ニューサイクリング 1967年4月号(No.32)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1967年4月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1967年4月号は、通巻32号です。
この号の表紙は「じてんしゃその3」です。
通巻32号の目次をページ順に追うと、
口絵 大観山ドライブウェイヒルクライム
20 サイクリングでお花見に行こう 香川県
22 サイクリングでお花見に行こう 高知県
25 サイクリングでお花見に行こう 和歌山県
28 サイクリングでお花見に行こう 神奈川県
30 サイクリングでお花見に行こう 宮城県
33 サイクリングでお花見に行こう 北海道
36 天草一人旅(その3)
44 ケルンの展示会 ヨーロッパの旅
52 やさしいつり教室
60 女性用サドルの問題点
82 シクリスム概論(10)
86 自転車競技規則の改訂とその解説
91 レース界の話題
92 自転車競技アラカルト
94 対談 フランス部品の秘密
98 新製品メモ
100 PRコーナー
102 パニア バッグ
104 東西南北
111 交換案内
113 代理店名簿
114 編集後記
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「コースガイド 香川県」
今月の特集で、「サイクリングでお花見に行こう」と銘打って各地のサイクリングコースをガイド風に、または紀行文で紹介しています。香川県は「香川の桜めぐり」と題し、桜の名所を9か所紹介。そして、桜とその他の名所を巡れる全行程40kmから80km程のコースを4つ案内しています。
「コースガイド 高知県」
今月の特集で、「サイクリングでお花見に行こう」と銘打って各地のサイクリングコースをガイド風に、または紀行文で紹介しています。高知県は「龍河洞」と題し、山田町から龍河洞、青山文庫から大樽の滝へと走った二つの紀行文を載せています。
「コースガイド 和歌山県」
今月の特集で、「サイクリングでお花見に行こう」と銘打って各地のサイクリングコースをガイド風に、または紀行文で紹介しています。和歌山県は「花をたずねて」と題し、桃山から根来までと、紀三井寺・和歌浦・和歌山城を巡るコースを紹介しています。
「コースガイド 神奈川県」
今月の特集で、「サイクリングでお花見に行こう」と銘打って各地のサイクリングコースをガイド風に、または紀行文で紹介しています。神奈川県は「花のサイクリング」と題し、小田原から大観山を登る、平塚から金目川と震生湖を巡る、三浦にある阿部倉鉱泉と安針塚を訪れる3コースを案内しています。
「コースガイド 宮城県」
今月の特集で、「サイクリングでお花見に行こう」と銘打って各地のサイクリングコースをガイド風に、または紀行文で紹介しています。宮城県は「高森山」と題して仙台市を基点に、高森山を訪れるコースと白石川堤防と船岡公園を巡るコースのサイクリング紀行を綴っています。
「コースガイド 北海道」
今月の特集で、「サイクリングでお花見に行こう」と銘打って各地のサイクリングコースをガイド風に、または紀行文で紹介しています。北海道は「春の譜」と題し、女満別、美幌、北見、留辺蕊、温根湯温泉、石北峠、層雲峡温泉、上川、旭川と巡る一泊二日約200kmのコースを案内しています。
「天草一人旅 その三」
この文は、今井編集長による天草を巡ったサイクリング紀行の連載です。ツーリング三日目は崎津の宿を発った後、軍ケ浦から山の中へ入っていきます。登りを終えて、下りにかかったところで止まります。大江の天主堂が見えたので、何枚かシャッターを切ってから天主堂へ向かいます。天主堂では中に入ることはできませんでしたが、ガルニエ神父が存命中の頃からいるという小母さんに色々と話を聞きました。また、かくれ切支丹時代からの仏間やクルスなどを見たいと思いましたが、こちらはかないませんでした。このあとは天草の西海岸に出て2時間ほど走ってまた上りにかかり十三仏で与謝野夫妻の歌碑を見学します。このあと街道へ戻ろうとすると、後輪がパンクしていることに気づきます。街道へ出た後トラックに乗せてもらい、下田温泉の自転車店で修理を済ませます。下田からは良くなった道をとばして富岡港まで行き、ここからは船に乗って天草を離れます。長崎の茂木港までの約2時間の船旅の後は長崎の自転車店に自転車を預け、ホテルに部屋をとって今回のツーリングを終えています。
「ケルンの展示会」
