ニューサイクリング 1976年3月号(No.136)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1976年3月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1976年3月号は、通巻136号です。

この号のグラビアは「安房の海辺に故地くころ」「十石峠」です。

通巻136号の目次をページ順に追うと、

18 旅 座談会 旅の楽しみ

26 旅 特集紀行 丹後半島

32 旅 特集紀行 やはり林道趣味

38 連載 路傍の文化財

40 レース イタリアの自転車競技

60 ルネ・エルスオーダー始末記

66 実験データは信頼できるか

72 レース 古田治久氏からのヨーロッパ便り

82 AITラリーについて

86 エッセイ 冬と私とサイクリング

87 エッセイ 若い人の傾向

88 製品MEMO

90 ライディングコンペティション

91 VELO SPOT

92 LETTER TO EDITOR

96 編集後記

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「特集座談会 ツーリングの楽しみ」

この記事は旅をテーマにした3月号の特集のひとつで、今井編集長司会のもと、サイクリングクラブ員5名による座談会の記録です。その話題は各自が考えるツーリングの目的や楽しみ方、またこの頃から出始めていたチューブラーでツーリングをする傾向に対する意見も交わしています。


「丹後半島」

この記事は旅をテーマにした3月号の特集紀行のひとつです。筆者は、輪行移動してきた福知山から走り始め不甲峠を越えて天橋立、日置、里波見、長江、平田、新井、泊、本庄宇治、蒲入、間人、網野、三原峠、城崎と巡って豊岡駅まで走った様子を綴っています。


「やはり林道趣味・・・」

この記事は旅をテーマにした3月号の特集紀行のひとつです。「黒尊スーパー林道に寄せて」と副題をつけたように、筆者は四国初のスーパー林道を走って、残された自然と林道の為に自然が部分的に破壊された現実との間で感じたことを綴っています。


「路傍の文化財20」

この文は、筆者が路傍の文化財を紹介していく企画記事の連載です。今回は「地神塔」と題して、十二天神の中に入る地の神の信仰に基づいて造立された塔の成り立ちと、三多摩地区で見られる地神塔を三つ紹介してます。


「イタリアの自転車競技 その語るべき種々」

この文は、当時スギノレーシングチームに所属していた長義和選手が、アマチュア自転車競技者として自己の競技力向上図る目的で、半年ほどイタリアに滞在していた時の様子を伝えるレポートの連載です。今回はイタリアでの競技会のこと、クロカン、ピスト、ロードと1年を通じて行われる見当もつかないというほどの開催数について、余暇としての自転車レースが市民へのサービスとして行われていることとそこへ家族ぐるみで参加していること、そのレース開催の為の交通規制の方法について伝えています。また筆者が競技者生活を送るにあたって自転車整備、試合手続き、試合参加とその後始末、さらにマッサージや食事、医薬品に関することまで様々なサポートを行っていた長澤義明氏と、長澤氏が仕事の都合でレース場への送り迎えができないときに助けてくれた「ニーノおじさん」と筆者が呼んでいたクラブの後援会員の方を紹介するとともに感謝の念を伝えています。そして最後には語っておくべきとして、「TIPO PISTA」という街中の道路で行われるピスト種目のレースを紹介しています。


「ルネ・エルスオーダー始末記」

この記事は花田尊文氏がフランスを訪れてからルネ・エルスを手に入れるまでの顛末を伝えるレポートの連載です。今回は、筆者が欧州旅行の際にパリにも滞在したのでエルスの店を訪ねたがリリィに門前払いでオーダーを受けてもらえなかったこと。帰国後にパリ駐在の商社の人を介して2台分のオーダーシートを送ったこと。その後何の連絡もなかったが、突然の国際電報で注文した自転車が2台とも出来たと連絡がきたこと。そしていよいよ注文したランドヌールとクルスルートを受け取って梱包を解いたところまでを伝えています。


「実験データはどの程度信頼できるか」

この記事では、読者が実験データを判断するための参考になればという意図で、実験や試験についてある程度の基本的考え方と2・3の手法を紹介しています。


「古田治久氏からのヨーロッパ便り」

この記事は、シマノフランドリアチームのメカニックおよびリポーターとして渡欧していた古田治久氏が、ヨーロッパレース界の話を会社および長谷部雅幸氏に送った便りを紹介したものです。その内容はレースの印象として、ヨーロッパにおけるプロレースの人気ぶりをうかがわせるエピソード、選手に求められるオールラウンドな力、選手達のプロとしてスポンサーを意識した行動等を伝えています。他には古田氏の仕事であるメカニシャンとしての、レース中およびレース外での仕事内容についても綴ってきています。最後にはマジー、チネリ、コルナゴ、デローザの納期情報やアディダスのシューズもなかなか見る機会がないとの情報も送ってきています。


「AITラリーについて」

この記事はTCJ(ツーリングクラブオブジャパン)に所属する筆者が、AIT(Alliance International de Tourisme)の主催するサイクリングイベントを紹介しています。あわせて、TCJが計画しているAITラリー参加を目的としたサイクリング旅行についても紹介しています。


目次にはありませんが、84ページからは「CINELLI レコードステムを使ってみて」と題する、NC誌129号の「製品MEMO」で紹介されたチネリの新型ステムを実際に使用してみた読者からのレポートが掲載されています。


「冬と私とサイクリング」

この文は福井に住む筆者による、福井での冬のサイクリング趣味の過ごし方を綴ったショートエッセイです。


「若い人の傾向」

この記事はクラブに所属する筆者が、クラブの20歳前後の若い人から聞くニューサイに対する色々な意見を伝えています。


「製品MEMO」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、吉貝機械金属の片効き防止用のガイドピンをつけた新型ダイヤコンペセンタープルブレーキ、ゼウスのサドル「ARIUS」「GRAN CARRERA」とフレームポンプ「HETA SPORTS」等を取り上げています。


「スポルティーフによる ライディングコンペティション」

この記事は上智大学自転車部による、同部が主催して4月に富士山を一周するライディングコンペの開催告知です。


「VÉLO SPOT」

このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「道楽ということ」と題し、2月号の「アダルトの世界を作ろう」の筆者に対する返答として、「もう一つの道楽」の企画意図と編集長の考える道楽の意味について述べています。


「LETTER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、ソロツーリングの思い出、都内を走って感じたこと、ルネルスに関する情報の発信要望が寄せられています。


1976年3月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル工業「ユーラシア」でした。

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