ニューサイクリング 1967年12月号(No.41)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1967年12月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1967年12月号は、通巻41号です。

この号の表紙は「レーサーシャツ」です。

通巻41号の目次をページ順に追うと、

口絵 スリルとスピードのタンデム

口絵 奥秩父三国峠

 18 第22回国民体育大会自転車

 32 地域東西対抗

 34 全国高校定時制通信制大会

 36 関西学生選手権・西日本実業団ロードレースの記録

 37 日韓親善大会の記録

 38 シクリスム概論 16

 42 オーダーメイド読本

 46 寒さと高血圧

 50 グリースの話

 56 泥んこ道のポタリング トロフィーに参加して

 58 秩父三国峠越え

 62 あの道この道 日光例幣使街道 

 80 '67年を省りみる 自転車の今年の傾向と見通し

 82 '67年を省りみる サイクリストの質的向上を目指して

 84 '67年を省りみる よろこべない日本新記録

 86 ミラノショウ短信

 88 ニューモデル拝見

 90 新製品メモ

 92 外国雑誌

 94 東西南北

 96 パニアバッグ

106 交換案内

107 編集後記

112 67年総目次

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「第22回国民体育大会 自転車」

この記事は、10月に埼玉県で開催された国体のレースレポートです。自転車競技は、トラック競技が大宮競技場で4日間にわたり一般・高校ともに6種目が行われました。ロードレースは国体最終日に大宮をスタートして東松山、寄居、秩父、正丸峠、日高、川越を廻る150kmのコースで雨のなか行われました。この国体の自転車競技、総合成績は埼玉県が1位となりました。


「地域東西対抗」

ここには、どちらも平競輪場で開催された「文部大臣杯第21回東西対抗戦」と「総理大臣杯第16回全国地域対抗大会」の競技結果が掲載されています。


「全国高校定時制通信制大会」

ここには、京王閣競輪場で開催された「第2回全国高校定時制通信制大会」と、宮城県営自転車競技場で同日に開催された「第4回仙台市民体育大会」「第2回宮城県選手権大会」の競技結果が掲載されています。


「関西学生選手権・西日本実業団ロードレースの記録」

ここには、日向町競輪場で開催された「第3回関西学生選手権大会」と、陸上自衛隊信夫山駐屯地周辺で行われた「第2回全日本実業団対抗ロードレース西日本大会」、秋多町から二ツ塚峠を周回するコースで行われた「第8回東京都社会人対抗ロードレース」の結果を掲載しています。


「日韓親善大会の記録」

ここには、韓国で行われたトラック競技「日韓親善競技大会」のソウル大会、全洲大会、釜山大会の競技結果が掲載されています。


「シクリスム概論 自転車競技の基本」

これは鳥山新一氏の執筆による、自転車レース全般に関して根本的な問題から手掛け、客観的、体系的に整理してまとめ上げようと企画した連載です。第16回は「第一篇 基礎篇 第四章 レースの運営」として「サイクリストとイベントのクラス分類」について論じています。今回は、サイクリストのクラス分類を「お遊び型サイクリスト」と「プロ路線指向サイクリスト」に分け、その具体例としてフランスとベルギーのクラス分類とその内容を解説しています。


「連載講座 オーダーメイド読本」

このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第8回は「自転車の性能」のなかから車種別要求機能を取り上げています。前回からは数回にわたり、ルネルスとゴエランのカタログの完成車の中から参考になるものを取り上げて車種による要求機能について解説しています。今月号は一般用車の重量物運搬車の前回からの続きと、軽量物用運搬車、そして日常用・レクリエーション用について解説しています。紹介されている車種は、ゴエランのカタログから「ポーター・グラン・リュクス・アレジェ・ スポール」と「シクロ・フェデラル」が取り上げられています。


「寒さと高血圧」

この記事では寒さと高血圧との関係性について解説するとともに、高血圧対策について四つのポイントをあげています。また、年末が近いということから、暴飲暴食と胃腸への影響についても触れています。


「グリースの話」

ここでは沢山の種類があるグリースの中から、自転車にはどのようなグリースを使えばよいのかを紐解いています。はじめはグリースの歴史とグリースの構造について述べています。次に「グリースの分類」として石けん基のグリース9種類をあげ、その中から代表的なグリースの性質などについて述べています。そのあとは、グリースの寿命、取扱い上の注意、価格について記しています。


「泥んこ道のポタリング1 第二回サイクリングトロフィーに参加して」

この文は、サイクリングトロフィーに参加した筆者による参加記の連載です。連載1回目は参加の申し込み、そしてイベント初日と二日目途中までの様子を綴っています。受付を済ませた後はオリエンテーションとトロフィーの返還式が行われ、食事の後にはペーパーテストが始まります。翌日は朝から実走テストが始まり、筆者もスタートしていきます。スタートでは後方確認を忘れたもののその後は順調に進み、泥沼のような登り坂に入ってからも足を着かずに走り、下って見知ったところに出たところで雑貨屋に入り牛乳を飲みました。


