ニューサイクリング 1969年1月号(No.54)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1969年1月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1969年1月号は、通巻54号です。

この号の表紙は「じてんしゃ その18」です。

通巻54号の目次をページ順に追うと、

口絵 第一回クラブラリー

口絵 峠越えツーリングから

 22 新年とくべつ企画 新春無責任座談会 クラブのこと、協会のこと、トロフィーのこと、云いたい事はみんな云っちゃおう。

 38 カーサイクリング考 自動車によって、道路から追出されたサイクリストが始めた新しいサイクリング。

 44 山岳ツアーとナイトランと 冬こそナイトランの季節と、家を飛び出す筆者のちょっぴりランプに詳しいところを。

 48 初めての宿泊ツアー

 52 レポート 長野・山梨を走る

 56 好評連載 旧中山道 博識とユーモアでユニークなコースガイド。いよいよ上州路へ入る。

 60 武州街道と八ヶ岳

 76 メルクス あなたは誰? 今年もっとも期待されるメルクスの、生いたちとその背景。

 80 連載第25回 シクリスム概論 運動生理学的にみたサイクルレース

 84 連載第19回 オーダーメイド読本 オーダーの考え方のうち、自転車に関するもの

 88 レースの記録 日韓交歓大会・オリンピック・世界選手権・学生タンデム・高校定時制大会・関東地域ロード

 94 新製品メモ

 95 外国図書紹介

 96 PRコーナー

 97 代理部だより

 98 東西南北

100 パニアバッグ

105 交換案内

107 代理店名簿

108 編集後記

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「新春無責任座談会 意外に真面目な放談会」

この記事は、新年の特別企画です。東京・千葉・神奈川・埼玉各サイクリング協会所属の方にJCAの鳥山新一氏と今井編集長を加えた6名によって座談会を行っています。その話題は、全国ラリーの規模や目的、サイクリング協会の使命、サイクリングトロフィーの今後、サイクリングクラブのあり方等について、各人が言いたい事を言い合っています。


「カーサイクリング考」

当時、自動車によって郊外へ郊外へと追いやられていたサイクリスト。それならば、いっそもっと積極的に自動車を使って遠い土地でサイクリングを楽しもうという提案をしている記事です。ここでは二人の筆者によって、ひとつは自転車輸送とサイクリングのひとつ方法としてのカーサイクリングの方法や問題点と、その実際について。もうひとつは、実際にカーサイクリングに出かけた夫妻が経験談を述べています。


「ある意見 山岳ツアーとナイトランとそれから・・・」

ここでは、筆者が冬の服装について特に防寒についての悩みや、山岳サイクリング時の服装や装備、ナイトランに使用するランプについての考察を述べています。


「初めてのの宿泊ツアー」

この文は、中学3年の筆者が水郷へ宿泊サイクリングツアーに出た紀行です。一月のある日、筆者と友人は宿泊ツアーの計画を思い立ち、春休みに計画を実行します。当初は房総半島に行く予定でしたが、直前に宿泊先の都合で行き先を水郷に変更します。初日は夜中の三時に都内の自宅を出発しますが、天気はあいにくの雨。しかし、千葉街道を行くナイトランは順調に進み東金から九十九里浜を経由して銚子まで走り、犬吠埼に寄ってからユースホステルに着きました。二日目は銚子から潮来まで走り、そこからフェリーに乗って土浦に渡りました。土浦からは湯袋峠を越えて、真壁のユースホステルに向かいます。しかし、到着が夜遅くになったためホステルではなく、ペアレントの実家に泊めてもらうこととなりました。三日目は昼近くになってから出発、下妻、水海道を抜けて千葉の流山まで走り、この日は同行した友人の親せき宅に泊まりました。最終日は夕方近くまで流山で遊んだ後出発し、自宅のある新宿で今回のツーリングは幕となりました。


「サイクリングレポート 長野・山梨を走る」

筆者は上野から軽井沢まで輪行で移動し、サイクリングを開始します。中軽井沢で昼食をとったあと国道18号で追分、御代田を行き、さらに佐久、岩村田、八千穂を抜けて小海まで走って駅のそばの宿に泊まりました。翌日は松原湖、野辺山、清里と走ってから美しの森に寄り、甲州街道まで下って韮崎でこの日の帰宅予定を変更し、甲府に行って商人宿に泊まることにしました。最終日は宿を出てから御坂峠へ向かい、トンネルを抜けて山中湖まで下って湖を一周してから上野原駅まで走り、そこから電車で帰宅しました。


「あの道この道 旧中山道 その五」

このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は旧中山道を辿っています。前回までにたどってきた熊谷からは新道である国道17号とクロスしたり一緒になったりしながら進む旧道を辿り、本庄では武蔵と上州の境となる神流川を渡り、上州路に入ります。そして今回は、倉賀野を抜けて高崎へ進み、17号と18号の国道が分かれるところまでとなっています。


