ニューサイクリング 1973年6月号(No.103)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1973年6月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1973年6月号は、通巻103号です。
この号のグラビアは「マイパスハンティング 4」「カメラスケッチ 志摩」です。
通巻103号の目次をページ順に追うと、
12 特集 夏にすすめるツーリングコース 15
28 エッセイ ヨーロッパ=車界探訪 7 ベルギー、ドイツの巻
44 メカニズム ルネルス・新着2車種を見る
54 ツーリング イギリス・ヨークシャーサイクリング
60 ツーリング 辺境を結ぶ西原峠
64 ツーリング 霧の中の鶴峠
68 エッセイ 独り言〈自転車に乗らないサイクリスト〉
72 製品メモ 〈VAR工具各種〉
75 コレクションメモ
76 メカニズム ミヤタMXシリーズ新車
77 メカニズム 丸紅ベニックスシリーズ新車
78 お便りから
80 本誌取扱店名簿
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「特集 夏にすすめるツーリングコース 15」
この記事は、今月号の特集です。ここで紹介する記事はモデルコースやコースガイドではなく、この夏のツーリングプランを考える時のアイデアであり、参考にしてここから自分なりに発展させてほしいとの意図から企画されたものです。今回アイデアとして挙げられている15コースの表題を紹介すると「南アルプスの真ん中を横切る二つの林道〈野呂川・スーパー林道〉」「三〇キロにも及ぶ豪快なダウンヒルを楽しむ〈新野峠・大入川渓谷〉」「巨大な人造湖と山また山の中の温泉、そして林道〈銀山湖・木賊温泉〉」「赤石山脈の主峰を目前にするすばらしい展望の峠〈転付峠(でんつくとうげ)〉」「知られていない穴場、房総の起伏に富んだ、内陸方面〈三島、豊英ダム方面〉」「展望の良い下りを楽しみ、古い街道の風物を味わう〈郡上街道(ぐじょうかいどう)〉」「森と湖、そして高山植物咲き乱れるスカイライン〈大河原・麦草峠〉」「山奥にある高原の人造湖と、古い街道の宿場町〈羽鳥湖・大川スカイライン〉」「広々とした高原の散歩と雄大な斜面のダウンヒル〈乙見山峠(おとみやまとうげ)〉」「完全舗装の山岳道路の豪快なダウンヒルと展望を〈志賀高原スカイライン〉」「野猿の生態と不思議に明るい花いっぱいの風景〈伊豆・波勝崎〉」「八つ岳を越える二三〇〇Mの峠とそのダウンヒル〈夏沢峠・本沢温泉〉」「落葉松林の林道と湿原に咲くアヤメの高原を〈湯ノ丸林道・池の平〉」「忘れられた街道にある辺境の部落をつなぐ峠〈秋葉街道〉」「ツーリングのメッカになった高原の人情と風物〈開田(かいだ)高原〉」となっています。
「車界探訪」
この文は「ヨーロッパ各地気まま旅行記」と副題をつけた、当時の杉野鉄工社長の杉野安氏による見聞記です。今回は、「ドイツからベルギーへ」と題し、ドイツでNSU社とハンス・シャーフ社を訪れて工場見学をした時の様子を。その後クルマでベルギーへ移動し、ブリュッセルで過ごした時の様子とスーペリア社、フランドリア社、ケッセル社のことなどを綴っています。
「René HERSE 新着の2車種、タンデム(シャントルー)、700Cランドナーを見る。」
この記事では、東京サイクリングセンターがオーダーして入荷してきたルネ・エルスの2台を編集部が取材し、タンデム、ソロそれぞれを各部の写真とともに紹介しています。
「CYCLING IN ENGLAND〈イギリスサイクリングから〉ヨークシャを中心として」
これは、渡英後に自転車に興味を持ってサイクリングを始めた日本人女性による、イングランドのヨークシャー地方を走ったサイクリング紀行です。筆者は筆者の住むヨークシャ南部の町ドンカスターから週末ごとに日帰りで訪れたり、数日間のツーリングをした時のヨークシャ地方各地の様子を色々と紹介しています。
