ニューサイクリング 1968年2月号(No.43)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1968年2月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1968年2月号は、通巻43号です。

この号の表紙は「じてんしゃ その10」です。

通巻43号の目次をページ順に追うと、

口絵 ヨーロッパのチビッコサイクリスト

 18 連載対談やあどうも・・・・・山本秀男氏 自転車について 注文する立場から 注文される立場になった山本氏の言い分

 26 連載 ヨーロッパのみやげ 世界選手権前奏曲

 34 夜行日帰り 十国峠

 38 利賀村

 40 信州の峠道

 44 富士山頂へ

 48 富士五湖サイクリング

 52 あの道この道  旧川越街道 その1

 56 新連載 海男児・陸を走って6ヶ月 10,000キロの自転車旅行

 62 課外講座 疲労の話

 78 連載 シクリスム概論

 82 連載 オーダーメイド読本

 86 新製品メモ

 87 JCA指導者制度案

 88 トピックニュース

 89 いじわるせくしょん

 90 東西南北

 92 パニアバッグ

 94 代理部だより

101 交換案内

103 代理店名簿

104 へんしゅうこうき

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「連載対談 やあどうも・・・・・山本秀男氏 最近のスポーツ車について」

この連載は今月号から始まった、自転車にまつわる様々な話題を話し合う企画です。今回は、当時光風自転車の製造部次長を務めていた山本秀男氏と今井彬彦編集長、かつて同じ社で雑誌編集の仕事をしていた二人による対談です。その話題は最近のスポーツ車事情からミニサイクルのこと、サイクリングに関しては普及、知識、クラブのことや、高級スポーツ車、オーダーメイドのことなど、様々なことについて語り合っています。


「ヨーロッパのみやげ 第2話 世界選手権前奏曲」

これは沼勉氏の執筆による、2か月間にわたりヨーロッパを旅した海外自転車見聞録の連載です。今回は、アムステルダムで開催された世界選手権の話です。まず筆者は、開催前の街では世界選手権らしい雰囲気が感じられないことに期待外れの感を抱きます。しかし、ようやく世界選のポスターを張った裏通りのバーで8年前の日本人選手のことを覚えていた店主と出会い、満足して店を出ました。そのあとは加藤一氏と再会、氏の助力によって宿泊先を日本選手団の泊まるホテルに変更したこと。そして念願だったカメラマンとしてのライセンスを、これも加藤氏の手腕によって取得できるまでの顛末を綴っています。


「夜行日帰り 十国峠」

この文は、アルプスの萩原慎一氏によるサイクリング紀行です。筆者はクラブの仲間とともに、小諸で乗り換えた小海線の海瀬駅に降り立ちます。駅前で自転車を組み立て終えた一行は東に向かい走り始めます。集落をいくつか抜け、峠では枯草のしとねでひと眠り。目覚めた後は下りにかかり、黒川を過ぎて予定では塩沢峠を越えて下仁田へ下る予定でしたが、時間的に峠を越える前に日が暮れそうなので、神流川へ下ることにします。小春のバス停からは輪行で移動、途中、翌日から貯水を開始する下久保ダムを通り、二回乗り継いで新町駅に到着し、一同のんびりムードのサイクリングを終えて帰路につきました。


「利賀村」

この紀行文は、旧盆に富山をサイクリングした時のものです。筆者は石動駅からサイクリングを開始し、金屋、小牧、湯谷温泉と抜けて夕方に利賀村に到着します。日はまだ高かったのですが、ここで猛烈な夕立となり雨宿りを余儀なくされ、この日はここで宿を取ります。翌日は雨が降ったりやんだりで、目的としていた利賀村最奥の大勘場の集落まで行くのはあきらめます。帰りは、山田温泉から八尾を通るルートを選びます。正午について山田温泉で昼食を取り、高瀬峠を越えて八尾で食事をし、富山駅には五時ごろ到着となりました。


「信州の峠道 二つの峠を越えて」

大学のクラブランが解散となった朝から、筆者はプライベートランをすることとします。白樺湖のユースホステルを出た筆者は、大門追分と男女倉のバス停を抜けて扉峠に着く頃に雪が降ってきます。記念写真を撮ったあとは完全武装で下りにかかります。松本の駅前に着くろには辺りはすっかり暗くなっていました。ランの最終日は松本の旅館を出発して島々、奈川渡まで進み、ここからの麦街道に入ります。街道を進み、境峠ではスケッチを二枚描いてから下り始めます。下りは道幅が広くゆるい傾斜で路面も良く、藪原まで進んでからは国道19号線を戻り鳥居トンネルを抜け、木祖村、楢川村と進み贄川、日出塩、洗馬を過ぎて塩尻駅に到着したところで今回のランを終えました。


「富士山頂へのサイクリング」

筆者は以前NC誌に掲載されたサイクルレポートを見て、富士山頂へ自転車で登ることを目指します。前年の8月に最初のアタックを試みます。河口湖付近を出発した筆者はスバルラインを五合目まで順調に上ります。この先も六合目から七合目の小屋まで上がりますが、台風が接近してきたため、この先は断念して山を下ることとしました。その1年後、筆者は再び富士登頂を試みます。この時も輪行で河口湖に泊まった翌日、雨の降るなかをスタートしてスバルラインを上がり、六合目、七合目を過ぎてこの日の目標としていた八合目下の小屋まで辿り着きます。翌日も雨でしたが強い意志の元に小屋を出発し、九合目の小屋を過ぎとうとう山頂まで自転車とともに登り切りました。山頂には三十分ほど居てから下山を開始し、砂走りを転がしたり乗ったりしながら五合目に、さらにスバルラインも無事に降りきって河口湖からは輪行で家路につきました。


