ニューサイクリング 1973年10月号(No.107)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1973年10月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1973年10月号は、通巻107号です。
この号のグラビアは「ツーリングの印象 甲斐の湖で」「マイパスハンティング 8」「軽井沢から和美峠を下る」「アフリカツーリングから」です。
通巻107号の目次をページ順に追うと、
14 シクリスム エディ・メルクス 3〈その蔭の人々〉
28 シクリスム シクリスムの科学 1〈スポーツ衛生学〉
34 メカニズム 小径輪行車の製作 3〈81Tのギヤ〉
40 ツーリング 雪と氷と自転車 下〈冬の北海道〉
48 アフリカツーリング〈エチオピアにて〉
54 消えてしまった秘境
66 独り言〈乗らないサイクリスト〉
70 世界サイクルデザインコンペ発表
73 製品メモ
74 コレクションメモ
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「エディ・メルクス」
この記事は「彼の生活とレースと自転車」と副題をつけた、当時のエディ・メルクスに関する様々なことを伝える沼勉氏によるレポートの連載です。連載第3回となる今回は「メルクスとレース(その一)」と題して、完全さを求めて限りない追及をするメルクスの様を追っています。そのひとつは、メルクスが不世出の大選手として大成するまでの本人の努力を支えた人物、自転車レースを教えた父親、アマチュア時代のコーチ、マネージャー、メルクスの奥さんの4人を挙げ、その人物像とメルクスとのエピソードを紹介しています。もうひとつはレースマンとしてのメルクスを分析した筆者による、メルクスに対する印象を10項目挙げてその内容を解説しています。
「シクリスムの科学」
この記事は、イタリア自転車連盟のスポーツ学校が1972年に発行した「CYCLING」の英訳版の抄訳を掲載しています。今回は「第一部 サイクリングとその科学」から第二章の「スポーツ衛生学」を取り上げています。
「輪行サイクリングを目的とした自転車の製作手記 3」
この文は当時千葉大のサイクリングクラブに所属していた筆者による小径輪行車製作記の連載です。連載3回目となる今回は、筆者がジュラルミンの板から81Tのチェーンリングを自作した過程を写真も交えて説明しています。
「雪と氷と自転車」
この紀行文は、筆者が日本各地を巡るなかから真冬の北海道ツーリングの様子を綴っています。筆者は前回到着した大沼で1日を過ごし、翌日から森町、八雲、国縫と吹雪の中を走って長万部の駅近くに宿を取ります。次の日は小雪の降るなかを出発、虻田、伊達と走って苫小牧で昼食。凍った道、ガードに詰まった雪や氷ついたフリーに苦労しながらこの日はウトナイ湖まで進んで休みます。翌日は各部が凍り付いて動かない中を新冠まで走行、道中では走り続けていると手指が温まり、軍手のみでも凍傷にならずに走れることを知ります。翌日は風が強まってくる中を走り襟裳まで行ったところでツーリングのレポートは終わり、最後に北海道ツーリングの総括を綴って終わっています。
「アフリカ自転車旅行レポート 4」
この文は、アフリカでサイクルツーリングをしている大学生から送られてきた旅のレポートを紹介している連載です。今回は「第二部 エチオピアにて」と題し、エチオピアでのエピソードを伝えています。空路エチオピアに入った筆者の旅は、先に送った荷物が届いていないというトラブルからスタートします。数日してようやく荷物を手にした筆者はエチオピアツーリングをスタート、道中での出来事として泥棒によくあうこと、昼にシャイ店に入ることが楽しみになったこと、アムハラ語の勉強のことなどを書いてきています。
「消えてしまった秘境(承前)」
この紀行は、かつて秘境といわれた奥只見と、当時若人に絶大な人気を博していた尾瀬を走ったサイクリングレポートです。筆者は前回のレポートで休憩に入った山荘を出発、尾瀬沼、檜枝岐、田島、羽鳥湖と走りますが、沼山峠までの道やかつての秘境桧枝岐が変貌してしまったことや宿泊を申し込んだ山小屋の応対に幻滅を感じてしまいます。そして、羽鳥湖から白河へと下って帰路に着きました。
「柚ノ木峠考」
ここでは柚ノ木峠を考えるとして、前回の「柚ノ木」という言葉の考察に続いて実際の「柚ノ木峠」に当てはめて、その解釈について考察しています。
「シリーズエッセイ 自転車に乗らないサイクリスト」
ここでは「サイクリングと言えるとか、言えない」は別として、筆者が自転車に乗らない楽しさのようなものを綴るエッセイです。今回は「独り言4」という題で、8月号に続く鹿児島でのサイクリングの話を中心に綴っています。
「世界サイクルデザインコンペティション」
この記事では、日本で開催された国際的デザインコンペ、全世界28ヶ国から240点の応募の中から選ばれた入賞作7点を紹介しています。
「製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、藤田サドルのバッファロー皮を使ったヌバックのシームレスサドル、他を取り上げています。
「COLLECTION」
このコーナーでは、自転車に関する雑貨類を紹介しています。今回は、自転車をあしらったニット製品とスカーフ、赤道ギニアで発行された第59回ツール・ド・フランスを図柄にした切手7種セット、だるま自転車のバッヂ等を紹介しています。
1973年10月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「BS-27」でした。
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