「西原峠、甲武国境の辺境の部落を結ぶ忘れられたような山道」
筆者は朝、小平の自宅を出発し甲州街道を走って上野原町の郷原から峠の登りにかかります。とっつきから胸突き八丁の坂を押し上げていき、少し行っては休むことを繰り返しながら進んでいきます。やがて行く手の上方に尾根が見え始め、ようやく西原峠に辿り着きます。峠からの下りは鬱蒼とした木立の中を快調に走りますが、やがて岩や石がゴロゴロして乗れないような道になり、檜原村の数馬に着く頃には日が山影に隠れていました。その後は小さな食堂があったのでそこへ入り、食事をしたり食堂の女将と話をしているうちに夕暮れが迫ってきたので帰路につくこととしました。
「霧の中の鶴峠」
筆者は電車に乗って奥多摩駅まで輪行、自転車を組み立てて走り始めますが雨が降ってきます。いくつか抜けたトンネルの最後を出たところにレストハウスがあったので雨宿り。雨が上がったので店を出て快調に走り始めます。やがて橋を渡って湖を離れると地道に変わり、慎重に走ります。道はやがて峠への急な登りになり、霧にかすんだ道を押し上げて進みます。やがて少し広いところに出たので辺りを見回すと鶴峠の看板を見つけます。ここで食事と休憩を取り、雨に濡れた地道のダウンヒルを慎重に走り上野原まで来ましたが、再び雨が降り出したので藤野で雨宿りします。ここでサンドイッチを食べながら雨が止むのを待ちますが一向にやむ気配はありません。地図を広げてこれからのことを検討しますが、和田峠はあきらめて家路につくことにしました。
「シリーズエッセイ 自転車に乗らないサイクリスト」
ここでは「サイクリングと言えるとか、言えない」は別として、筆者が自転車に乗らない楽しさのようなものを綴るエッセイです。今回は「独り言1」という題で、筆者が自転車を始めたきっかけとその後の自転車趣味について。そして返還前の沖縄サイクリングをした時のことを綴っています。
「製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、ドロヨケの穴あけ、仮組用のニップル回し等、VARの各種工具を取り上げています。
「コレクションメモ」
このコーナーでは、自転車に関する雑貨類を紹介しています。今回は、だるま自転車のレース100年史を描いた飾り皿、ロードレーサー・婦人車・タンデムなどを模様にしたイタリア製のネクタイ、アルバニアの切手、ミュンヘンオリンピックの自転車レースと杉野鉄工所のポスターを紹介しています。
「エディ・メルクスブランドのスポーツ車 ミヤタMXシリーズ」
この記事では、エディ・メルクスと契約を交わし、そのアドバイスによって本格的スポーツ車メルクスシリーズ(MX)として構想されている13車種のラインアップを紹介しています。あわせて、メルクス選手の主な戦績も紹介しています。
「山口ベニーサイクル ベニックスシリーズ新車」
この記事では、マスプロメーカーとして純粋のスポーツ車タイプのものを前年に発表して、マスプロメーカー間に一つの波紋を投じた丸紅山口自転車が発表した新車9車種の概要と5車種の写真を紹介しています。
「お便りから」
このコーナーは読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、自転車の部品とオーダーに関する意見とメカニズムの知識に関する編集部への要望、それぞれに対する編集部からの回答が掲載されています。
「本誌特約取扱スポーツ車販売店」
ここにはニューサイクリング誌を取り扱っている自転車店の店名と住所・電話番号を掲載しています。今月号は北海道から沖縄まで20都道府県の74店が紹介されています。
※この号ではページが左右逆に掲載されています。
1973年6月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「BS-27」でした。
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