ニューサイクリング 1967年7月号(No.35)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1967年7月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1967年7月号は、通巻35号です。
この号の表紙は「じてんしゃ その6」です。
通巻35号の目次をページ順に追うと、
24 旅行車 旅行車とはなにか。その用途と分類
40 オーダーメイド読本(3)
44 大菩薩・小菅路
48 レポート 北都留山地
52 レポート サイクリング
53 レポート 淡路島
54 レポート 雪の新栗子峠
56 レポート 蓼科白樺への旅
59 折畳み車・小輪車
60 シクリスム概論(12)
80 第2回都道府県対抗
92 関東大会・各地のレース・レース界の話題
96 アクセサリー
98 PRコーナー
100 東西南北
102 交換案内
108 代理店名簿
110 編集後記
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「特集 旅行車」
これは、当時NC誌が一貫して折にふれキャンペーンしている自転車の車種というものを追求する意図で企画された特集記事です。今回は、主としてツーリングするものを取り上げています。記事のはじめでは、当時の日本における旅行車の現状の紹介とサイクリングとツーリングの違いについて考察しています。次に旅行車の種類として「グランツーリズム」「ランドネール」「シクロツーリスム」「フェデラル」「シクロキャンピング」をあげてそれぞれの特徴を説明しています。次に当時の日本の旅行車の現状にふれ、マスプロメーカーやハンドメイドメーカーの現状を現車の写真とともに説明したうえで、旅行車の特長を述べています。後半では、「お車拝見」と題して読者の所有している旅行車を6台紹介しています。
「連載講座 オーダーメイド読本」
このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第3回は「自転車の性能」と題して、自転車の走行機能について解説しています。ここでは運動性能として「安定性」「操縦性」「制動性能」の三つに分けてフレームの角度寸法との関係性などについて解説しています。
「大菩薩・小菅路」
この文は、筆者が仲間とともに連休を利用して行った山岳サイクリング紀行です。筆者達は午前零時に世田谷を出発し、甲州街道を走って大垂水峠を越え大月から笹子トンネルを抜けます。すると激しい雨が降っていました。しばらく雨宿りをしていましたが、小降りになって来たので出発します。嵯峨野温泉で昼食を取り上日川峠を経て、その日の宿にたどり着きました。翌日は上天気で、一行は自転車を手入れした後大菩薩に向けて出発します。嶺に行く尾根道ではほぼ担ぎで進み、雷岩まで到達します。ここからは嶺には行かず、大菩薩峠を目指して下っていきます。峠には大勢の人がいたので早々に退散し、小菅路からフルコンバ小屋を経由して赤沢、白糸の滝と進んで小林林道へ出て軽快なダウンヒルを楽しみ二日間の山岳サイクリングを終わっています。
「サイクリングレポート 北都留山地」
これは、JCAモデルコースを走ってみたレポートです。筆者は4月のある日、思い立ってサイクリングに出かけることにします。支度をして家を出発したのは午後、環七から甲州街道に入って立川あたりから奥多摩街道を走ってこの日予定していた氷川の町までたどり着きます。翌日は朝早くに出発し、小河内ダムに寄ってから青梅街道を進み、深山橋を渡って余沢まで走ります。ここで休憩を取ったあと、白沢を通って鶴峠を越え飯尾、猪丸と進んでいき、最後は甲州街道、国道16号、野猿街道、鎌倉街道を経て自宅へ向かいました。
「サイクリングレポート サイクリング」
これは父親とともに市民サイクリングに参加した小学四年生からのレポートです。筆者は大分の公民館を出発し、国道10号から臼杵に行く道へ入ります。しばらく行くと登りが始まり、筆者は目的地までたどり着きますが自転車を降りると急にふらふらしてしまいました。ここで食事を食べた後はくじ引きがあり、筆者はバッグを引き当てました。帰りはきつかったので自動車に乗せて貰って帰りましたが、楽しい一日だったと締めくくっています。
「サイクリングレポート 淡路島」
筆者は朝五時に自宅を出発し二時間ほどで神戸市内に入り、淡路島へフェリーで渡ります。岩屋に到着した後は絵島に寄ってから淡路一周を開始します。江崎灯台、五色ケ浜、慶野松原と通って福良でに泊まります。翌日は阿万、由良、洲本と走って浦からフェリーに乗って神戸まで渡り、帰宅しました。
「雪の新栗子峠」
これは、筆者が高校二年生の暮れに二泊三日のソロツーリングをした紀行文です。筆者は雪の降るなかツーリングの初日を走り始めます。途中吹雪になるところもありましたが、米沢市内に入る頃には雪も一時やんでいましたが、栗子峠への上りにかかる頃にはまた降り出しました。西と東の栗子トンネルを通過し、福島で兄に夕食をおごってもらって二本松に向けて出発しますが、気が変わって引き返し兄の所に泊まります。翌日は雪もやみ、二本松へ行って半日観光します。その後は再び降り出した雪のなか福島、白石を抜けて仙台まで走ります。仙台では駅の待合室で一夜を過ごしますが、寒さのあまりほとんど寝ることができませんでした。次の日は吹雪のなか、峠あたりは2メートル以上も雪が積もるなか関山峠を越え、15時間かけて山形の自宅に辿り着きました。
「サイクリングレポート 蓼科白樺への旅」
