾旅行記

 62 誰でも出来るやさしいメンテナンス(11) フリーの分解(2)

 66 トロフィー終わる

 77 いじわるせくしょん

 78 シクリスム概論

 82 東西対抗・地域対抗競技

 84 びわ湖一周ロードレース

 86 東北一周ロードレースの記録

 88 自転車競技アラカルト

 90 学生選手権(関東・関西)

 91 連載小説 緑の代償 第5回

 94 新製品メモ

 98 東西南北

 99 パニアバッグ

107 交換案内

109 販売店名簿

110 代理部だより

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「海外のサイクリングと自転車の関係雑誌」

この記事は、今月号の特集です。当時の日本ではサイクリングや自転車の雑誌は「ニューサイクリング」と「旅とサイクリスト」しかありませんでした。一方、ヨーロッパではユーザー向け、業界紙ともに盛んに発行されていました。この特集では8誌を取り上げて紹介するとともに、各国のサイクリングや自転車の状況を紹介しています。今回取り上げている雑誌は、イギリスの「サイクリング」「スポーティング・サイクリスト」「トレーダー」、フランスの「ル・シクリスト」「ミロワール・デュ・シクリスム」「ル・シクル」、アメリカの「アメリカン・サイクリング」、イタリアの「イル・カルチョ・エ・イル・チクリスモ」となっています。後半では「外国雑誌に出ている自転車関係の広告」と題して、TAとロンキッチンの広告を写真と共に紹介しています。


「サイクリングヒストリーカード」

この記事で紹介しているのは、イギリスのジョン・プレイヤー&サンズ社のタバコの景品として中に入っていた絵です。絵は全部で50種類で、タバコを買いながら集めていくもので、台紙になる本は1ペニーで売っていました。表紙には「サイクリング1839-1939」となっており、カードを50種類集めると1839年から1939年までの自転車史が出来上がるようになっています。記事で紹介されている本は、日本のサイクリストが英国の友人から譲り受けたものです。この本はカードが7枚抜けていますが、その他のカードは台紙に張り付けられており、記事にはイラストと台紙の説明文の簡単な説明が記されています。


「佐渡ツーリング紀行」

これは、今井編集長がクラブの行事でクラブ員と共に佐渡を訪れたサイクリング紀行です。筆者一行は夜行で新潟まで移動し、そこから船で両津へ渡ります。現地ではニ泊する予定で、サイクリングプランは佐渡にいるサイクリストに任せた、南半分を回るコースとなりました。両津港からはバスで妙見山を上がり、トラックに積んできた自転車で大佐渡スカイラインの下りだけ走りました。相川の町まで下りた後は尖閣湾の近くまで行ってホテルに泊まりました。翌日は尖閣湾を見学してから海岸にそって小佐渡一周を始めました。当時、佐渡の道は悪く、このツーリングでの舗装道は1%もなく、さらにはほとんど平らなところがなかったかったといいます。真野湾を廻ってから昼食をとり、午後は最初に真野陵へ向かいます。それから海岸沿いへ戻ってしばらく走ってから小佐渡山地を横切って小木へ向かいここで投宿しました。最終日は海岸沿いの道をずっと走って両津まで行きましたが、一番印象深い日だったといいます。他のクラブ員が各自のペースで先へ行くなか、筆者はチェンジをローに落とし、のんびりマイペースで走りました。そして、今回の希望のひとつ、佐渡の海岸から本州の山を遠くに見ることを堪能します。最初は直江津あたりが見えていたのがやがて柏崎あたりになり子供の時から見覚えのある、米山の富士山に似た山容が見え、やがて弥彦山の特長のある二つの峰が見えてくる。その移り変わりを楽しんで、飽きずに止まってはカメラを構え、一息入れては眺めるという事を繰り返しました。


「台湾旅行記」

この旅行記は、早稲田大学サイクリングクラブの部員4名が、約3週間かけて台湾を一周した海外サイクリング紀行です。一行は神戸を船で発ったのち、那覇、石垣島を経由して台湾北部の基隆に上陸します。入国手続きを終えた一行は、台北に向かって走り出します。台北駅では早稲田に留学している学友と待ち合わせており、彼の紹介で宿をとります。台湾二日目は台北で各種の手続きを行って、翌日からの一周旅行に備えます。翌日から3週間程かけて走った行程は、台北、新竹、台中、日月潭、斗南、珊瑚潭、台南、高雄、楓港、知本、台東、東里、花蓮、天祥、南澳、礁溪、台北となっています。台湾旅行中の出来事については、4人が持ち回りでその日の行程や行動を綴っています。


