ニューサイクリング 1967年6月号(No.34)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1967年6月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1967年6月号は、通巻34号です。
この号の表紙は「じてんしゃ その5」です。
通巻34号の目次をページ順に追うと、
口絵 野呂川林道と夜叉神峠
26 座談会 加藤一氏を囲んで
36 スペインの旅
44 シクリスム概論(11)
48 オーダーメイド読本(2)
53 私のつくった50傑
54 学生新人戦・他
56 JCA展示用掛軸
58 サイクリングトロフィーペーパーテスト解説
62 四国の旅
86 初春の伊豆半島
88 伊勢ひとり旅
91 コースガイド 鶴峠越え
92 サイクリングレポート 私の失敗談 丹波高地 野辺山と軽井沢
98 新製品メモ
100 東西南北
102 パニアバッグ
104 交換案内
110 代理店名簿
112 編集後記
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「座談会 加藤一氏を囲んで」
これは高校生も2名参加して、加藤一氏に自身のことやヨーロッパのレース事情を聴く座談会の記録です。話は加藤氏が自転車に乗り始めた頃の話から法政大学時代、国体で優勝したことからその後のプロ入りの話まで。また当時における自転車の部品やギヤ比、選手層の日欧の違いなど、ヨーロッパの自転車競技事情も語っています。
「スペインの旅」
この文は山王スポーツ社長の高橋長敏氏による、スペインで行われた世界選手権に日本選手団の役員として行ったレース観戦記です。筆者は日本チームのトレーニングに同行して、アノエタの競技場に向かいます。競技場で選手団と別れてからは、マドリードに移動して観光を楽しみました。
「シクリスム概論 自転車競技の基本」
これは鳥山新一氏の執筆による、自転車レース全般に関して根本的な問題から手掛け、客観的、体系的に整理してまとめ上げようと企画した連載です。第11回も「第一篇 基礎篇 第三章 レースの型式と種類」で、レース種目の概要を論題としています。今回もトラックレース種目の用語と概要の解説です。今回取り上げている種目は、仏名DEMIFOND(ドミフォン)、英名MOTOR-PACED(モーターペース)と呼ばれるオートバイ誘導レースです。ここではそのレース機材、誘導用のオートバイと独特な仕様になっている自転車について詳しく説明しています。競技内容については、オートバイと自転車の連携も含めて説明しています。
「連載講座 オーダーメイド読本」
このコーナーは先月から始まった連載で、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画となっています。第2回は「身体と自転車」と題して、始めは前回の続きとなる自転車の性能について、動的機能について解説しています。次に自転車に乗った時の人体と自転車の関係について、平衡感覚、乗車姿勢、ペダリングなどの視点から解説しています。
「私のつくった50傑」
この記事は、過去にニューサイ誌に掲載された記録をもとに読者が独自にまとめた、1966年の1000メートルタイムトライアルの上位50人と、4000メートル個人追抜の上位10人の一覧表を掲載しています。
「全日本学生新人戦」
ここでは、「第3回全日本学生自転車競技新人戦」と「第7回東京都クロスカントリー」のレースレポートと競技結果を掲載しています。
「JCAの展示用掛軸」
ここでは、日本サイクリング協会が製作したサイクリング指導用のビニール製掛け軸を紹介しています。掛け軸は自転車に関したことや交通法規に関することなど10枚あり、記事ではその10枚の写真と概要を説明しています。
「第1回サイクリングトロフィー ペーパーテスト解説」
この記事はテストの出題者である鳥山新一氏が、ペーパーテストの狙いと各問題の正解と解説を行っています。今回はペーパーテスト20問のうち、技術編の分野で出題された10問について解説しています。
「四国の旅」
筆者は所属する慶応サイクル・ツーリング・クラブの合宿で四国に訪れます。明石から高知まで五泊六日の合宿解散後、筆者はプライベートランをします。ここではプライベートランで走った高知から土佐山田までのツーリングの様子を綴っています。筆者は高知での解散後、船で土佐清水へ渡り足摺岬、栢島を経由して宿毛、中村、宇和島まで走ります。宇和島では相棒と待ち合わせて二人での行動となります。船で三崎へ渡り、佐多岬を訪れてからは引き返して岬から八幡浜へ船で渡ります。八幡浜から再び走り始め、大洲、小田といって面河まで行きます。この後は別方面へ行くという相棒と別れ、再び一人旅となります。峠を三つ越え、長沢、大杉、若宮、土佐山田、別府、川口、日佐和、室戸岬と巡って土佐山田に至ります。ここでツーリングは終わりとし、自転車をばらして列車で一昼夜かけて自宅へ戻っています。
目次にはありませんが、73ページからは「自転車とバスと桜の内山越え」と題した、サイクル出版社主催の「バス利用軽井沢と神津牧場を楽しむ会」の様子を写真で伝えるグラビアページがあります。
「初春の伊豆半島」
高校二年生の筆者は二年の終わりにと急に思い立ち、友人を誘ってサイクリングへ出ます。初日は待ち合わせ場所の多摩川大橋に友人が遅れてきたものの、何とか予定していた伊東までたどり着きます。翌日は下田を目指して走り始めます。伊東道路、熱川道路等を快調に走り、早めに下田に着いたので、松崎まで足を延ばすことにしました。翌日は松崎から海沿いを土肥まで走り、この後は山へ入っていきます。船原峠を越え、修善寺を過ぎ三島方面へ向けて走っていましたが、途中でパンクしてしまいます。しかし、運よくライトバンが乗せてくれ、三島まで運んでもらえたうえに宿まで世話してくれました。最終日は箱根を越えて自宅まで走り切りました。
