ニューサイクリング 1969年10月号(No.62)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1969年10月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1969年10月号は、通巻62号です。

この号の表紙は「バッヂこれくしょん」です。

通巻62号の目次をページ順に追うと、

14 フィチュア アメリカのサイクリングクラブ 目下ブームにあるといわれているアメリカのサイクリングクラブのあり方と実態、その特色活動など・・・

18 メカニズム 女性用サイクリング用車の設計(下) 豊富な資料、文献を駆使して各国の女性用サイクリング用車を研究し、日本の場合の設計を・・・

29 これくしょん

30 メカニズム 美しいロードレーサーフレームへの追及 美しさの追及の中に最高の機能がひめられているという立場からの追及と苦心のあと

34 メカニズム オーダーメイド読本(26) オーダーに必要なスポーツ車の知識を得るための文献、資料のさがし方、その見方その他

38 メカニズム 自転車道楽 3 一人で車種別に自転車を持つ アイデアを抱いてから10年目に完成したシクロスポルティーフのオーダーのてんまつ

44 考証・エッセイ 古東海道を探る 古東海道の成立と、大和朝廷の勢力の拡大、そして僧行基の事蹟など

50 考証・エッセイ あの道この道シリーズ(12) 旧中山道 木曽路の中心、棧道の難所といわれた所を現在走ってみれば・・・

52 ツーリング 祕境柳久保池と過疎部落 祕境を求めて、奥へ奥へと入るサイクリストのルートはますます細かくなってくる

59 外国新刊紹介

70 レース イタリアのレース界(2) イタリアアマチュアレース界の実際、広い国民的支持を持つその盛んなありさま

73 クラブグ・ループだより

74 パニアバッグ

76 交換案内

84 編集後記

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「アメリカのサイクリングクラブ」

ここでは、当時ブームにあるといわれていたアメリカのサイクリングクラブのあり方と実態、その特色や活動などを伝えています。現況についてはアメリカと日本の違い、サイクリングクラブの数や地域分布にふれています。また、アメリカのクラブについてクラブの名前やメンバー構成の特徴、クラブ行事やクラブのあり方について解説しています。


「女性用サイクリング車について 2」

これは先月号からの続編記事で、沼勉氏が女性用サイクリング車ついて書いています。今回は女性用サイクリング車の設計要素を挙げたうえで、フレームの設計、サドル・ハンドル・ブレーキの選択、ギヤ比の決定について詳述しています。


「これくしょん」

このコーナーでは、自転車関連の雑貨類を紹介しています。今回取り上げているのは、陶製飾りのマッチ、ハンカチ、レースのミニチュアなどとなっています。

またこのページには書籍類として「ESCA NEWS No.14」を、また「PRコーナー」として、大和ゴム化工発行の「チューブラー教室」を取り上げています。


「美しいロードレーサーフレームへの追及」

この文は梶原利夫氏が氏が製作したロードレース用フレームを題材に、「曲線の性格とその美しさ」という視点で自転車に見られる曲線の生かし方、フレームの材料と工作、塗装とメッキの生かし方についてその追求と苦心について述べています。


「連載講座 オーダーメイド読本」

このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第26回は「オーダーに必要な予備知識」として、自転車のオーダーに関する考え方について解説しています。今回は自転車以外のものに関する内容ということで、文献に関してその探し方と見方について解説しています。

※本文では連載回数が「第25回」となっていますが、正しくは目次にある通り「第26回」となります。


「自転車道楽 3 一人で車種別に自転車を持つ シクロスポルティーフ(1)」

この記事は、メカニズムにふれていく企画ものの連載です。今回は、自転車の車種体系についてフランス・イギリスの分類例を挙げながら説明するとともに、当時今井編集長が所有していたシクロスポルティーフについてその成り立ちを紹介しています。


「古東海道を探る」

ここでは東海道の原型となった古東海道の、主に神奈川県下に残された跡とその周辺を紹介しています。第二回は「寺院建立と道路」と題し、神武寺、日本寺、杉本寺、宋元寺、栄光寺と行基菩薩の行跡を追っています。


「あの道この道 旧中山道 その十二」

このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は旧中山道を辿っています。前回からは木曽路に入り、宮ノ越、木曽福島、上松、須原、野尻、三留野、妻籠と進んでいます。


「信州紀行のうち 祕境柳久保池と過疎部落」

これは今井編集長の執筆による、信州サイクルツーリング紀行です。今回のプランは、柳久保池とその周辺の集落を見に行くことを主に、長野を起点としてコースを計画しました。初日は東京を早朝に出発、長野で先に送っておいた自転車を受け取って午後から走り出します。この日は20キロほど走って信州新町まで、ジンギスカンを目当てに宿入りします。翌日は、宿を出て国道を数キロ走ってから柳久保へ向けての道に入ります。池までの道は途中のバスが通っているあたりまでは乗って走れましたが、その先は押し上げるもの大変な坂を上がっていき、頂上に辿り着きます。そこから少し走っていくと柳久保池に到着、池は鯉の養殖場になっており地元の人が釣り糸を垂れていました。筆者一行は午前のおやつにして、お茶を沸かしゆっくりします。やがて地元の人達は皆いなくなり、あたりは静かになりました。


「新着外書紹介」

このコーナーでは、海外の書籍を紹介しています。今回は、フランスの競技関係書籍「100 ans de CYCLISME」と、アメリカの少年向けビギナーブック「OFF TO THE RACES」を取り上げています。


「イタリアの自転車レース界」

この文は、二年間余りイタリアで生活していた日本人によるイタリアの自転車レース界の事を綴る連載です。今回は、イタリアのアマチュアレースについて伝えています。当時イタリアのアマチュアクラブはイタリア自転車連盟に登録されているだけでも400以上ありました。レースは毎週、それも隣町で同日に開催されたりすることもあります。レースの参加申し込みも、その日の選手の参加レベルを見て、いわゆるドタキャンドタ参のようなことも当たり前の、選手側は気軽な出場選択が出る環境。しかし、レースのスタートや表彰式には市長などの町の代表者が出席したり、公式審判員が派遣されるなど、連盟公式レースとしての格式が守られているようです。


「ぐるーぷ・くらぶ便り」

ここでは、各地のクラブやグループから届けられた情報を紹介しています。今回は宮城と群馬のクラブからの活動動向が寄せられています。またクラブから届いた会報4誌を紹介しています。


「パニアバッグ」

このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は掲載記事に対する意見や、本誌の発行体制に対する意見などが掲載されています。


1969年10月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士ブラックトップファイブ」でした。

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