「誰でも出来るスポーツ車のメンテナンス 第11回」

これは、横尾双輪館の横尾明氏の執筆による連載講座です。今回は「ボスタイプフリーの分解掃除(2)」と題し、三光舎ボスタイプの旧型と新型および、シクロを取り上げています。用意すべき工具は前回説明済みの為、省略されています。分解掃除の実際ですが、16Tが固定となっている三光舎の旧型ボスフリーは13枚の写真を使用して手順をひとつづつ説明しています。三光舎新型とシクロに関しては、前回取り上げた標準型と違う部分のみを説明しています。


「楽しく有意義だった サイクリングトロフィー終る」

ここでは、10月に実施されたサイクリングトロフィーで優秀な成績を得た入賞者を発表しています。詳しい内容と解説は、次号掲載予定としています。


「シクリスム概論 自転車競技の基本」

これは鳥山新一氏の執筆による、自転車レース全般に関して根本的な問題から手掛け、客観的、体系的に整理してまとめ上げようと企画した連載です。第六回は「第一篇 基礎篇 第三章 レースの形式と種類」となります。今回はレースの分類について、フランス、イギリス、日本のレース分類をツリー図を使って紹介するとともに、レースの性格について解説しています。


「全国地域対抗自転車競技大会 東西対抗自転車競技大会」

この記事は、名古屋競輪場で開催された「総理大臣杯第15回全国地域対抗自転車競技大会」と「文部大臣杯第20回東西対抗自転車競技大会」のスクラッチ、1000mタイムトライアル、10000mポイントレース、4000m個人追抜、4000m団体追抜の競技結果を掲載しています。


「第15回高松宮杯琵琶湖一周自転車競走」

この記事は、9月に行われた大会のレースレポートです。76名の選手が参加して8時半に琵琶湖大橋東詰をスタートして167kmを走り完走は52名、個人の部は中京大の西村選手、団体の部は愛知県が優勝という結果でした。


「東北一周自転車競走」

東北一周レースは東北六県が各2チームを出し、6日間12区間で争われるレースです。記事では優勝した宮城Aチームから12位のチームまで、各区間の選手名とタイムを掲載しています。


「自転車競技ア・ラ・カルト」

このページは、ベロ・クラブ・トオキョウが担当する連載です。今回は「チャンピオンジャージ」と題して、数年前に比べてカラフルになってきた当時のジャージの魅力を語っています。また、国やレースの特徴をうまく表現している例として「フランス選手権」「オランダ選手権」「スペイン選手権」「ベルギー選手権」「世界選手権」「オリンピック」「ツール・ド・フランス」「ジロ・デ・イタリア」のチャンピオンジャージを紹介しています。


「東西で学生選手権開く」

この記事では、関東学連と関西学連がそれぞれ開催した「第6回関東学生自転車競技選手権大会」と「第2回関西学生自転車競技選手権大会」のトラックおよびロードレースの結果を掲載しています。


「緑の代償 第5回」

これは24号から始まった連載小説です。ミッチーは、ラッキーのお使いで自転車を五彩園へ取りに向かいますが、電車を乗り過ごしてしまいます。そのまま改札を出て先日走った湖畔の道をぶらぶら歩き、やがて草の上に腰を下ろして土産を見ると結び目がおかしいのを見つけます。それを解いてみると中から手紙があり、それを見たミッチーは土産に手を付けてしまいます。その夜、ミッチーが返ってこないのでミッチーのママはラッキーや佑次の家に電話しますがいませんでした。そして、電話を置いてママがミッチーの弟と顔を見合わせた時、電話がけたたましく鳴りました。


「新製品ガイド」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回はブルックスのサドルオイル、日東ハンドルの「ヒューペルライダー」「ジャガー」「ダイナミック」、AVAのハンドルバーとステム、三光舎の「プロキオン」「五号ハブ」等を取り上げています。


「サイクリング東西南北」

このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は広島県サイクリング協会からの情報や、全国高体連自転車競技部や各サイクリングクラブのニュースが掲載されています。


「パニアバッグ」

このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は「サイクリングの写真を発表しよう」「二十七号の感想と質問」の二つが寄せられています。

※今月号は目次には「パニアバッグ」と出ていますが、該当ページの本文にはタイトルが出ていません。


「交換案内」

自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は完成車の売りたしに、エバレスト、アルプス、シルク、ホルクス、トーエイ、レニアーノ、サンノー、ビアンキと、ロードレーサーが多数出されています。


1966年11月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士キャンピングテン 富士ツアーファイブ」でした。

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