ニューサイクリング 1968年9月号(No.50)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1968年9月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1968年9月号は、通巻50号です。

この号の表紙は「じてんしゃ その14」です。

通巻50号の目次をページ順に追うと、

口絵 グループツーリング記

口絵 '68イタリア一周レース

口絵 日曜祭日を自転車に開放された神宮外苑

 24 特集1 わが社のすいせん品 その1 日本を代表するメーカーが自薦する完成車と部品 アラヤ工業、アルプス自転車、安全自転車、片倉自転車、光風自転車、山王スポーツ、城東輪業、土屋製作所、東叡社、東京サイクリングセンター、日米富士自転車、ノートン自転車、丸石自転車、丸紅山口自転車、横尾双輪館、石渡製作所、極東製作所、三光舎、杉野鉄工所、島野工業、大平サドル、大和ゴム化工、藤田サドル、前田鉄工、三ケ島製作所、吉貝機械、的場商会 

 53 ニューモデル拝見

 54 特集2 どうなる? 100年後のサイクリング 50年、100年後のサイクリングの姿はどう変わるのだろうか? 座談会からの記録

 58 ヨーロッパのみやげ 続世界選手権ピスト

 67 レースの記録

 91 内外文献

 92 新製品紹介

 94 川中島(下)

 98 あの道この道 旧中山道 第1回

103 アクセサリー

104 連載 10,000キロの自転車旅行 最終回

110 レポート 再び伊豆へ

114 エッセイ 双輪漫筆(2)

118 第51回ジロディタリア

124 連載講座 オーダーメイド読本(15)

129 代理部だより

130 東西南北

132 パニアバック

137 交換案内

139 代理店名簿

140 編集後記

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「特集 わが社のすいせん品 日本の代表メーカーが自薦する完成車と部品」

この記事は今月号の特集で、日本における自転車の現状における発展の成果を各種製品の誌上展を兼ねて総合カタログの形をとって纏めたものです。この特集は台数が多いため、2回に分けて完成車と部品を紹介する予定としています。

今回取り上げられている完成車メーカーと自薦された車種は、新家工業の「ツーリングマスター」、アルプス自転車工業の「クイックエース」と「ローバースポーツ」、安全自転車の「レイノックス」、片倉自転車の「R2」、光風自転車の「ケンコージャニー」、山王スポーツの「エミネンザ」、城東輪業の「ランドナージュニア」、土屋製作所のレース用自転車、東叡社のオーダー車、東京サイクリングセンターのツーリング車、日米富士自転車の「富士ジョッキーワイドシックス」、ノートン自転車工業のスポーツ車、丸石自転車の「ヤングホリデー19シリーズ」、丸紅山口自転車の「チャレンジベニーSR5」、横尾双輪館のレース用車・スピードモデルとなっています。

また部品メーカーとその製品は、石渡製作所のバデットチューブ、極東製作所の「プロエーストラック」と「スリーライトペダル」、三光舎のディレイラーとクイックハブ、杉野鉄工所の「マイティコンペ」と「プロト」、島野工業のハブギヤ、大平サドルの「ユナイトPUL」、大和ゴム化工のレース用タイヤとサイクリングシューズ、藤田サドルの「プロフェッショナル」と「シームレス」と「ヒューペルライダー」、前田鉄工の「サンツアーV」と「スパート」、三ケ島製作所の「ユニークロード」とトークリップとシュープレート、吉貝機械金属のブレーキとステム、的場商会のサイクロメーターとなっています。 

※この記事は目次では24ページから掲載となっていますが、本文は26ページから掲載されています。


「どうなる?・・・・・100年後のサイクリング」

この記事は今月号ふたつ目の特集で、「自転車未来学」と題して業界関係者7人による座談会の内容を、読み物風にまとめ上げた文となっています。その纏め文の話題として挙がっているのは「要求されるものの変化」「都市から自転車は消えるか」「流行するミニサイクル」「都市に尋用路は必要か」「サイクリングは人間の本能」「未来のサイクリング」「小売店の未来像」となっています。


