ニューサイクリング 1969年4月号(No.57)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1969年4月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1969年4月号は、通巻57号です。
この号の表紙は「じてんしゃ その21」です。
通巻57号の目次をページ順に追うと、
口絵 ミニサイクルショウ
特集 サイクリングのいろいろな楽しみ
20 山に登る楽しみ 自転車をかついで山に登るサイキチ
22 寸暇を走る楽しみ 忙しくても走るサイキチ
26 仲間と走る楽しみ 2人以上じゃないと走らないサイキチ
29 ふて寝の楽しみ これでも立派なサイキチだから不思議
31 峠を下る楽しみ 70になってもまだ走るサイキチ中のサイキチ
特集 伊豆を走る
34 伊豆の西風 死ぬ思いをさせられた強風下の伊豆西海岸をゆく
44 天城峠国士越鹿路庭峠 まだ残されている伊豆の秘境を行く
48 戸田峠船原峠を越える 転倒しながらも夫に助けられて走る女性サイクリスト
56 ルート紹介 東京から鎌倉への道
58 あの道この道 旧中山道 見返し灯ろうの行く方を追って
66 連載第28回 シクリスム概論 疲労とは何か。疲労と血液の関係を追求する好評連載講座
70 連載第22回 オーダーメイド読本 オーダーメイドと工具
74 軽量車への挑戦 自転車はどこまで軽くできるか。重量0へ挑戦する。
80 外国雑誌から
81 じてんしゃ切手これくしょん
82 新製品メモ
83 じてんしゃコレクション
84 東西南北
86 パニアバッグ
88 代理部だより
94 交換案内
97 代理店名簿
98 へんしゅうこうき
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「山に登る楽しみ」
これは「サイクリングのいろいろな楽しみ」と題した今月の特集で、5人の筆者によるそれぞれのサイクリングの楽しみ方を紹介しています。ひとつ目は、戦前戦後の筆者のサイクリングの思い出と、山登りとサイクリングをあわせた山岳サイクリングを始めたこと、最後には考えるサイクリングについて綴っています。
「寸暇を走る楽しみ」
これは「サイクリングのいろいろな楽しみ」と題した今月の特集で、5人の筆者によるそれぞれのサイクリングの楽しみ方を紹介しています。ふたつ目は、景色とか風物にはあまり気にかけず、走るだけが楽しみであるという筆者。そんな筆者が、半端な時間も利用できるように短距離から長距離まで幾種類かルートのパターンを用意していることと、自身の走り方に関するこだわりを綴っています。
「仲間と走る楽しみ」
これは「サイクリングのいろいろな楽しみ」と題した今月の特集で、5人の筆者によるそれぞれのサイクリングの楽しみ方を紹介しています。三つ目は、グループサイクリングが最も楽しいという筆者が、仲間とサイクリングした時のエピソードを綴っています。
「ふて寝の楽しみ」
これは「サイクリングのいろいろな楽しみ」と題した今月の特集で、5人の筆者によるそれぞれのサイクリングの楽しみ方を紹介しています。四つ目は、筆者の自転車は誰でも使えるので、筆者自身は走っていなくても筆者の自転車は走っているということと、筆者の旅やサイクリングの楽しみ方の要素を綴っています。
「峠を下る楽しみ」
これは「サイクリングのいろいろな楽しみ」と題した今月の特集で、5人の筆者によるそれぞれのサイクリングの楽しみ方を紹介しています。最後は、70歳近くになった筆者は仲間とのサイクリングで登りのあるコースはあきらめなければということを感じます。そこで筆者は下り専門になることを決めたことと、これからの楽しみについて綴っています。
これは今月のふたつ目の特集で、伊豆を走ったサイクリング紀行を集めています。伊豆紀行の一つ目は、死ぬ思いをさせられた強風下の伊豆西海岸をゆくサイクリングです。筆者は12月の終わり近くに都内の自宅を出発します。初日は小金井街道、野猿街道、国道16号、246号と走り、三島から伊豆長岡まで進みます。二日目は下田街道を行って天城峠を越え、河津、下田を過ぎて弓ヶ浜に宿を取ります。三日目は観光船に乗ろうと子浦まで行きますが強風のため船は出ないと聞いたので、山越えで先に進むこととします。途中で出会ったサイクリストともに観光した後に先へ進んでいきますが、雲見から石部に向かう途中で烈風と砂嵐に遭い生命の危険を感じた場面で道ばたの小屋を見つけ難を逃れます。翌日はまだ風の止まぬ中を出発、土肥まで行って旧知の店で情報を仕入れつつ宿を探します。しかし、修善寺、大仁と進んでもなかなか見つからず、田京まで行くこととなりました。最終日は三島から御殿場経由で東京を目指し、12時間ほどで自宅に帰りつきました。
「天城峠・国士越・鹿路庭峠」
