ニューサイクリング 1973年8月号(No.105)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1973年8月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1973年8月号は、通巻105号です。

この号のグラビアは「冬の林道の想い出から〔椿井峠〕」「マイパスハンティング 6」「西会津街道を行く」です。

通巻105号の目次をページ順に追うと、

12 特集 ヨーロッパ各国の完成車を見る カタログによる欧州各国9社の自転車

22 エッセイ エディ・メルクス・2〈彼の自転車について〉

38 '73ジロディタリヤ

44 テクニーク 輪行を目的とした自転車の製作記

48 エッセイ 独り言3〈自転車に乗らないサイクリスト〉

54 エッセイ 続まとまらない話

61 エッセイ 峠のモノローグ

62 ツーリング 八ヶ岳の裾野を行く

68 ツーリング 海と山と小さなトンネル

74 ツーリング カメラルポ 旧大内宿

76 映画紹介 クレージーボーイ大作戦

77 お便りから

78 新刊紹介 自転車の一世紀

79 コレクションメモ・製品メモ

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「ヨーロッパのスポーツ車を見る 五ヶ国・9社のカタログから」

当時の日本の自転車生産は900万台を突破するとみられていましたが、その主流はアクセサリー過多の子供用自転車やミニサイクルでした。そのようななか、我が方の自転車には走るためのものしかついていませんというキャッチフレーズでフランス車の宣伝が登場しました。そこで編集部では、ヨーロッパ各国のメーカー9社のカタログによるスポーツ車研究をしてみようという目的でこの企画を特集しています。取り上げているメーカーは、イタリアのキオルダ、ベルギーのケッセルとスーペリヤ、オランダのバタバス、フランスのジタンとメルシェとプジョーとモトベカン、イギリスのラレーとなっています。


「エディ・メルクス」

この記事は「彼の生活とレースと自転車」と副題をつけた、当時のエディ・メルクスに関する様々なことを伝える沼勉氏によるレポートの連載です。連載第2回となる今回は「メルクスの自転車」と題して、メルクスの乗った自転車にまつわる話題を紹介しています。ひとつ目は、当時の自転車の軽量化はメルクスがきっかけになったという事。ふたつ目は自転車について、1969年から1972年各年のツールに優勝した車のイラストやフレームスケルトンの図を用いてメルクスの乗った自転車の変遷とそれにかかわった人々について述べています。三つ目はメルクスの宣伝媒体としての価値、そして自転車開発のアドバイザーとしての価値について言及しています。


「'73ジロ〈イタリア一周〉の記録から」

これは第56回ジロ・デ・イタリアのレースレポートです。レポートでは、主なステージのレース展開や総合順位のトップ10を伝えています。


「輪行サイクリングを目的とした自転車の製作手記」

この文は当時千葉大のサイクリングクラブに所属していた筆者による小径輪行車製作記の連載です。連載第1回目となる今回は、始めはアルプスのクイックエースに触発されて輪行車を自作したものの使っているうちに不満が出てきたこと、さらにその自転車が部室の火事によって失われてしまったことを報告。そしてそれをきっかけに、新学期からの工芸実習で小径の輪行車を作ることとなったことを綴っています。


「シリーズエッセイ 自転車に乗らないサイクリスト」

ここでは「サイクリングと言えるとか、言えない」は別として、筆者が自転車に乗らない楽しさのようなものを綴るエッセイです。今回は「独り言3」という題で、筆者が鹿児島でのサイクリングのことをこれから長旅をする人に知っておいてもらいたい小さなことをいくつか交えながら綴っています。


「続まとまらない話」

この文は綿貫益弘氏によるもので、1970年から1972年にかけて連載された「まとまらない話」の続編です。今回は、三月近く医者通いした男が久しぶりに自転車を乗りに出かけてきた話、峠の専門家であるマッチポンプ氏の話、春先からのアレルギーで出かけられないポンプ氏の話、ポンプ氏が意を決する話について書いています。


「峠越えのモノローグ」

この文はまわりに呆れられたり自分でも苦しい思いをしながらも峠行をやめられない筆者がその心情を独り言ちるショートエッセイです。


「八ヶ岳の裾野を行く」

筆者は仲間とともに4人で、夜汽車に乗って茅野まで輪行します。途中から降り出した雨は駅を降りてもやんでおらず、当初の予定を変更して朝食をゆっくりと取ってから出発しました。途中から止んでいた雨が再び降り始めてそれが本降りとなったため、雨宿りをします。昼を過ぎた頃には天気が回復してきたので再出発、富士見方面へ下ってから八ヶ岳の麓を進み甲斐小泉まで進みました。翌日は暑い日差しとなるなかを出発、清里から野辺山へ進み、さらに三国峠を越えて秩父の町へ下っていきました。


「海と山と、小さなトンネル」

筆者一行の5人は湯浅駅まで輪行し、自転車を組み立ててから西に向かって海沿いを走り始めます。トンネルをひとつ越えて千田の町を抜け、古江見、中御堂を経由し小さなトンネルを通って逢井まで行ってから中御堂へ戻ります。ここから宮前、矢櫃と走って昼休みとします。休憩後は辰ヶ浜へ出てから有田川沿いに上流へ向かって車を進めます。そして田殿橋あたりから峠路へ入り、田角、引尾を通って加茂郷の駅まで下り、自転車を袋に収めて車中の人となりました。


「カメラルポ 旧大内宿」

これは、晩秋の頃に郡山から会津方面をグルッとサイクリングした時の様子を伝えるフォトエッセイです。


「映画紹介 クレージーボーイ金メダル大作戦」

このページではパリで大評判を読んだという、自転車競技でおかしな4人組が大活躍する活劇タッチのフランス喜劇の映画を紹介しています。


「お便りから」

このコーナーは読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、オーダーメイドに対する意見と、NC誌の誌面製作に対する感想が寄せられています。


「自転車の一世紀」

このページでは、自転車産業振興協会編集による日本の自転車産業の100年史をまとめた書籍を紹介しています。


「コレクションメモ」

このコーナーでは、自転車に関する雑貨類を紹介しています。今回は、だるま自転車とドミフォン用自転車を裏表にあしらったキーホルダー、自転車柄のシャツとパンタロン、一輪車のブローチ等を紹介しています。


「製品ニュース」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、ツーリング専用の靴と鍵穴の無いキーを取り上げています。


1973年8月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「BS-27」でした。

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