ニューサイクリング 1969年3月号(No.56)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1969年3月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1969年3月号は、通巻56号です。
この号の表紙は「じてんしゃ その20」です。
通巻56号の目次をページ順に追うと、
口絵 早春の房総
口絵 信州・地蔵峠
20 あなたもなれるJCAリーダー・1 JCAのリーダー制度について
22 あなたもなれるJCAリーダー・2 テキストと試験問題の解説
50 あなたもなれるJCAリーダー・3 対談・リーダー制度のあすのサイクリング サイクリストならぜひ知っておきたい基本的な事柄をリーダーテキストから抽出して解説。
58 あの道この道 旧中山道 高崎から横川へ、百合若大臣の伝説を読みながら
60 信州峠と木賊峠 輪行袋を肩に、人影のない峠道をゆく
63 相模川を走る
64 榛名山と軽井沢 おい道がないぞ! びっくりしてそこで野宿と決めこんだ
74 連載第27回 シクリスム概論 筋肉循環器呼吸器の基礎知識。心肺機能の増強にはどうすればよいか
80 連載第21回 オーダーメイド読本 オーダーに必要な工具の知識
84 私のつくった50傑 1968年の選手の個人成績順位
86 東西南北
88 パニアバッグ
95 交換案内
97 代理店名簿
98 代理部だより
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「JCAのリーダー制度発足」
ここでは、1969年度から財団法人日本サイクリング協会が実施し始めた指導者制度について取り上げています。この項ではJCA指導者制度の内容と、一番最初の段階である二級リーダーの検定内容について解説しています。
「あなたもなれるJCAリーダー」
ここでは、1969年度から財団法人日本サイクリング協会が実施し始めた指導者制度について取り上げています。この項では、JCAのリーダーになるための試験問題と解答について説明しています。その内容ですが、第一章の実技編では、実技に伴う行動と知識を実際に行っているか、交通安全・マナー、自転車の点検・整備、乗車姿勢、地図読解力についてみています。第三章の学科篇ではリーダーが初心者を対象に指導する際の考え方や見方についてのペーパーテストです。第二章の指導篇については、本誌の読者にはあまり関係ないということで掲載は省略されています。
「連載対談やあどうも 高田精作氏 JCAリーダー制度とあすのサイクリング」
この連載は、自転車にまつわる様々な話題を話し合う企画です。今回は、当時の日本サイクリング協会専務理事の高田精作氏と今井彬彦編集長による対談です。その話題は、JCAの現状や将来像について。また、新しく制定されたJCAリーダー制度とは何か。そして、JCAはサイクリストやクラブに何を期待しているか等について話を聞いています。
「あの道この道 旧中山道 その六」
このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は旧中山道を辿っています。前回までにたどってきた高崎から烏川を渡り、豊岡、安中、松井田、横川と走って碓氷峠の登りにかかるところまでとなっています。
「信州峠と木賊峠」
これは、アルプス自転車の萩原慎一氏によるサイクリング紀行です。筆者は輪行で訪れた、小海線の信濃川上駅からサイクリングを開始します。舗装路が終わって砂利道になり、まっすぐ行けば十石峠に向かう道を途中で右折して信州峠に向かいます。キャベツ畑を過ぎ、カラマツ林を抜けると電車で隣になった女の子がいたので一緒に峠まで歩きます。峠では暫く静寂を楽しんでから下りはじめ、黒森の集落まで行きます。ここで会った小さな女の子と話をした後再び走り始めます。のんびり歩いたり写真を撮ったりしながら金山まで進み、この日は金山平に泊まろうかとも考えましたが、もう少し足を延ばして増富温泉に宿を取ることにしました。翌日は温泉まで下って来た道を引き返し、木賊峠に向かいます。木賊峠では仕事をしている人にお茶をもらって世間話をしてから先へ進み、観音峠を越えてから獅子平で自転車を輪行バッグに収めてバスで甲府駅へ向かいました。
「サイクリングレポート 相模川を走ってみて」
筆者はかねてからの計画を実行すべく、友人と六本木で待ち合わせをして相模川に向かいます。三軒茶屋、狛江を抜け多摩川のほとりで休憩してから町田、橋本を経由して相模川の河岸に辿り着きます。腹ごしらえをした後は川沿いを走り、帰りは近道をしようと思ったものの道を間違えてかえって時間がかかってしまいましたが、ほぼ予定通りの時間に帰宅することができました。
「榛名山と軽井沢」
高校一年生の筆者は、友人と午前三時に川越街道の英橋で待ち合わせ、榛名湖へ向かって走り始めます。二人は川越、東松山と進み、荒川の河原で朝食をとります。さらに熊谷、高崎、渋川と走り、いよいよ登りにかかります。約20キロの道のりを乗ったり押したりしながら榛名湖のユースホステルに辿り着きました。翌日は朝食後散歩をしてから軽井沢に向けて出発します。当初は杖の神峠を行く予定でしたが霜どけで道が走れず、天神峠を越えることにします。峠を越え、三ノ倉、大沢、本宿、薬師温泉と走って長野原へ向かいますが須賀尾峠を越えて下りにかかると道がありませんでした。あたりはすでに真っ暗だったため、近くの小屋で夜を明かします。翌日は本宿まで道を戻ってから郷原で国道145号に出て長野原の駅前で食事をし、国道146号を走って北軽井沢を経由して何とか軽井沢の宿に辿り着きました。翌朝は雨が降っていたので軽井沢にもう一泊することにして、旧碓氷峠、見晴台、浅間神社などを巡って宿に戻りました。最終日は碓氷峠を下り、横川から高碕までハイペースで走りとおして新町で昼食をとります。そこからは国道17号を熊谷まで走り、ここからは東松山に向かい、川越を過ぎて初日の待ち合わせ場所である英橋から自宅へ帰りました。
「シクリスム概論 自転車競技の基本」
これは鳥山新一氏の執筆による、自転車レース全般に関して根本的な問題から手掛け、客観的、体系的に整理してまとめ上げようと企画した連載です。第27回は「第一篇 基礎篇 第6章 運動生理学」となります。今回は「筋肉、循環器、呼吸器の基礎知識」と題し、前回の筋肉に続いて呼吸器に関し、筋肉活動と酸素の補給、呼吸器の機能について論じています。
「連載講座 オーダーメイド読本」
このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第21回は「オーダーに必要な予備知識」として、自転車のオーダーに関する考え方について解説しています。今回は、自転車に使用する工具について考察しています。
「私のつくった50傑」
ここではニューサイクリング42~54号に掲載された記事を基に読者がまとめた、1968年に日本人が記録した1000mタイムトライアルの上位50人、400m速度競走の上位10人、4000m個人追抜の上位20人を一覧にまとめて掲載しています。
「サイクリング東西南北」
このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は大阪サイクリング協会、都立大学自転車部と六つのサイクリングクラブから寄せられたニュースが掲載されています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は都の競輪廃止に対する意見、「お車拝見」コーナー継続の要望、ユーレースベルトやオープンサイドタイヤに関する質問などが寄せられています。
「交換案内」
自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。今月号は完成車やフレームの売りたしの半数ほどがロード・トラックのレーサーモデルとなっており、競技用車が普及している様子がうかがえます。
1969年3月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士フラッシャーJファイブ」でした。
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