ニューサイクリング 1970年11月号(No.73)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1970年11月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1970年11月号は、通巻73号です。
この号の表紙は「残照の中で」です。
通巻73号の目次をページ順に追うと、
口絵 レースの写真
10 フィチュア サイクリングクラブのあり方と運営 クラブをどう考えて、どう運営するか。その一つのケースを提供して、今後の足掛かりに。
18 メカニズム '70ツールのメカニズム ツールに出場して良い成績を収めることはメーカーとして最大の目標としているヨーロッパのメカニズム界のあり方だが。
24 メカニズム やさしいメンテナンス フリーホイールの分解と組立 スポーツ車パーツの中で一番厄介なフリーのいじり方。
40 エッセイ インドネシヤ漫談 二年余、現地に滞在した見聞記
44 エッセイ まとまらない話 ツーリングのエッセイ
48 ツーリング紀行 道志の谷
50 ツーリング紀行 秘境・知床半島
54 ツーリング紀行 三陸を走る
58 ツーリング紀行 つる峠を越える
61 ツーリング紀行 伊勢の三つの峠
63 代理部
64 パニアバック
67 交換案内
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「サイクリングクラブのあり方と運営」
この文は、植原郭氏が自身が所属している港サイクリングクラブ(MCC)を例に挙げて、クラブのあり方や運営について述べています。その内容は、始めに筆者の考えるクラブサイクリストとクラブの分類について。その後に港サイクリングクラブの沿革と、クラブ運営についてMCCでの例を紹介しています。そして、最後に筆者の考えるサイクリストについて述べています。
「'70ツールのメカニズム -ル・シクルよりー
この記事は、この年のツール・ド・フランス出場車のメカニズムの数々を掲載したル・シクル誌から抜粋してNC編集部がまとめたものです。記事には、メルクスの70年と69年の自転車についてルブールのイラストで紹介するとともに、フレームスケルトンとパーツ類も紹介しています。他にも、この年のツール上位入賞者の自転車や新製品等をル・シクル誌に掲載されたルブールのイラストとともに掲載しています。
「スポーツ車の調整と修理と手入れのはなし」
この記事は編集部の今井千束氏が、初歩的な段階から一通りいじれるようになるまでのスポーツ車のメンテナンスについて解説しています。今回は「ホイール 4」と題して、フリーの種類と構造および分解・組み立てについて、あわせてフリーのハブからの外し方とスプロケットの外し方について解説しています。
「インドネシヤ漫談 -その生活と風景と自転車とー
この文は、長期出張で2年間インドネシアのボルネオに滞在した筆者による、サイクリスト目線の見聞録です。その内容は、自転車の持込みについてや現地での自転車・サイクリング事情についてです。
「まとまらない話 (二)」
この文は綿貫益弘氏によるもので、8-9月号に続くまとまらない話の2回目です。今回は、木曽の大平峠あたりの話、福井の若狭でのゴハンの話、海辺でのできごとふたつ、日本海の柏崎でのできごとについて書いています。
「VOICE OF CYCLIST 道志」
ここでは道志七里について、筆者がその名の由来を想像するとともにその道のりを行く時の感想や心構えについて述べています。
「日本最後の秘境 「知床」日帰りラン」
この文は、知床半島の日帰りサイクリングをした紀行文です。筆者は旭川から軽四輪で斜里町まで自転車を運び、斜里の駅前からサイクリングを始めます。舗装から砂利になった道を進んで海岸線に出てからは、左側にオホーツク海、右に知床連峰を遠くに見ながら車を進めます。その後宇登呂から知床五湖を巡ると昼近くになったので、引き返して宇登呂、斜里と戻り、クルマに自転車を積んで旭川に帰りました。
「快走南三陸独行」
この文は、仙台に住む浪人生が南三陸のツーリングに出たサイクリング紀行です。筆者は夏休みの帰省に仙台から盛岡まで南三陸を自転車で走ることを決心します。8月半ば、仙台を出発した筆者は塩釜、松島、矢本、河南、河北、十三浜、志津川、本吉と走って気仙沼の旅館に泊まりました。二日目は鹿折川沿いに走って飯森峠を越え、陸前高田、大船渡から羅生峠のトンネルを抜け吉浜、千歳、石塚トンネルと行って釜石市内で旅館を探して泊まりました。翌日は大槌を過ぎてから、工事中でひどい砂利道を吉里吉里、浪板、船越と進み、更に山田、大沢、津軽石、宮古からは国道106号に入り、川井を過ぎて田代にあるヒュッテに泊まりました。最終日は出発してからすぐに区界峠を越え地道のダウンヒルを20キロ近く走ってから盛岡市に入り、三陸旅行を終えました。
「サイクリングレポート 鶴峠を越える」
筆者は午前1時に自宅を出発、国道16号を走り御殿峠を越え八王子から滝山街道に入ります。五日市街道を横切り奥多摩街道へ進み、奥多摩湖を過ぎて鶴峠街道に入ります。地道となった鶴街道を休み休み走り、ようやく峠に辿り着きます。ダウンヒルは悪路と九十九折れの急な坂だったため、慎重に下っていきました。途中でものすごい夕立に会ったので雨宿りをして、小降りになってから出発して上野原まで下りました。この後はペースを上げて甲州街道を走って帰路につきました。
「サイクリングレポート 伊勢路の二つの峠」
筆者は期末テストが終わった春の休日、伊勢へサイクリングに出かけます。伊勢の自宅を出て、棚橋、麻加江、打見と走って藤坂峠を越えます。峠を越えてからは国道260号へ下り、慥柄を経由して能見坂を越えて一之瀬街道を走って帰路につきました。
「交換案内」
自転車や部品の売りたし買いたしのコーナーです。1969年2月号からは掲載申し込みに申込券が必要になりました。当初は申し込み方法変更前と変わらず多数の掲載依頼が届いていましたが、徐々に掲載数が減ってきました。今月号では売りたしと買いたしを合わせても20点に満たない程度の申込数となっています。
※目次では67ページとなっていますが、本文は63ページに掲載されています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は日本の製品と外国製品について、人力飛行機の記事について、自転車の輸送その他について意見が寄せられています。また今月号では読者投稿以外に、「第六回日本自転車デザインコンクール」の告知が掲載されています。第六回の課題は「袋又は容器に収容し携行できる自転車」と「業務や職域に使用される専門機能を具備する自転車」となっています。そしてもう一つの記事として、「女一人の一周ツーリング」と題して全国の過疎化した分教場を廻った女性サイクリストの話を紹介しています。
1970年11月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「ST-10 シャインスター」でした。
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