「ヨーロッパのみやげ 第5話 続世界選手権ピスト競技」

これは沼勉氏の執筆による、2か月間にわたりヨーロッパを旅した海外自転車見聞録の連載です。今回は前回に引き続いて、アムステルダムで開催された世界選手権のピスト競技のレースレポートを届けています。今回のレポート種目は、ヴィテスです。当時の日本ではスクラッチと呼ばれていたスプリントレースは世界戦ピスト競技の華です。筆者は冒頭でヴィテスの歴史を初期に活躍した4選手の話を交えながら紹介しています。競技はアマおよびプロの部門があり、日本選手のレースぶりも紹介しながら各部門の予選から決勝までをレポートしています。アマ部門の日本選手は予選、敗者復活ともに敗れ、世界との差が大きいことをうかがわせます。プロ部門では3人の選手が出場して2名が1回戦を勝ち上がり、2回戦は僅差で敗れましたが敗者復活戦では二人とも勝利してベスト8に入りました。準々決勝では惜しくも敗れてしまいますが、アマヴィテスチャンピオンのモレロンも称賛した敗者復活戦の様子は筆者によって特に詳しく伝えられています。


「レースの記録」

ここには、「第16回静岡県高校総合大会」「インターハイ道路競走宮城県予選」「第15回青森県道路競走選手権兼東北一周道路競走予選」「第21回青森県高校総合大会自転車兼インターハイ予選」「第2回東日本実業団大会」の競技結果を掲載しています。


「内外文献紹介」

このコーナーでは、国内外の自転車関連雑誌・書籍を紹介しています。今回取り上げているのは「ジモンディの世界」、「インターナショナルサイクルスポーツ第2号」、「ミロワール・デュ・シクリスム100号」、JCA発行のパンフレット「自転車の変速機について」、「ジャパンバイシクルガイド」、「ESCAニュース」、「MCCニュース」となっています。

※このコーナーは目次では91ページ掲載となっていますが、本文は82ページに掲載されています。


「ニューモデル」

ここでは、メーカーやショップから発売された新型車を紹介しています。今回紹介しているのは、トモダサイクルの「サンセットQP」と光風自転車の「レディバード」です。「サンセットQP」は輪行用として徹底的にクイックを活用したものです。「レディバード」はうんと太いタイヤ、U字型の径の大きいメインチューブ、ゴム輪の付いた補助輪など、今までの大人の実用車をただ小さくしただけの物とは一線を画す、高級実用的な玩具の線を打ち出しています。

※このコーナーは目次では53ページ掲載となっていますが、本文は83ページに掲載されています。


「新製品メモ」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は吉貝機械金属のカンティブレーキとダウンヒルレバー、大和ゴム化工のサイクリングシューズ、前田鉄工所の「UBレバー」等を取り上げています。

※このコーナーは目次では92ページ掲載となっていますが、本文は84ページから掲載されています。


「信州紀行のうち 川中島」

この文は、今井編集長による信州紀行のひとつです。今回は、川中島を自転車で巡った話の続きです。今回の話は、善光寺平、曲厩寺と山本勘助の墓、海津城址、妻女山、雨宮の渡について綴っています。なお筆者によると、この紀行文はサイクリング中心の話から少し形を変え、事前に調べたことを中心に引用文なども入れて書いたとしています。

※この記事は目次では94ページから掲載となっていますが、本文は86ページから掲載されています。


「あの道この道 旧中山道 その一」

このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は旧中山道を走っています。筆者は出発点の日本橋まで移動して走り始めます。神田駅、須田町、交通博物館、昌平橋、昌平坂、本郷台、赤門、本郷追分、大円寺、巣鴨駅と通って地蔵通りに入っていきます。旧中山道であるこの地蔵通りはこの日縁日で人混みがすごく、筆者は寄り道をしたあと板橋を目指すところまでとなってといます。

※この記事は目次では98ページから掲載となっていますが、本文は90ページから掲載されています。


「ACCESOIRE DE VELO」

ここでは、自転車関連の雑貨類を紹介しています。今回はブローチ、栓抜き、タオルハンカチ、人力車のプラモデル、バッチと紙袋と切手が各2種類取り上げられています。

※このコーナーは目次では103ページ掲載となっていますが、本文は95ページに掲載されています。


「最終回 海男児・陸を走って六ヶ月 10,000キロの自転車旅行」

この記事はサイクリング未経験の筆者が、六か月間自転車で走り回った記録を綴った連載です。最終回は、旅の途中に女性にいいかっこを見せようとして自転車で失敗したこと、スケジュールの関係で猛暑の日でも日中に走らなければいけない筆者の暑さへの対処法、筆者が行った海水飲用をしての漂流実験のこと、そしてこの旅に自転車を使ったおかげで得られたものについて綴っています。

