ニューサイクリング 1968年10月号(No.51)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1968年10月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1968年10月号は、通巻51号です。
この号の表紙は「じてんしゃ その15」です。
通巻51号の目次をページ順に追うと、
口絵 バンクで停止63分5秒!ついに失神落車!
口絵 全日本ハイライト
18 この夏のサイクルレース 日出高三連勝のインターハイ
26 この夏のサイクルレース 法政大12年振りに優勝のインカレ
34 この夏のサイクルレース 1000m独走に大会新7つの全日本選手権
40 この夏のサイクルレース メキシコ派遣は井上三次
42 この夏のサイクルレース 各地のレースの記録
44 イタリア通信 ツール・ド・フランス
46 ヨーロッパのみやげ 世界選手権ルート競技
52 信州紀行のうち 猿ケ馬場峠・修那羅峠・青木峠 その一
56 あの道この道 旧中山道 第2回
60 コースガイド 白馬長野線の開通
72 連載対談やあどうも・・・・・鳥山新一氏 ヨーロッパのラリーに参加して
82 連載 オーダーメイド読本(16)
86 43年度JCAラリー福岡大会
87 第10回国立公園大会
87 代理部だより
88 新製品メモ
90 東西南北
92 パニアバッグ
96 交換案内
102 代理店名簿
104 へんしゅうこうき
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「三度たび日出高に栄冠 43年度全国高校選手権大会」
この記事は「この夏のサイクルレース」と題した、今月号の特集です。内容は、この年のインターハイ自転車競技のレポートです。トラック競技は広島市営競輪場で1000mタイムトライアル、スクラッチレース、ポイントレース、ミス&アウトレース、実用車4000m速度競走、個人と団体の4000m追抜競走が3日間にわたって行われました。ピストの総合結果は、一位が宮城の東北高校、二位は大分の日出高校、三位は福井の福井工高となりました。大会4日目は、広島から可部町までの98.5kmの距離で道路競走が行われました。競技は3人1チームで走るタイムトライアルで、結果は1位が岩手の紫波高校、2位が福島の白河高校、3位は福島の白河農工となりました。ピスト・ロードを合わせた結果はピストで1位だった東北高校はロードでポイントが取れず、ロードで4位となった日出高校が3年連続で総合優勝となりました。記事の最後には、このインハイの競技結果が掲載されています。
「法政大学12年ぶりに優勝 第24回全日本大学対抗選手権大会」
この記事は「この夏のサイクルレース」と題した、今月号の特集です。内容は、この年の8月に行われたインカレのレースレポートです。トラック競技は平市営競輪場で、1000mタイムトライアル、スクラッチレース、タンデムスクラッチ、1000m速度競走、ポイントレース、4000mの個人及び団体の追抜競走が、2日間にわたって行われました。ピスト競技の結果は法政が51点でトップ、日大はポイントレースでの今村選手の失格がひびき38点で3位に中京大が入りました。大会三日目の道路競走は、富士スピードウェイで120kmのレースが行われました。個人ロードレースの結果は、1位法政、2位日大、3位立教となり、この結果総合優勝は法政大学となり、日本大学は10連覇を逃すこととなりました。記事の最後には、このインカレの競技結果が掲載されています。
「1000メートル独走に大会新続出 43年度全日本アマチュア選手権大会」
この記事は「この夏のサイクルレース」と題した、今月号の特集です。内容は、この年の世界選手権とメキシコオリンピックの派遣選手選考会を兼ねた大会の、ピストおよびロードのレースレポートです。ピストは長崎県の佐世保市営競輪場で、1000mタイムトライアル、スクラッチレース、10000mポイントレース、4000m個人追抜競走が、道路競走は佐世保から相浦、大村を廻って佐世保に戻る134.2kmのコースで行われました。ピスト競技では1000mタイムトライアルで上位7人が大会新を記録しました。ピストの結果は、1000mTTとスクラッチは法政大の井上選手、ポイントレースは日大の今村選手、個人追抜は日大の山本選手、ロードレースはブリヂストンの熱海選手が優勝という結果になりました。
「メキシコへは井上三次(法大)
この記事は「この夏のサイクルレース」と題した、今月号の特集です。内容は、静岡競輪場で行われた「メキシコオリンピック・世界選手権候補選手選考記録会」の結果レポートです。これによって、オリンピックには選手1名のみという事で、1000mタイムトライアルに法政大の井上三次選手を派遣することに決定。あわせて世界選手権に派遣する団体追抜およびスクラッチの派遣選手も決定しています。
「各地のレースの記録」
この記事は「この夏のサイクルレース」と題した、今月号の特集です。内容は、「第1回大学・高校・実業団選抜対抗大会」「第19回中部五県対抗競技大会」「第21回宮城県民大会兼国体予選」「1968年東京都選手権大会」「中部五県対抗静岡県代表・国体静岡県代表決定戦」の競技結果を掲載しています。
「イタリア通信 はじめて勝ったオランダ人 ツールドフランス」
この文は、イタリア在住の日本人から寄せられたレポートです。今回は全22区間、11チーム110名が参加して行われたこの年のツール・ド・フランスのレポートです。レポートでは、オランダ人のヤン・ヤンセンがオランダ人として初のツール総合優勝を決めた最終ステージ、個人タイムトライアルの模様を伝えています。
