ニューサイクリング 1967年5月号(No.33)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1967年5月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1967年5月号は、通巻33号です。

この号の表紙は「じてんしゃ その4」です。

通巻33号の目次をページ順に追うと、

口絵 シーズン開幕を告げる二つのレース

口絵 これがクロスカントリーだ

 20 ショッピングガイド1967

 34 67年ニューサイクルショウを見る

 38 スペイン旅行 世界選手権

 48 サイクリングトロフィーペーパーテスト解説

 52 新連載第1回 オーダーメイド読本

 56 自転車競技アラカルト

 58 学生チームロード

 62 埼玉クロスカントリー観戦記

 78 信濃路越後路日記

 86 紀伊半島一周

 94 数馬峠

 96 新製品メモ

 98 カタログ紹介 マビック

 99 アクセサリー

100 パニア バッグ

102 東西南北

107 交換案内

109 代理店名簿

110 編集後記

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「ショッピングガイド1967」

ここでは「ガイドのガイド」として、部品購入にあたってあれこれ迷っているユーザーの為に選び方の基準となるものを考察しています。内容は各メーカーから資料の送られてきたものだけを取り上げているとして、「リム」「タイヤ」「ハブ」「ハンドルバー」「ハンドルステム」「サドル」「チエンホイール」「ペダル」「フリー」「チェンジ」「ブレーキ」「チエン」「工具」の選定基準、そして各製品のメーカー別製品名と簡単なスペックを掲載しています。


「'67年ニューサイクル・ショーを見る」

これは科学技術館で開催された「近代生活のなかの自転車展」と謳ったサイクルショーの取材記事です。玄関から入ったところは、賞品用スポーツ車のステージと日本自転車デザインコンクールの入選作品が飾られています。本会場に入ると、最初のブロックは「サイクリングのすべて」をテーマにした、自転車と部品を飾り付けたブロックに10メーカーが新車を展示しています。次のブロックは「健康と自転車」「美容と自転車」をテーマにして、10社が展示を行っています。ここを出ると、岐阜市のサイクリストがコレクションしている世界の自転車切手が展示されています。次のブロックへ移動すると「自転車の今と昔」をテーマに、当時のメーカー完成車とオーディナリーが展示されています。しかし、ここに大正や昭和初期の自転車が出ていないので、普通の人達には自転車の発展が分からないのではと編集部は言っています。ここを出てサイクリングの文献雑誌等の展示即売所、休憩室を抜けると、日本サイクリング協会で製作した各種のサイクリング映画が常時上映されていました。最後の会場では「自転車の科学」「明日の自転車」をテーマにした各種の測定装置が展示されていました。最後に今回のショーの印象としては一応の成功であったこと、この年の自転車の傾向として小径車や折り畳み車、トラックレーサーはどうなるかとしてレポートを締めくくっています。


「スペイン 世界選手権」

この文は、山王スポーツ社長の高橋長敏氏によるスペインで行われた世界選手権に日本選手団の役員として行ったレース観戦記です。筆者は空路でマドリードに入り、乗り換えでサンセバスチャンに行く予定でしたが手続きの不備により予定した便に乗れず、日本大使館の助けを借り鉄道でサンセバスチャンにたどり着きます。筆者はさらに日本選手団が宿泊する町のホテルまで移動して、ようやく合流します。世界戦は女子のロードで始まり、その後に男子のロードレースがありました。日本選手は途中まで上位にいる健闘を見せましたが、上位でゴールするまでには至りませんでした。


「第1回サイクリングトロフィー ペーパーテスト解説」

この記事はテストの出題者である鳥山新一氏が、ペーパーテストの狙いと各問題の正解と解説を行っています。今回はペーパーテスト20問のうち、サイクリング一般の分野で出題された10問について解説しています。