この文は、山王スポーツ社長の高橋長敏氏によるドイツ訪問録です。筆者はドイツ入国後、前号にあるようにフランクフルトやボンを観光して回りました。そして、その翌日にケルンのサイクルショーを訪れます。ケルンのショー会場は日本のそれよりも広く、飾り付けが愉しい雰囲気に包まれていました。その会場で筆者は夥しい数の自転車を見て回り、資料や雑誌類を手に入れて閉場時間近くなってから会場を後にしました。後半では、ヨーロッパで色々と調べてきた冬から春にかけてのトレーニングについて紹介しています。
「やさしいハヤ・ヤマベ釣り教室」
この記事は「初めて釣りをする若い人のために」と銘打った釣り初心者に向けた、サイクリングを兼ねての釣行について書いています。今回は川釣りのうち一番やさしいものとして対象魚をハヤとヤマベに、必要な道具とその使い方、季節ごとの釣り場所の探し方などを解説しています。
「部品研究 女性用スポーツサドルの問題点」
この記事は「ゴーチェ210型の機能の特長」と副題をつけた藤田サドル工業と鳥山研究所による部品研究の記事です。冒頭では、女性用スポーツサドルの必要性について、サイクリングの普及という視点から述べています。次に、これまでの女性用サドルとして考えられてきた製品の内容とその問題点について述べています。最後に女性用スポーツサドルのポイントと、ゴーチェ210型の女性用サドルとして優れた点を解説しています。
「シクリスム概論 自転車競技の基本」
これは鳥山新一氏の執筆による、自転車レース全般に関して根本的な問題から手掛け、客観的、体系的に整理してまとめ上げようと企画した連載です。第10回は引き続き「第一篇 基礎篇 第三章 レースの型式と種類」で、レース種目の概要を論題としています。今回もトラックレース種目の用語と概要の解説です。今回取り上げている種目は、フランス名SIX JOURS(シジュール)、イギリス名SIX DAYS(シックスデイズ)と呼ばれる6日間レースです。このレースはシーズンオフに行う、エンタテインメント的要素を持った競技です。ここではその6日間レースの歴史と、出場する選手やレース内容について解説しています。
「自転車競技規則の改訂とその解説」
UCI規則の改訂に伴い日本の自転車競技規則が大幅に改訂されたので、ここでは改訂内容の紹介と解説を掲載しています。改訂内容は大まかに競技自転車のホイールサイズ、オリンピックおよび世界選手権での競技種目、スクラッチレース、タンデムレース、個人追抜、団体追抜、ポイントレースにおける諸規則、役員の任務権限、団体道路競走時間に関する内容となっています。
「レース界の話題」
ここでは、自転車競技に関する話題を取り上げています。今回は、アマ車連四二年度代議員会の結果と、競技計画表を掲載しています。
「自転車競技ア・ラ・カルト」
このページは、ベロ・クラブ・トオキョウが担当する連載です。今回は「65年ツールの映画を観て」と題し、「黄色いシャツに向って」という邦題の1965年のツール・ド・フランスを追った映画について触れています。今回はツール・ド・フランスの背景と、1965年のレース前の予想から途中までのレース経過について紹介しています。
「対談 フランス部品の秘密」
ここでは、今井千束氏が質問者で鳥山新一氏が回答者という対談形式で、フランス部品について解説してもらっています。
「新製品ガイド」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は三光舎の新型「プロキオン」、三ヶ島製作所の工具不要で脱着できるペダル、サンプレの新型「プレステージ」、シクロの6段フリー等を取り上げています。
「PRコーナー」
このコーナーでは、カタログや書籍を紹介しています。今回は、「東京ブレーキカタログ」「DNBカタログ」「太陽サドルカタログ」「山本ハンドルカタログ」「赤羽栗原カタログ」「宮田自転車カタログ」が取り上げられています。今回は他にブリジット・バルドーの自転車風景が掲載されているフランス誌と日本の雑誌を紹介しています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は、文通希望や記事に関する要望などが寄せられています。
「サイクリング東西南北」
このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は各地のサイクリングクラブと大学のサイクリングクラブから寄せられたニュースが掲載されています。
「交換案内」
自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は、売りたしの部品で外国製品が多くみられ、この頃は外国製品の普及が進んできていることが感じられます。
1967年4月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士キャンピングテン 富士ツアーファイブ」でした。
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