ニューサイクリング 1967年8月号(No.36)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1967年8月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1967年8月号は、通巻36号です。

この号の表紙は「ジロデイタリアのスタート」です。

通巻36号の目次をページ順に追うと、

口絵 フランスプロ選手権

口絵 ジロデイタリア

 23 レ エッセイ シュル ル シクリスム フランセ

 27 全日本アマチュア選手権大会

 31 関東学生選手権・各地のレース

 38 ジロ ディタリア見聞記

 40 シクリスム概論(13)

 51 ニュージーランドの旅

 59 へそのない旅行記

 81 67年サイクリング行事ガイド

 91 エッセイ いろいろの事があった

 99 三宅島ポタリングの巻

103 毒虫の予防と手当

105 オーダーメイド読本(4)

109 東西南北

112 交換案内

119 代理店名簿

121 編集後記

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「レ エッセイ シュル ル シクリスム フランセ」

このエッセイは加藤一氏の執筆によるものです。ここではヨーロッパにおける自転車競技の1年を、ロードレースを中心に紹介しています。


「第36回全日本アマチュア選手権大会」

この記事は、6月の終わりから東京で開催された大会のレースレポートです。トラック競技は立川競輪場で150名の選手が参加して行われました。競技は1000mタイムトライアル、スクラッチ、10000mポイント、4000m個人追抜の4種目が行われ、井上三次選手が1000mタイムトライアルとスクラッチの2種目を制覇しています。ロードレースは大会三日目に行われ、斧選手が優勝しています。各競技の結果は、レポートの最後に掲載されています。またレポートの後には、読者からの投書で運営の問題点について書いた意見が掲載されています。


「関東学生選手権・各地のレース」

この記事には、「第7回関東学生選手権大会」と「東北一周競走宮城県予選兼全国ロード宮城県予選」のレポートと競技結果が掲載されています。


「ジロディタリア見聞記」

この記事は、第50回となったジロ・デ・イタリアの読者による現地でのレース観戦記です。記事ではレーススタート日の午前零時から始まるパレード前後の様子を伝えていますが、このパレードはデモによって中止されてしまいました。この後は初日の様子とジモンディの活躍ぶり、そしてジモンディが総合優勝したゴールの日のことについて伝えています。

※目次ではこの記事の掲載は38ページとなっていますが、本文は39ページから掲載されています。


「シクリスム概論 自転車競技の基本」

これは鳥山新一氏の執筆による、自転車レース全般に関して根本的な問題から手掛け、客観的、体系的に整理してまとめ上げようと企画した連載です。第13回も「第一篇 基礎篇 第三章 レースの型式と種類」で、レース種目の概要を論題としています。今回はロードレース種目の用語と概要の解説です。今回は、タイムトライアル、ヒルクライム、シクロクロスについて解説しています。


「ニュージーランドの旅」

この文は、大学生の読者による海外サイクリング紀行の連載です。筆者は横浜からオーストラリアまで24日かけて船で移動し、シドニーに到着しました。シドニーでは入国手続きと翌日のオークランド行の手続きを済ませ、知人宅を訪れた後船に戻って床に就きました。翌日は空路でニュージーランドへ入り、税関の手続きを済ませて自転車を組み立てていると現地の家族に声を掛けられ、その日と翌日はその一家のお世話になりました。次の日は朝から新聞社の取材を受けたあと出発し、この日の目的地だったハミルトンに到着ユースホステルに入りました。翌日は目的地のチラウまで早目に着いたのでもう少し行こうと進んだのですが、地図を見ると翌日の目的地まで町がなさそうなので野宿をしました。翌日は雨が降ったりやんだりする中を進んで当初の目的地ロトアルで食料を買い込んだ後さらに進み、ゴールデン・スプリングのキャンプ場でテント泊します。


「へそのない旅行記」

これはアルプスサイクルフレンズの10周年記念ランを行った時の紀行文です。一行は列車で松本駅まで移動し、自転車を組み立て松本城を見学してからサイクリングを開始します。松本から穂高町、池田町を経由して大町の山岳博物館を見学して仁科三湖を行き信濃四ツ谷駅近くの旅館に泊まります。二日目は信濃森上から旧道を行き、峠を越えて南小谷から糸魚川まで走って泊まります。三日目は糸魚川から北陸路を走って途中観光もしながら高田まで行きました。四日目はトラックとバスで野尻湖まで移動してから長野までの下りを走り、長野駅で自転車をばらしました。当初予定していた黒四も戸隠も抜きになったへその無い、だけども楽しかった旅を終わりました。


「67年サイクリング行事ガイド」

ここでは日本サイクリング協会に関係している行事について、それがどのような行事で、これまで何をやってきたのか、この年の予定はどうなっているかなどを編集部がまとめています。当時の全国的な行事は「JCA全国ラリー」「国立公園大会」「レクリエーション大会」「スポーツ少年大会」があり、記事ではその内容やこの年の開催概要を説明しています。その他、地域的な行事では各地方ごとのラリーや、県単位、学生団体の行事があり、これらについてもこの年の各ラリーや行事の予定を掲載しています。


「さいくりんぐえっせい いろいろな事があった」

この文は今井編集長の執筆によるもので、今までに編集長が参加したサイクリング行事の思い出を綴っています。はじめはJCAの全国ラリーで、筆者は財団法人化する前の第七回目までの思い出や苦労話を披露しています。次は国立公園大会のことで、第八回目までの各回の出来事などを、またこの大会は半日の行事であとは自由行動なので、毎年大会後のプライベートランを楽しみにして出かけていたといいます。最後では筆者が痛感することとして、サイクリングの連中が団体行動が比較的下手なことでそんな面では訓練されていないことを感じるといっています。


「三宅島ポタリングの巻」

この文は、250名が参加した三宅島一周サイクリングのイベントレポートです。初日は港で受付から自転車の積み込みをして乗船、翌朝に三宅島の港に到着すると自転車の陸揚げに相当の時間がかかったものの無事に上陸を完了します。コースは自由なフリーランで、まずは島内唯一のユースホステルまで移動して昼食の弁当を受け取ってからポタリングへ出かけていきます。一緒に走ったメンバーは、筆者の所属する港サイクリングクラブと両国サイクリングクラブ、丸石サイクリングクラブのメンバーとフリーの二人でした。距離は30km程のところを10時間の時間があるので、ゆっくり走って寄り道したり、昼食の後は畳の上でゴロゴロしたりしながらサイクリングを楽しみました。


「毒虫の予防と手当」

ここでは毒虫を四つの型に分類し、「血を吸うときに毒液が入るもの」「毒針で刺すもの」「毒針毛が皮膚について炎症を起こすもの」「虫からの分泌液によってかぶれるもの」それぞれの虫の特性や刺された時などの対処法について解説しています。


「連載講座 オーダーメイド読本」

このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第4回は前回に引き続き「自転車の性能」と題し、自転車の「走行性能」「変速機性能」「照明系性能」「振動」について。走行性能はさらに細分化して「走行抵抗」「惰行性能」「登坂性能」の三つの要素について解説しています。


「サイクリング東西南北」

このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回はJCA、各サイクリングクラブ、大学サイクリング連盟から寄せられた情報が掲載されています。


「交換案内」

自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は売りたしの完成車が30台以上と、今までにない台数となっています。


1967年8月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士フリートSテン 富士スパートファイブ」でした。

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