ニューサイクリング 1969年11月号(No.63)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1969年11月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1969年11月号は、通巻63号です。
この号の表紙は「秋の武蔵野」です。
通巻63号の目次をページ順に追うと、
14 メカニズム 超軽量車へのエチュード 自分だけの自分の気に入った軽い車を作る
22 メカニズム オーダーメイド読本(27) まず機械の基礎知識を身につける事が・・・
26 メカニズム 自転車道楽 5 一人で車種別に自転車を持つ シクロスポルティーフを作るまでの考え方
30 ツーリング 日帰りで三つの峠をこえる 女子2名を交え峠にいどむ日帰りラン
35 ツーリング 山地チヤレンジ記行 人の行かない山地ばかりに挑戦する
39 これくしよん
40 ツーリング 祕境柳久保池と過疎部落 峠の頂上にある郵便局
54 考証・エッセイ 古東海道を探る 記行文の古典から古い東海道を考える
60 考証・エッセイ 三国街道の古い道しるべを探集する サイクリストでなければ出来ないエクスペディション
67 考証・エッセイ あの道この道シリーズ(13) 旧中山道 夜明け前で有名になった馬籠、妻籠を行く
70 レース イタリアのレース界(3) イタリアマ選手実態、プロ転など
74 イギリスフェアから
75 クラブ・グループだより
76 パニヤーバッグ
78 交換案内
82 本誌取扱代理店
84 編集後記
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「超軽量車へのエチュード」
これは千葉洋三氏が自身の散歩用車として製作した軽量車について、1966年から67年当時のメモを基にフレームの設計製作から部品選定のことと、完成後の試走時の印象について綴っています。
「連載講座 オーダーメイド読本」
このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第27回は「オーダーに必要な予備知識」として、自転車のオーダーに関する考え方について解説しています。今回は自転車以外のものに関する内容ということで、機械に関する知識について述べています。
※本文では連載回数が「第26回」となっていますが、正しくは目次にある通り「第27回」となります。
「自転車道楽 3 一人で車種別に自転車を持つ シクロスポルティーフ(2)」
この記事は、メカニズムにふれていく企画ものの連載です。今回は前回から引き続き、当時今井編集長が所有していたシクロスポルティーフについて、構成部品のひとつひとつについての紹介と、その前置きとして筆者がいつも採用している完成車の説明の順序を説明しています。
※本文では連載回数が「3」となっていますが、正しくは目次にある通り「5」となります。
「日帰りで三つの峠を越える」
この文は奥多摩・秩父方面へ日帰りサイクリングに行った筆者によるサイクリングレポートです。筆者は、筆者の夫に友人の3人でサイクリングの計画を立てます。ところが前日になって筆者の妹が初心者ながら参加することとなり、4人でのサイクリングになりました。一行は朝、立川を出発して五日市街道から青梅街道を走ってから山王峠に登り始めます。最初の峠の登りで筆者の妹はそのきつさに反省しきり。しばらく休憩をしてから下って、次の小沢峠に向かいます。ここの登りは途中まで広い砂利道でしたが、その先はハイキングコースの小径で4人とも押し上げるのも大変な上りでした。この峠も何とか越え、当初3つだった峠越えは2つにして帰路に就き、ラッシュアワーの五日市街道を抜けて帰宅しました。
「山地チャレンジ記行」
これは会津若松での合宿解散後、一人で山中のサイクリングを楽しんだ紀行文です。筆者は合宿解散後一日ゆっくりしてから塩原に向けて日光街道を進みます。会津田島から山王峠を越えて国道121号へ出た後五十里湖を通って塩原を目指しますが、台風によるがけ崩れの影響で途中難儀し、へとへとになって塩原のユースホステルに到着します。がここでは宿泊を断られ、中塩原の旅館に何とか泊まらせてもらう事が出来ました。翌日は順調に進んで日光方面へ走り、大谷川のユースに宿をとります。この日はシルマンデーという事で、キャンドルサービスを体験しました。翌日は不調になったシクロのディレイラーを修理してから出発、いろは坂を登り戦場ヶ原、切込湖を経由して東照宮へ向かいました。
「これくしょん」
このコーナーでは、自転車関連の雑貨類を紹介しています。今回取り上げているのは、コットンのテーブルセンター、針金細工の三輪車などとなっています。
「信州紀行のうち 祕境柳久保池と過疎部落」
これは今井編集長の執筆による、信州サイクルツーリング紀行です。今回のプランは、柳久保池とその周辺の集落を見に行くことを主に長野を起点としてコースを計画しました。ツーリング二日目の柳久保池での休憩を終えた一行は谷底まで下りていき、またすぐに登りに入ります。峠という名の集落では住人と話したりしながら走り、頂上に着くとそこには郵便局がありました。郵便局では局の部屋を借りてお昼を広げ、くつろいでから出発しました。ここからの行程は夕方まで上り下りの繰り返しで、このツーリングの第二の目的であった過疎部落をゆっくり見て回ることはあきらめて木崎湖まで車を進めました。
「古東海道を探る」
ここでは東海道の原型となった古東海道の、主に神奈川県下に残された跡とその周辺を紹介しています。第三回は「鎌倉への道(一)」と題し、三冊の紀行文、海道記、東関紀行、十六夜日記から三つに共通した対象を比較検討して当時の東海道の悌を類推しています。今回は「雨」「天竜川」「富士山」「箱根越え」について取り上げています。
「三国街道と佐渡街道 古い道しるべの採集」
これは、群馬周辺のサイクリングと民俗学を綴ったエッセイです。筆者は三国街道と佐渡街道の民俗学的考察をしながら、二つの街道沿いにある史跡を自転車で訪ねています。三国街道については、その名の語源と分去辻や金古宿、渋川宿、金井宿、杢ケ橋関所を訪ねています。佐渡街道では、道中の道しるべや道祖神を巡っています。
「あの道この道 旧中山道 その十三」
このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は旧中山道を辿っています。今回は、木曽路の妻籠での島崎藤村にまつわる話題と倉科祖霊社の伝説について語っています。
「イタリアの自転車レース 2」
この文は、二年間余りイタリアで生活していた日本人によるイタリアの自転車レース界の事を綴る連載です。今回は、イタリアの自転車レース界のことでアマチュアからプロへ転向する過程について伝えています。日本では競輪学校入学がアマからプロへの道ですが、イタリアは実力次第なので一流のチームに入って有名な国際レースで活躍する必要があります。その実態としてアマ選手のインタビュー記録を紹介しています。他にもイタリア人がいたずら好きであることやロドーニィ会長のことについて、エピソードとともに紹介しています。
「イギリスフェアから」
ここでは小田急デパートで開催されたイギリスフェアの展示品の中から、1870年のだるま自転車と初めての空気入りタイヤを写真入りで紹介しています。またこのページには「新着外誌紹介」のコーナーもあります。ここではインターナショナルスポーツの14号15号と、バイシクリングの9月号を取り上げています。
「ぐるーぷ・くらぶ便り」
ここでは、各地のクラブやグループから届けられた情報を紹介しています。今回も宮城と群馬のクラブからの活動報告が寄せられています。またクラブから届いた会報6誌を紹介しています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は山岳ツーリングのアイデアと、長距離サイクリングやスポーク長他に関する質問などが寄せられています。
1969年11月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士ブラックトップファイブ」でした。
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