「武州街道と八ヶ岳」

これは、大学生の筆者が10月下旬に志賀坂峠、十石峠、麦草峠の旅に出たサイクルツーリング紀行です。筆者は快晴の中自宅を出発し、奥多摩街道を経て青梅を抜け山王峠を越えます。ここからは、名栗川沿い進んで名郷、湯ノ沢、八ヶ原、山伏峠と走って秩父まで早めに着いたので、小鹿野まで足を延ばすことにします。そして小鹿野に到着後、旅館を探して四件目の宿に泊まることにしました。翌日も快晴の中出発し、小鹿野から久月、間明平、赤平、日向と過ぎて志賀坂峠にかかります。峠では写真を撮ったりしてから再出発して、トンネルに入ります。峠を越えてからは浜平温泉まで行きますが、ここでシクロランドナーのワイヤーが切れるトラブルが発生してしまいます。修理を試みますがうまくいかずあきらめ、この日は浜平に宿をとります。翌朝出発しようかという時、昨夜遅くに帰ってた宿の親父が切れたワイヤーをハンダで付けてくれました。この日は十国峠を越え、小海線の羽黒下駅前の旅館に泊まることにしました。翌朝は駅で蒸気機関車を撮影したあと宿を出発、八千穂を抜け、麦草峠に向かいます。5時間ほど登りを走り、途中雪に降られながらも午後2時半麦草峠に辿り着きます。峠では山小屋に寄って休憩したあと下りにかかり、途中から有料道路を走って茅野まで下り、富士見まで行ってから駅前の旅館に投宿します。最終日は180kmの道程を飛ばして走り、夕方無事に家に帰り着きました。


「イタリア通信 メルクス あなたは誰? 」

この文は、イタリア在住の日本人から寄せられたレポートです。今回は、1968年のジロの前までジモンディを目標にしている言われていたが、今や一歩前へ進んだと当時いわれたベルギーの若駒、23歳のエディ・メルクスを取り上げています。


「シクリスム概論 自転車競技の基本」

これは鳥山新一氏の執筆による、自転車レース全般に関して根本的な問題から手掛け、客観的、体系的に整理してまとめ上げようと企画した連載です。第25回からは「第一篇 基礎篇 第6章 運動生理学」となります。今回は「運動生理学的にみたサイクルレース」と題し、運動生理学の重要性、レースに必要な知識、人間とガソリンエンジンとの比較について論じています。


「連載講座 オーダーメイド読本」

このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第19回は「オーダーに必要な予備知識」として、自転車のオーダーに関する考え方について解説しています。今回の内容は、自転車をオーダーする際の寸法決定に関して、横からみる自転車の前後方向と上下方向の広がりと共に、自転車の左右方向への広がりについても考慮すべきであるという事と、その考慮すべき内容について述べています。


「レースの記録」

ここでは、「1968年世界選手権」「日韓交歓競技大会」「第18回オリンピックメキシコ大会」「第3回全日本学生タンデム選手権大会」「第3回全国高校定時制通信制大会」「高石杯第3回関東地域道路競走大会」の競技結果を掲載しています。


「製品ニュース」

こちらは自転車部品・用品や雑貨などを紹介するコーナーです。今回は、島野工業の外装5段フリーの内部に自動二段変速機構を組込んだ「オートマチック5」とストロングライトの新型コッタレスクランク、前田鉄工所の記念品のペンダント等を紹介しています。


「近着外誌」

このコーナーでは海外からの雑誌、書籍などを紹介しています。今回は「バイシクリング12月号」「インターナショナルサイクルスポーツ10月号」等が取り上げられています。また「日米サイクル雑誌の提携活動」として、ニューサイクリング誌とアメリカ唯一のサイクリング雑誌「バイシクリング」が業務および編集の提携が成立、記事や写真その他の部門で相互交流が行われることとなったと案内しています。


「PRコーナー」

このページでは、自転車関連のカタログや書籍等を紹介しています。今回は、サイクル時報社発行の「関東輪界電話番号簿」、「極東製作所カタログ」「ブリヂストンカタログ」を紹介しています。

同ページにはこの他にも「機関誌」のコーナーとして、慶応義塾大学サイクルツーリングクラブの「かたつむり」と、北大阪サイクリングクラブの「わっぱ」、高体連自転車部発行の「全国高校自転車競技年鑑」が掲載されています。そしてもう一つ、「自転車の切手」コーナーでスペインとカンボジアで発行されたメキシコオリンピック記念の切手を紹介しています。


「サイクリング東西南北」

このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は日本サイクリング協会と各地域五つのサイクリングクラブから寄せられたニュースが掲載されています。またこの他にも、京都NCTC主催による第一回クラブラリーの開催報告が掲載されています。


「パニアバッグ」

このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号はウイングナット、ブレーキ、変速機、ダイナモに関する質問などが寄せられています。


「交換案内」

自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は完成車の売りたしが30台近く出ていますが、それに比較すると部品の売りたしや、買いたしのコーナーは少なくなっています。


1969年1月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士ハイフラッシャー・シリーズ」でした。

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