これは今月の二つ目の特集で、伊豆を走ったサイクリング紀行を集めています。伊豆紀行の二つ目では、大学生の筆者がクラブ仲間と二人で中伊豆を走っています。筆者は下田駅を出発し、下田有料から河津を抜けて湯ケ野のユースホステルに泊まります。翌日は下田街道を走り、天城峠を越え浄蓮の滝まで一気に降りた後湯ヶ島に向かいます。ここで昼食をとったあとは、国士越えの登りにかかります。国士越えを越えた後は筏場から六路庭峠に向かいますがミスコースをしてしまい、この日は先に進むのをあきらめて原保にあるユースホステルに泊まることとしました。最終日は、原保から冷川を通って鹿路庭峠を目指します。峠を越えてからは一碧湖に寄ってから伊東に向かい、熱海の手前で昼食を取ります。ここからはノンストップで真鶴、小田原、大磯を走り抜け、平塚で寄り道をした後は再びノンストップで品川の自宅まで走り抜けました。
「戸田峠船原峠を越える」
これは今月の二つ目の特集で、伊豆を走ったサイクリング紀行を集めています。伊豆紀行の三つ目では、女性サイクリストが夫と友人の3人でカーサイクリングをして立川から御殿場間を移動し、伊豆をサイクリングしています。初日はクルマで御殿場と三島の境まで行き、同行者の親類宅に泊まります。サイクリング初日は三島から修善寺経由で戸田峠を越えて戸田まで行き、さらに土肥温泉まで走りました。翌日は土肥から船原峠を越えて修善寺に抜け、韮崎から国道を走りながら途中沼津によって三島に戻りました。
「ルート紹介 東京から鎌倉への道」
この記事は鎌倉に住む筆者が、クルマの混雑と排気ガスが渦巻く国道を避けて東京から鎌倉へ向かう新たなルートを紹介しています。ルートは主として中原街道を使用するもので、丸子橋から鎌倉までの40km程を地図とともに案内しています。
「あの道この道 旧中山道 その七」
このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は旧中山道を辿っています。しかし、筆者の都合により前回までにたどってきた横川から先の話ではなく、1月号で触れた神流川の見返し灯ろうの話となっています。
「シクリスム概論 自転車競技の基本」
これは鳥山新一氏の執筆による、自転車レース全般に関して根本的な問題から手掛け、客観的、体系的に整理してまとめ上げようと企画した連載です。第28回は「第一篇 基礎篇 第6章 運動生理学」となります。今回は「筋肉、循環器、呼吸器の基礎知識」と題し、前回からの続きとなる呼吸器の機能について論じています。
「連載講座 オーダーメイド読本」
このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第22回は「オーダーに必要な予備知識」として、自転車のオーダーに関する考え方について解説しています。今回は自転車に使用する工具に関し、前回の一般的なものから変わって専用タイプの工具と携帯工具について考察しています。
「軽量車への挑戦」
この記事は、ケルビムの今野仁氏による軽量車の製作記です。車種はトラックレーサーのパーシューターで完成重量は6,160gとなっています。記事ではフレームの話を中心に、アッセンブルした部品とさらなる軽量化の可能性について記述しています。
「一九六八・サロン・ド・パリ紹介記事から」
ここではルシクル誌に掲載されたダニエル・ルブール氏がイラストを描いている記事ページを紹介しています。
またこのページでは、サイクリングショップトモダが発行している綜合カタログ「ワールドパーツ」を紹介しています。
「じてんしゃ切手これくしょん」
ここではメキシコオリンピックの記念に、トリニダード・ドバゴ、モルディブ、モロッコ、エチオピアで発行された切手を紹介しています。
目次には出ていませんが、このページでは「機関誌」と題して立教大学サイクリスツツーリングクラブの「十年史」と駒澤大学自転車部の「どろよけ」10号と11号を紹介しています。
「新製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回はパールイズミのサイクリングウェア、ソービッツの小型ヘッドランプ等を取り上げています。
「じてんしゃ・コレクション」
ここでは、自転車関連の雑貨・書籍を紹介しています。雑貨類は陶製ペン立てや市川サイクルの記念品として作られただるま自転車が描かれたコップ等、書籍は幼年向き童話「さとるのじてんしゃ」を紹介しています。
「サイクリング東西南北」
このページは、各サイクリング協会並びに各クラブの交換の場所としてニューサイが提供しているページです。今回は各地のサイクリングクラブ5クラブから寄せられたニュースが掲載されています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は当時の中・高校でのドロップハンドル禁止に対する打開策や、パーツに関する質問が寄せられています。
「代理部だより」
このコーナーはサイクル出版代理部扱いの雑誌・書籍などを紹介しています。今月号では外国書籍としてはレースの入門書「ラ・クルス・アン・テート」や「ジモンディの世界」「ジノ・バルタリ物語」を取り上げています。また「サイクリングハンドブック」と「自転車実用便覧」売り切れの告知が掲載されています。
1969年4月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士ハイフラッシャーシリーズ」でした。
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