「ヨーロッパのみやげ 第6話 世界選手権ルート競技」
これは沼勉氏の執筆による、2か月間にわたりヨーロッパを旅した海外自転車見聞録の連載です。今回は、世界選手権のルート競技のレースレポートを届けています。ロードレースはアムステルダムから200km以上離れた、ベルギーとドイツの国境地帯にあるヘールレンで行われました。ロードはアマチュア男子とプロフェッショナルのレースをレポートしています。アマチュア男子は、周回コースを15周する約200kmのコースで、日本からの選手4名を含めた約160名が参加して行われました。このレースで一番最初に棄権したのは日本選手、他の日本選手も5周目までで全員棄権してしまいました。そして、レース後には最初に棄権した日本人の2選手も上位入賞者と共にドーピング検査が行われました。その理由は、国の代表として世界選手権に出場している選手は非常に優秀であり、メカトラブルや落車によるものならばともかく、ただ苦しくて棄権するのはドーピングに失敗して体調を崩したからに相違ないと判断されたためでした。この理由を聞いて、筆者は日本人として恥ずかしい思いをしたと語っています。プロフェッショナルはアマの翌日に、アマと同じコースを20周する約265kmで行われ、5人の逃げ集団からゴールスプリントを制した22歳のメルクス選手がマイヨー・ド・アルカンシェールを獲得しています。
「信州紀行のうち 猿ケ馬場峠・修那羅峠・青木峠 その一」
この文は、今井編集長による信州紀行のひとつです。今回は冒頭で峠の性格というものについて、そして昔とクルマの登場してきた現在との峠の作りの違いについて感じたことを述べています。峠紀行は春のツーリングで越えた三つの峠のうち、今回は川中島探訪の翌日に姨捨から猿ケ馬場峠を越えて聖高原を走った時のことを綴っています。
「あの道この道 旧中山道 その二」
このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は旧中山道を辿っています。前回たどり着いた地蔵通りから庚申塚、板橋駅を過ぎて国道17号を越して環状7号を渡り小豆沢から志村をを目指すところまでとなってといます。
「コースガイド ルートナンバーのない白馬長野線の開通」
これは、この年の6月に開通したばかりのコースを山田鉑雄氏による文で案内しているコースガイドです。ここで案内しているのは、長野駅を出てから戸隠、鬼無里、小川、白馬と走って信濃四谷駅まで行く約50kmのコースです。コースの特徴は第一に全コース平坦地無し、第二に直線路無し、第三に全非舗装と、当時でも稀なコースだといっています。
「連載対談やあどうも・・・・・鳥山新一氏 ヨーロッパのラリー」
この連載は、自転車にまつわる様々な話題を話し合う企画です。今回は、ヨーロッパ旅行から帰国した鳥山新一氏と今井彬彦編集長による対談です。その話題は、最初に日本とヨーロッパのサイクリングに対する考え方の違いを鳥山氏が述べています。次にAITラリーとヨークラリーの内容についてと、ヨーロッパのクラブやサイクリングの組織やイベントなどについて今井編集長の質問に鳥山氏が答える形で話が進みます。他には、自転車と部品のことについても意見を交わしています。
「連載講座 オーダーメイド読本」
このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第16回は「自転車の性能」として過去7回にわたって解説してきた車種別要求機能のまとめを述べています。また最後には、これまでの連載で取り上げてきたカタログは、ゴエランが1955年頃でルネ・エルスは1960年頃のものであると付記しています。
「第12回JCA全国ラリー」
この記事は、8月に福岡県サイクリング協会が主管となって福岡、志賀島、大宰府を巡るコースで行われた全国ラリーのイベントレポートです。
「第10回国立公園大会」
この記事は、8月に福島の磐梯国立公園で開催された国立公園大会のイベントレポートとサイクリング班の行動報告です。
「新製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、日東ジャガーを原型としたエクステンションの長いステムが横尾双輪館から売り出されたこと等を取り上げています。
「サイクリング東西南北」
このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は旭川サイクリング協会と高校や各地域のサイクリングクラブから寄せられたニュースが掲載されています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は8月号の交換案内に偽の投稿があったとの注意喚起が被害にあった読者から寄せられています。
「交換案内」
自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号には予告として、このコーナーへの他人を語るなどの悪質な投書をするような事態が発生してきたので、無料掲載を取りやめるとの案内が掲載されています。
1968年10月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士フラッシャー・シリーズ」でした。
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