※この記事は目次では104ページから掲載となっていますが、本文は96ページから掲載されています。


「サイクリングレポート ふたたび伊豆へ」

筆者は輪友とともに、雨の上がった都内の自宅から伊東に向けて出発します。コースは小田原まで国道1号で、小田原からは国道135号と走って夕方に伊東へ到着しました。到着した二人は早速弁当を広げ、食後はテントを張ってすぐに寝ました。翌朝は心配していた雨が本降りとなっており、その日はテント暮らしでしたが夜にはテント内にも水が入り近くの土管に避難。さらに翌日も雨だったため一日土管暮らしとなりました。四日目の午後にようやく雨が止んだので再び走り始め、この日は稲取まで行って雨風の防げるところで野宿します。翌日は少しペースを上げて下田、松崎、土肥と進んで休業している海の家を拝借して泊まります。次の日は土肥から戸田峠を越えて修善寺で土産を買ったあと、三島まで走ってからテント泊します。最終日は箱根峠越えの帰路についていましたが、下りで友人に追突してフォークが曲がるほどに自転車が壊れてしまいました。筆者はそこからトラックで小田原まで自転車輪運んでもらい、小田原からは東海道線に乗って帰路につきました。

※この記事は目次では110ページから掲載となっていますが、本文は102ページから掲載されています。


「双輪漫筆」

これは、山王スポーツの高橋長敏氏の執筆による自転車に関するエッセイの連載です。今回は実業団レースと1,000mT.T.と世界チャンピオンのことについて書いています。実業団レースのことは、久しぶりに見学に行った筆者が遅れてきたチームの監督の態度に対して思った気持ちを吐露しています。1000mタイムトライアルのことは、この競技の走り方や当時のギアレシオについて言及しています。世界チャンピオンのことは、友人に洋書の翻訳をしてもらった内容を紹介しています。今回はその本の内容から、ドイツのルディ・アルテッヒ選手のエピソードを紹介しています。

※この記事は目次では114ページから掲載となっていますが、本文は106ページから掲載されています。


「イタリア通信 第51回ジロ ディタリア」

この文は、イタリア在住の日本人から寄せられたレポートです。今回は「メルクスの独走」と題した、第51回ジロ ディタリアのレースレポートを届けています。この年は、1チーム10人ずつ130名の参加で行われました。今回はアンクティルが不参加となり、優勝候補はメルクス、ジモンディ、モッタといわれていました。レポートでは主な区間のレース展開やジロで見た自転車のこと、また当時は見られた山頂付近でのファンと選手の新聞の受け渡しの様子などを伝えています。レース結果はベルギーのエディ・メルクスの総合優勝となりましたが、その結果の陰にはアシスト役のアドールニがいた事にも焦点が当てられています。

※この記事は目次では118ページから掲載となっていますが、本文は110ページから掲載されています。


「連載講座 オーダーメイド読本」

このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第15回は「自転車の性能」として車種別要求機能を取り上げています。この項では、ルネルスとゲーランのカタログの完成車の中から参考になるものを取り上げ、車種別の要求機能について解説しています。今月号は婦人用車と子供用車を取り上げています。紹介されている車種は婦人車としてルネ・エルスのカタログから「ウィークエンド」、子供用車としてゴエランのカタログから「タイプ・スペシャル・ポウ・アンファン」となっています。

※この記事は目次では124ページから掲載となっていますが、本文は116ページから掲載されています。


「サイクリング東西南北」

このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は旭川サイクリング協会、高体連、高校のサイクリングクラブ、八つのサイクリングクラブから寄せられたニュースが掲載されています。

※このコーナーは目次では130ページから掲載となっていますが、本文は122ページから掲載されています。


「パニアバッグ」

このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号はランプやタイヤに関する読者の意見と、自転車に輸送方法に関する質問他が寄せられています。

※このコーナーは目次では132ページから掲載となっていますが、本文は124ページから掲載されています。


「交換案内」

自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は買いたしの完成車でトラックやロードのレーサーが半数以上を占めており、この頃の競技志向が見て取れます。

※このコーナーは目次では137ページから掲載となっていますが、本文は126ページから掲載されています。


1968年9月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士フラッシャー・シリーズ」でした。

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