「連載講座 オーダーメイド読本」

このコーナーは今月から始まった連載で、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画となっています。第1回は「自転車の性能」と題して人間の身体と自転車の関係、そして自転車の性能を考えています。まず人間の身体と自転車の関係については、各種の実走調査の結果資料を基にするとしています。自転車の性能については、「自転車生産技術第77号」に掲載された鳥山新一氏著の「自転車の性能の問題点」から引用した自転車の性能の分類表に基づいて「動的機能」「静的機能」「耐久性」の点から求められる性能を考察しています。


「自転車競技ア・ラ・カルト」

このページは、ベロ・クラブ・トオキョウが担当する連載です。今回は「65年ツールの映画をみて 2」と題し、前回に引き続き「黄色いシャツに向って」という邦題の1965年のツール・ド・フランスを追った映画について触れています。今回はツール・ド・フランスのレース後半からゴールと結果の紹介まで。そして、レーステクニックや宣伝カーのことなど、映画中でレース展開以外で気が付いたことに触れています。


「学生チームロード」

ここでは「第5回全日本学生選手権チームロード大会」「第1回実業団ロードレース大会」「第2回埼玉県クロスカントリー大会」「東京車連第1回記録会」のレポートと競技結果を掲載しています。これとは別に、読者からの投稿による「選手宣誓はただの型式か」と題して、チームロードレースである選手が妨害されているところを写した写真も掲載して、選手宣誓の内容と実際の行動の乖離について疑問を投げかけています。


「第二回 埼玉クロスカントリー観戦記」

これは3月に東松山駅近くの神社前をスタートし、36.4kmで争われた大会のレースレポートです。参加選手は40名程ですが、ほとんどが高校生で一般は一人もいませんでした。レースは序盤で集団から飛び出した選手がそのままゴールまで逃げきって優勝しました。

※目次では掲載ページを61ページとしていますが、本文は62ページに掲載されています。


「信濃路・越後路日記」

この文は2年前、筆者が高校二年の時に行ったツーリングの紀行文です。8月の中頃、筆者は三鷹の自宅を出発します。甲州街道から環七、国道17号と進み、高崎からは国道18号に入って安中から碓氷峠を越え、軽井沢から小諸まで走り、この日は小諸駅の待合室で一夜を明かします。翌日は懐古園と布引観音を見学してから走り始め、上田、更埴、長野を抜けて直江津まで行き、この日も駅の待合室で夜を過ごします。翌朝は駅から直江津港まで行って船に乗り佐渡へ渡ります。小木港に着いた筆者は、小比叡、高崎、佐和田町、中山峠、相川町と辿り、この日は尖閣湾のキャンプ場に泊まりました。翌日は海岸沿いを走っていくつもの集落を抜けますが、岩谷口を過ぎたところで進める道が無くなってしまいます。岩谷口まで戻って両津までの道を尋ねると、相川まで戻るか船しかないというので、船を利用することにします。船は鷲崎から乗り換えが必要でしたが、この日の便は無くなっていたため港の岸壁で泊まりました。翌朝は一番の船で両津へ渡り小木まで走る予定でしたが、気が変って両津から新潟へ渡ることにします。新潟についてからは長岡に向かい、国道8号で曽地峠を越え柏崎に入り、親類の家を訪ねます。翌日は親戚宅に滞在し、その翌日に柏崎を出発します。直江津、糸魚川と走った後は姫川に沿って大町に向けて車を進めます。この日は途中の平岩駅の待合室で一夜を明かしました。翌日は葛葉峠を越え、小谷村、白馬から仁科三湖を過ぎて大町駅に到着します。ここでは山岳博物館を見学してから食事をとり就寝します。翌朝は一番のバスで黒四ダムを見学に行き、大町に戻ってから雨の中サイクリングを再開して松本に向かいます。松本では松本城を見学し、この夜も駅の待合室で夜を明かします。翌日は松本から塩尻峠を越えて上諏訪から霧ヶ峰に向かい、高原を走り回ってから白樺湖のキャンプ場に野宿しました。翌日は白樺湖を後にして大門街道を茅野まで下り、甲州街道で甲府まで走り駅のベンチで眠りにつきました。最終日は石和、勝沼から笹子トンネルを抜け、大垂水峠を越えて三鷹の自宅へ夕刻に帰着しました。