「サイクリングレポート 富士五湖サイクリング」

筆者は大学文化祭の期間を利用して、サイクリングに出る計画を立てます。当初は県境までのつもりでしたが、最終的には富士五湖まで行くこととしました。初日は雨でしたが予定通り自宅を出発、小諸で昼食を食べたあと松原湖まで走り、ここの旅館に泊まりました。翌日は半日かかって清里まで上がってゆき、国有鉄道最高地点を過ぎてからは下って韮崎まで進みますが、この日に予定していた西湖までは着けそうにないと判断して甲府郊外の寺に宿泊します。三日目は甲府を出てから国道20号、137号を走って旧御坂峠を越え河口湖を通って西湖のユースホステルに到着しました。次の日は西湖から精進湖、本栖湖と巡ってから古関、鰍沢を経由して韮崎の寺に泊まります。翌日は富士見駅で聞いてから入り笠山を登ろうと走り始めますが、松目からは山頂までずっと歩きとなったため、予定した松本には行かれずユースホステルに泊まることにしました。次の日は下りを走っている時に車体が曲がってしまうトラブルにあい、自転車店で修理してもらったものの何とか予定していた松本まで辿り着き、ユースホステルに泊まりました。最終日は松本から浅間温泉を抜け、美鈴湖から武石峠を越えて林道を鹿教湯まで下り、上田には二時過ぎに入り自宅に帰りつきました。


「あの道この道  旧川越街道 その1」

このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は、川越から江戸までの十三里を継ぐ旧川越街道を取り上げています。筆者はここを実走すべく、川越街道の出発点である板橋に向かいます。旧川越街道の出発点は板橋の平尾宿、筆者はここから旧街道を辿って都内の現在はさまざまな名に変わっている通りを走り、成増を過ぎて朝霞市まで進みました。


「第一回 海男児・陸を走って六ヶ月 10,000キロの自転車旅行」

この記事はサイクリング未経験の筆者が、六か月間自転車で走り回った記録を綴った連載です。連載第1回となる今回は、筆者の自己紹介、海難防止祈願のメッセージと自作の海難防止教育映画二本を自転車に乗せて東京六本木の会員ビルをスタートして全国を回る計画について。そして、自転車の選定と購入から試走とその結果について綴っています。


「疲労の話」

ここでは疲労に関して、肉体活動及び精神活動における疲労発生のメカニズムと回復方法および予防方法を解説しています。


目次にはありませんが、66ページからは「ハンドメイドフレームが出来るまで」と題した10枚の写真と説明文が掲載されています。


「シクリスム概論 自転車競技の基本」

これは鳥山新一氏の執筆による、自転車レース全般に関して根本的な問題から手掛け、客観的、体系的に整理してまとめ上げようと企画した連載です。第18回は「第一篇 基礎篇 第四章 レースの運営」として「サイクリストとイベントのクラス分類」について論じています。今回はレース、イベントのクラス分けについて例を挙げて解説するとともに、フランスとイギリスを例にとってレースの開催数を紹介しています。


「連載講座 オーダーメイド読本」

このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第10回は「自転車の性能」のなかから車種別要求機能を取り上げています。この項では、ルネルスとゲーランのカタログの完成車の中から参考になるものを取り上げ、車種別の要求機能について解説しています。今月号はスポーツ車、そのなかでもレース用車を含まない、サイクリング用車を取り上げています。今回は、中距離快走用車に焦点を当てて解説しています。紹介されている車種は、ゴエランのカタログから「シクロ-スポール・アレジェ・グラン・リュクス」と、ルネ・エルスのカタログから「ランドヌーズ」が取り上げられています。


「新製品メモ」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は清水釿治商店のレース用シャツ等を取り上げています。

また同ページには「PRコーナー」があり、今回は「ブリヂストンカタログ」「光風自転車総合カタログ」、日本サイクリング協会発行で自転車のゲームだけを集めた「みんなで楽しむ自転車のゲーム」を紹介しています。


「JCAの指導者制度の案」

これまでに全国46都道府県にサイクリング協会ができたことから、この年から全国的にサイクリング普及の為の指導者を育てることを目的に指導者制度の案が作られ、ここではその概要を紹介しています。

また同ページには「大学サイクリング誌」と題した、東日本学生サイクリング連盟の「ESCAニュース」、東京都立大学自転車部の「輪っば」、立教大学サイクリング部(RCTC)の「道」の各機関誌を紹介した囲み記事があります。


「トピック・ニュース」

トピックとしては、1968年から始まったカンパニョーロニュースの第一年第一号に掲載された同社のブレーキとディレイラー二種を取り上げています。ブレーキは軽合金のサイドプル式で、社名とマークのプレートがキャリパー上部に取り付けられており、レバーは曲がりが浅くなっているのが特徴です。ニュースは、第三次メキシコオリンピック切手と、ダメホの不足税切手発行のニュースが出ています。


「サイクリング東西南北」

このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交歓の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は東京サイクリング協会と、大学サイクリングクラブ、七つのサイクリングクラブから寄せられたニュースが掲載されています。


「パニアバッグ」

このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は「本誌への声・特集」として、NC誌に対する読者からの要望を5件掲載しています。


「交換案内」

自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号の部品売り出し価格を見てみると、一部の外国製品で5,000円を超える値がついていますが、多くは数百円から数千円程度の値がつけられたものとなっています。


1968年2月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士フラッシャーF10・F5」でした。

コメント

このブログの人気の投稿

4/27は京王閣フリマ出品です

ニューサイクリング 1985年3月号(No.247)

ニューサイクリング 1997年7月号(No397)