ニューサイクリング 1970年10月号(No.72)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1970年10月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1970年10月号は、通巻72号です。
この号の表紙は「分解した自転車」です。
通巻72号の目次をページ順に追うと、
口絵 安井杯'70東京都選手権ロードレース
12 特集 サイクルケース(輪行袋)を使う人に サイクリングに新しい分野を開いた輪行袋の使い方、自転車のバラし方、簡単に処理できる方法、扱い方など
ツーリング 峰越林道二題 海抜2,600mを越える奥秩父の中心 金峰・国師の鞍部を行く山岳ツーリング
40 ツーリング 峰越林道二題 峰越・焼山林道 海抜2,600mを越える奥秩父の中心 金峰・国師の鞍部を行く山岳ツーリング
44 ツーリング 峰越林道二題 峰越林道と国師岳 海抜2,600mを越える奥秩父の中心 金峰・国師の鞍部を行く山岳ツーリング
50 ツーリング アドベンチャーサイクリング 北アルプスに挑む 白馬-鹿島槍、立山と北アルプスの中心地に車を持ち込んでのアドベンチャー
56 ツーリング 西原越 関東の最果て落人の部落という数馬から山道を・・・
62 ツーリング 早春の道志七里 僻村道志七里の人と風景はツーリングを愛するサイクリストを魅きつける
66 製品メモ サンツアーV、マジックコンペ、レーサーシューズ、VAR工具、マファックレーサー、特注バー
68 パニアバッグ
72 くらぶ・ぐるーぷ便り
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「特集 サイクルケース(輪行袋)を使う人に」
この記事は、今月号の特集です。この年の春から国鉄の輪行袋の車内持込制度ができ、サイクリングに新しい面が開かれました。そこでここでは自転車輪行のノウハウとして、自転車を分解する手順とやり方、短時間で手間のかからぬアイデア、分解用のスポーツ車ができている、輪行袋に収める方法と持運びなど、という視点でまとめています。また記事の最後には、埼玉県サイクリング協会が示した輪行袋利用の指標を紹介しています。
「峰越林道・二題 峰越・焼山林道」
筆者は、輪行移動してきた信濃川上から大弛峠目指して走り始めます。「峰越林道 川上-牧丘線 祝開通」と書かれた垂れ幕をくぐり、登りにかかります。峠は新しくできた林道だから名前などなく、筆者はそこにある大弛小屋から名を取って大弛峠と名付けてきた峠に着きます。それから小屋を探して一休みし、国師岳に登ってきます。その晩は、管理人や同宿者とともに山小屋で楽しいひと時を過ごしました。翌日は金峰山まで登り、小屋に戻ってきてから走り始めます。壮快な下りを楽しんでから焼山峠を越え、小楢山を登ってから塩山に向けて降りていきました。
「峰越林道・二題 峰越林道と国師ヶ岳」
筆者は前夜の急行で小淵沢移動、駅前の旅館に半白してから朝二番の電車で信濃川上まで来て、ACFの輪友とともに二人で走り始めます。大深山、川端下、廻目平と過ぎ、営林小屋の辺りから傾斜がきつくなり、高度をグングン増していきます。最後のほうは玉砂利がびっしりと敷き詰められた道を自転車を引いて歩きながら峠を越え、その先の大弛小屋に泊まりました。翌日は国師ヶ岳の山頂へ29年ぶりに登り、小屋に戻ってから下りのサイクリングを始めます。しばらくの間は厚い砂利道、先に進むとさらに急角度となる道をやっとの思いで牧平に出ました。ここからのつなぎ目の無い下り勾配の舗装路をスピードを上げて下り、この先は石和まで行ってお風呂で旅の汗を流してから電車に乗って帰ることとしました。
「北アルプスに挑む」
筆者は大阪発の夜行に乗り白馬大池駅まで輪行します。一晩中立ち続けでいた筆者は走り出す前にグロッキーで、駅のベンチで休みます。入山届を出してから栂池に向かい、この日は栂池でキャンプ泊します。翌日は乗鞍岳、小蓮華山、白馬岳と巡ってから天狗小屋まで行って宿泊しました。翌日は天狗岳、不帰嶮、唐松岳と巡ったところで雨が降り出し、唐松小屋で天気の回復を待ちますが止む気配はなく、予定外ですがこの日はここで泊まります。翌日は天気が回復、大黒銅山、丹谷温泉、名剣温泉と走ってこの日は名剣に泊まりました。翌日は関電水平歩道を行き、阿曽原から途中道を間違えながらも仙人湯まで辿り着いて宿泊します。翌日は雪渓を登り、池の平小屋、二股、近藤岩、真砂ロッジ、剣沢雪渓と進んで剣沢小屋に泊まりました。翌日は朝からの雨のなかを剣岳に登り、剣沢小屋まで戻ったあと剣御前小屋に行って宿泊しました。翌日も雨そしてガス・風もあるなか出発、真砂岳、富士ノ折立、大汝山、雄山、室堂、有料道路を通って美女平まで移動。この後は富山駅から輪行で帰宅しました。
「西原越」
この文は、綿貫益弘氏によるサイクリング紀行です。筆者は錆びてよく動かないサンプレの自転車で、檜原村の側から野宿などもしながら数馬から西原峠を越えていきます。ここでは、その道中の様子や土地の話などを交えて綴っています。
「早春の道志七里」
この文は、筆者が仲間とともに月夜野から山伏峠までを結ぶ道志村の道を走った紀行です。道中の月夜野辺りのこと、万屋に寄った話し、宿までの夕暮れから夜の様子などを綴っています。
「新製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、マエダ工業の「サンツアーV新型」、吉貝機械金属のサイドプルブレーキ「マジックコンペ」、アルプス自転車工業の特註ドロップバー、モデルチェンジされたマファックレーサーなどを取り上げています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は輪行袋の利用について、スポルティーフ関係部品についての質問など、他には星尾峠のサイクリングレポートが寄せられています。
「ぐるーぷ くらぶ便り」
ここでは、各地のクラブやグループから届けられた情報を紹介しています。今回はふたつのクラブから情報が寄せられています。またクラブ会誌が六誌紹介されています。
1970年10月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「SS-10 スーパースピード」でした。


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