筆者は出発予定日、雨のため陽が出てきた夕方から出発します。甲州街道を走り、大垂水峠を越えて湖近くのベンチで野宿します。翌日は大月、甲府、韮崎を抜けて富士見駅あたりの旅館をとって泊まりました。次の日は雨が上がっていましたが茅野でまた雨が降ってきましたが、上諏訪まで走り水族館を見学してから茅野まで戻ります。ここからは有料道路を走って蓼科湖で食事をとり、鈴蘭峠を越えて白樺湖まで走って投宿します。翌日はようやく晴れになり、大門峠を越えて長門町、丸子町経由で大屋から中仙道に出て小諸へ向かい懐古園を訪れます。この後は軽井沢に向かい、碓氷峠を下り磯部鉱泉で泊まります。最終日は快走のうちに高崎市内に入り、高崎観音を見てから向かい風のなか国道17号を走って夕方自宅にゴールしました。
「折畳み車・小輪車」
この記事では、BS・ピクニカとツノダドッキングタンデムを取り上げています。BSのピクニカは折り畳み式のものとそうでないものがありますが、ここでは折り畳み式のものを写真と主な仕様を紹介しています。ツノダのドッキングタンデムは分解式のタンデムですが、この自転車の特徴はソロにもタンデムにもなる点です。ソロは普通のスポーツ車ですが、後車をはずしてディレイラーをはずし、後座用のフレームを連結するとタンデムになります。
「シクリスム概論 自転車競技の基本」
これは鳥山新一氏の執筆による、自転車レース全般に関して根本的な問題から手掛け、客観的、体系的に整理してまとめ上げようと企画した連載です。第12回も「第一篇 基礎篇 第三章 レースの型式と種類」で、レース種目の概要を論題としています。今回もトラックレース種目の用語と概要の解説です。今回取り上げている種目は、6種目あります。各種目をまとめて紹介すると、最初は仏名ELIMINATION(エリ三ナション)、英名DEVIL TAKE THE HINDMOST(デヴィル・テイク・ザ・ハインドモスト)、日本ではアメリカ名のMISS&OUT(ミスアンドアウト)と呼ばれた競技です。次は仏名INDIVIDUELLE(アンディヴィデュエル)、英名POINT-TO-POINT(ポイントツーポイント)と呼ばれるポイントレース。次は仏名BOL d'OR(24HEURES)(ボルドオール)と呼ばれる、パリの特定の場所のみで行われる競技です。次は仏名COURSE DES PRIMES(クルスデプリム)と呼ばれる、これもおもにフランスで行われる種目です。次は仏名OMNIUM(オムニウム)、日本でもオムニウムと呼ばれている複合レースです。最後はSPEED-WAY(スピードウェイ)と呼ばれるイギリス生まれのレースです。記事の最後には「トラック種目の記録」と題して当時の世界記録と日本記録の一覧を挙げて、日本に於けるトラック種目の少なさと記録の差異について意見を述べています。
目次にはありませんが、71ページからは「宮城県二連勝 全国都道府県対抗大会」と題したグラビアページがあります。
「第2回全国都道府県対抗大会」
この記事は、東京の立川競輪場と秋多町周辺で行われた大会のレースレポートです。トラック競技は、スクラッチ、1000米タイムトライアル、一万米ポイントレース、4000米個人追抜競走、4000米団体追抜競走が二日間にわたって行われました。三日目はロードレースが1周8kmを8周するコースで行われました。ロードは出走70名に対して完走はわずか20名、団体得点は4都県しか成立しないレースとなりました。最終結果は宮城県が優勝して二連勝となりました。記事の最後にはトラック・ロードの各種目の競技結果が掲載されています。
「関東大会・各地のレース・レース界の話題」
ここでは「第4回関東高体連大会」のレースレポートと競技結果を掲載しています。各地のレースでは、「第16回宮城県高校総合体育大会自転車競技」「東北一周レース山形県予選」「第一回山王宮城野サイクリスツユニオンロードレース」のレポートと結果、「第20回都民体育大会自転車競技」の競技結果が出ています。レース界の話題では、インターハイ福井大会の詳細決定、ルソン島ロードレース視察、第二次強化合宿の報告がされています。
「Le Velo dams L'Accessoire」
このページでは、自転車に関連する雑貨類を紹介しています。取り上げている商品は、ファニー・ダルナコレクションというフランスの女性デザイナーによる自転車をあしらったエプロン、手提げバッグ、ハンカチ等、だるま自転車のキーホルダー、ドイツローゼンスタイル社の絵皿、ジロ・デ・イタリアの50周年切手などとなっています。
「PRコーナー」
このコーナーでは、カタログや書籍を紹介しています。今回は、前田鉄工所のパンフレット「健康を約束するサイクリング」「外装変速機のすべて」、「ツノダ自転車カタログ」「吉貝機械英文カタログ」、他にはブリヂストンの「現代自転車考」「スポーツ車の知識」、JCA作成のリーフレット「スポーツ車の手引」「チェンジギアの手引」等を紹介しています。
「サイクリング東西南北」
このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は北海道ラリーを函館で開催する案内と、各地のサイクリングクラブ、高校のサイクリングクラブから寄せられたニュースが掲載されています。
「交換案内」
自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号もレーサー系を中心に、30以上の完成車・フレームが売りに出されています。
1967年7月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士キャンピングテン 富士ツアーファイブ」でした。
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