「伊勢ひとり旅」
学期末テストが終わった筆者は、卒業式まで日があるので前々から計画していたサイクルツーリングに出ます。富士の自宅を出発し、国道1号で静岡から宇津ノ谷峠を越えて金谷まで一気に走り、さらに小夜の中山に挑みます。しかし、三分の一ほどでダウンし、後はひっぱったり、踏んだりを繰り返しました。そこからさらに進みますが掛川で足が痙攣したため休憩を取ります。再出発後は袋井、浜松と進みますが新居で雨が降ってきました。ここで走るのは断念し、ダンプの後ろに乗せてもらって豊橋まで移動し、ユースホステルに投宿します。翌日は伊良湖まで走り、フェリーに乗って鳥羽港へ渡ります。真珠島と夫婦岩を見学した後は伊勢神宮を参拝し、松阪まで走ってユースに泊まりました。次の日は松阪を出発して津を経由して関まで走り、ここで取った旅館に自転車を置いて伊賀上野へ観光に行き、忍者と芭蕉関連の施設を見学して回ります。最終日は関の旅館を出てから鈴鹿サーキットを過ぎ、四日市で自転車を送る手続きを取ります。四日市からは汽車で名古屋へ行ってきしめんを食べ、新幹線を利用して富士の自宅に帰宅しました。
「コースガイド 鶴峠越え」
当時、奥多摩の山越えの道は奥多摩湖から塩山に抜けるルートとして青梅街道が有名でしたが、ここではもう一つのルートを案内してます。奥多摩湖からは青梅街道を走り、深山橋を渡ってから青梅街道から外れます。小菅川の左岸を進み小菅を経由して鶴峠へ上ります。峠を越えた後は快適なダウンヒルで、長作、猪丸を経由して上野原に抜けるルートとなっています。
「サイクリングレポート 私の失敗談」
ここでは筆者が、この頃のサイクリングブームのなかで筆者と同じ失敗をしないようにと、自身がサイクリングに出た時の失敗を綴っています。筆者は三日の予定で信州サイクリングに出かけます。初日は自転車の受け取りで遅れがあったり、寝不足でフラフラの走りになりました。二日目はブレーキのゴムが一つ無くなってしまうトラブルと、擦り切れてきていたタイヤのままでサイクリングに出たためにバーストしてしまいました。運よく自転車店の前だったため、修理をして事なきを得ましたが、一歩間違えば大きな事故になりかねない事態だったと述懐しています。
「サイクリングレポート 丹波高地」
筆者は京都・小浜のサイクリングに出ます。早朝に出発して国道162号を走り、御経坂峠の上りに入るころ雪が降り出します。二番目の峠を登る頃青空が少し見えますが、西には厚い雲がかかっていました。栗尾峠を越えて深見峠あたりではみぞれが降り出しましたが、峠を下りた頃には青空が見え、太陽が照りだしました。丹波高地サイクリング最後の堀越峠は登りにくく、峠につく頃には全身汗だらけとなってしまいました。峠で一時間ほど休憩した後は悪い道を下り、峠を下りたところからは舗装となった道を快走して小浜へ辿り着きました。
「サイクリングレポート 野辺山高原と軽井沢」
筆者は以前信濃路一周をした際に高原を走らなかったので、今回の計画を立てて四日間のツーリングに出ました。第一日目は、自宅を出て国道20号を西に向かって進み、多摩川を渡り高尾から大垂水峠を越えて相模湖町、大月、笹子トンネルを抜けて勝沼、甲府と走り、甲府の旅館に泊まりました。第二日目は、甲府を出て双葉、韮崎、須玉、長沢と走って弘法坂峠を越えて清里に到着します。ここで自転車の整備をしてから海ノ口温泉を経由して小海町に入り、千曲川ほとりの旅館に泊まりました。第三日目は、小海町からずっと下りとなる道を行き、佐久から小諸に入ります。小諸では市内見学をしてから、自転車を預けてバスで上田まで観光に行きます。小諸に戻ってからは軽井沢に向かい、ユースホステルに泊まりました。第四日目は朝近所を散歩してから出発し、軽井沢駅を過ぎて碓氷峠を下り横川、高碕、大宮、浦和、川口と走って都内に入っていきました。
「新製品ガイド」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回はチネリのボトルとボトルケージ、杉野鉄工所のウイングナット、マテックスのセーフティランプ等を取り上げています。
部・用品以外では、トモダサイクルショップ発行の「TMD内外パーツリスト」、ノートン自転車工業発行の「サイクリング用部品カタログ」が紹介されています。
「サイクリング東西南北」
このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は広島サイクリング協会、各地のサイクリングクラブ、慶大サイクルツーリングクラブから寄せられたニュースが掲載されています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は、タンデムの部品についてやプロキオンについて等、質問が多く寄せられています。
「交換案内」
自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は、売りたしフレームが10本以上出ており、その半数はロードやトラックフレームになっています。
1967年6月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士フリートSテン 富士スパートファイブ」でした。
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