「夜行日帰り 秩父三国峠越え」

この文は、アルプスの萩原慎一氏によるサイクリング紀行です。筆者は午後9時のニュースを見ながら翌日の休みを利用して新設計の試作車の最終テストを兼ねて三国峠行を決めて出発します。筆者は新宿発の夜行に乗って小淵沢から小海線に乗り換えて信濃川上駅に降り立ちます。駅を出発してからは大深山の案内板に示された遺構を見学し、白木屋旅館によっておかみと話し、砂利のはげしい道を押したり乗ったりしながら進み三国峠に到着します。峠からの下りは途中まで、埼玉国体の登山の影響か、よく整備された道となっていました。途中からは道が荒れ始め、下りもいい加減にしてくれという気分になったころ集落に着きます。バス停では三峰口までの最終にはまだ時間もあったので、続けて走ることにします。途中、落合のバス停で乗ろうか考えましたが、三峰口まで走ることにします。駅に着いてからはそば屋に入って一息つき、自転車を輪行バッグに収めた後、ゆっくりしてから家路につくこととしました。


「あの道この道 日光例幣使街道 」

このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は日光の大祭に京都の皇室から宣命を読む使者として日光に下向する例幣使が通行した街道を取り上げています。筆者はこの道を走ってみることとし、中山道は倉賀野宿のはずれから走り始めます。ここから玉村、太田、佐野と辿って栃木まで走ったところで宿に入ることにしました。


「'67年を省りみて 自転車の今年の傾向と見通し」

この記事は今月号の特集で、編集部がこの年の自転車業界のことを総括しています。この年で目立ったこととして、まずはスポーツ車の普及ということと、スポーツ車およびドロップハンドルの禁止が各地で問題を起こしたことをあげています。次に挙げているのは小径車の今後の展望を、国内外の状況も紹介しながら語っています。


「'67年を省りみて サイクリストの質的向上を目指して」

この記事は今月号の特集で、編集部がこの年のサイクリング界のことを総括しています。この年、サイクリングの世界では団体サイクリングが盛んになり、また公共交通機関を利用した催しが多くみられるようになりました。しかし、これらはセット旅行のようなすでに作られたもの、人から与えられたものとなっており、自分自身でサイクリングのプランを立てる能力のない人達が飛びつくという現象だった。言い換えるとサイクリングをやるうえで必要な知識を教えるところがほとんどないということだといっています。そのような中でも、基礎知識を教える場の必要性に気付き始めた協会などが出てきたのは喜ばしいことだとしています。


「'67年を省りみて よろこべない日本新記録」

この記事は今月号の特集で、ベロクラブトオキョウがこの年の自転車レース界のことを総括しています。この年のトピックスは、うれしいこととしては実業団連盟が誕生したこと。これで競技者層の拡大に役立ち、すでにこの実業団から光風自転車勤務の田辺昭夫という優秀な選手が生まれています。メキシコ国際スポーツ大会では日本新記録が出ているが、これは高地での記録で、平地換算すると従来記録と変わらないか遅いくらいで、喜べないといっています。他にも全日本選手権の充実ぶりや、成績不振だった海外遠征のこと、オリンピックに向けた日本車連強化計画に対する疑問、自転車競技界に対する提案を述べています。



「イタリア通信 第40回ミラノショウ短信」

この文は、イタリア在住の日本人から寄せられたレポートです。今回は「第40回ミラノ国際自転車オートバイショー」の視察レポートです。この年のショーで一番気がついたことは、自転車メーカーにしろ、オートバイメーカーにしろ、小型車(小径車)を必ず作っていることでした。イタリアメーカーでこれを出していないのは、チネリとマジーだけだったといいます。一方で日本の展示場には10台の自転車が出ていたけれども小径車は1台も無く、これは認識不足で少しばかり恥ずかしいことではないかといっています。ショー全体としては、大口の商談を考えたものであるためか、商談は活発に行われていたが展示の自転車を見ている人々は少なかったのがいやに印象的だったと締めくくっています。


「ニューモデル拝見」

ここでは、メーカーやショップから発売された新型車を紹介しています。今回紹介しているのは、丸石自転車の「シルバーアロー」と「ゴールデンアロー」の各2車種。そして日米富士自転車の「フリートシリーズ」4車種です。

丸石のシルバーアローはスタンダードタイプのスポーツ車で、15段仕様と5段仕様があります。ゴールデンアローは軽合金を多く使った高級スポーツ車で、10段仕様と5段仕様を紹介しています。

日米富士のフリートシリーズは、ツーリング用の15段仕様と5段仕様のドロップハンドル車と、スタッガードフレームにアップハンドル仕様の女性層を狙った車種。それにレーシングタイプとなる普及型10段仕様の4車を紹介しています。


「新製品メモ」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は三ヶ島製作所の「ケイコーシグナルペダル」と「ペダルスパナA」、太平サドル製作所の「インペリアルサドル」と「ユナイトサドル」、ウオルバーの「スーパーランドナー」等を取り上げています。


「あちらの本と雑誌」

このコーナーでは海外の書籍や雑誌を紹介しています。今回はフランスの競技入門書「シクリスト100%」、「サイエンティックトレーニング・フォー・サイクリング」、「パリマッチ」「ミロワール・デュ・シクリスム90号91号」「アメリカサイクリング10月号」を取り上げています。


「サイクリング東西南北」

このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回はJCAと九つのサイクリングクラブから寄せられたニュースと、広島サイクリング協会から、大島めぐりサイクリングの実施報告が掲載されています。


「パニアバッグ」

このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は、国体の感想や、クラブの作り方、輪行袋の持込み制限に関する質問が寄せられています。


「交換案内」

自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は売りたしの完成車が38台と、先月からさらに多い台数が出品されています。


「1967年総合目次」

このページはNC誌1967年1年間の掲載タイトルをジャンル別に分類し、一覧形式にまとめたものです。


1967年12月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士フラッシャーテン」でした。

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