「紀伊半島一周」

この文は、高三の筆者が学生時代最後に試みた友人と二人でサイクリングに出た時の紀行文です。2月の下旬頃、筆者は友人とともに自宅を出発します。国道1号を蟹江町、長嶋町、四日市、亀山と走ったあと、国道25号線へ入り伊賀町まで進んだところで野宿します。翌日は出発後上野で忍者屋敷などを見学し、途中道を間違えたりしたものの予定通り奈良まで行き、奈良見物をした後にユースホステルに入ります。翌日は奈良から国道24号を南下してから25号に入り法隆寺へ向かいます。法隆寺を見学した後はまた25号を進み、国分から堺への県道に入ります。堺からは岸和田、泉佐野と進んだその先で友人が自転車を側溝に落としてフレームが曲がるほど壊してしまいます。その為、筆者は一人でツーリングを続けることとなり、その晩は道沿いの小屋で野宿します。翌日は和歌山の日の岬まで走ってユース泊、次の日は御坊、田辺、すさみと進んで駅泊、あくる日は串本、太地を抜け紀伊勝浦の旅館に投宿します。翌日は市木を通り、矢ノ川峠を越え、尾鷲のユースホステルに宿泊します。翌日は長島から荷坂峠へ進み、途中松阪までトラックに乗せてもらって移動し、伊勢でお参りをしてから予定していた鳥羽のユースに到着しました。最終日は鳥羽から自宅のある名古屋まで百キロ余りの道のりを順調に走っていきました。


「サイクリングレポート 数馬峠」

筆者はサイクリング当日、迎えの一行を待ってから三鷹村を出て五日市街道を行きます。五日市の駅からは登りの道に入り、人里、笛吹を抜けて数馬に宿を取りました。翌日は峠を越えるまで自転車を押して上がっていきます。途中まで山へ仕事に行く人達と一緒に行き、別れてからはさらに険しい道を押し上げてやっと数馬峠にたどり着きます。峠では小休止した後、岫沢に向けて自転車を引いて下ります。キャンプ場の辺りからは乗って走れるようになり、奥多摩湖まで出てあとは快走して東京まで一気に走って帰りました。


「新製品ガイド」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は「スギノ・マイティコンペ」「シマノ・ペッカーディレイラー」、三ヶ島製作所の店頭用「ミカシマ・トークリップティスプレイ」等を取り上げています。


「カタログ紹介 MAVIC」

ここで紹介しているマビックのカタログは、リムとガードを掲載した4ページのものです。1964年発行のこのカタログの1ページにはマビックのリムを使用して優勝した選手名と競技種目が載っています。リムのページにはチューブラーの「プロフェッショナル」「モントレー」「スポーツ」、WO用として「クリテリウム」とオートバイ用が紹介されています。ガードは「クルスCタイプ」「クルスBタイプ」「レイ60」と子供車用の製品が掲載されています。


「自転車のアクセサリー」

このページでは、自転車に関連する雑貨類を紹介しています。取り上げている商品は、フランス製の女性と自転車をあしらったハンカチ、だるま自転車のソックス、明治百年を記念しただるま自転車に乗った兵隊の人形などとなっています。


「パニアバッグ」

このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は、自転車競技専門書の要望や、クラブ紹介の依頼などが寄せられています。


「サイクリング東西南北」

このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は日本サイクリング協会、各サイクリングクラブ、大学自転車部から寄せられたニュースが掲載されています。


「交換案内」

自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は、売りたし・買いたしともに完成車とフレームの半数がトラック又はロードのレーサーとなっており、この頃は自転車競技に注目が集まっていたことを感じさせます。


目次では110ページが「編集後記」となっておりますが、編集後記の掲載は無く、「代理部だより」が掲載されています。


1967年5月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士キャンピングテン 富士ツアーファイブ」でした。

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