ニューサイクリング 1976年8月号(No.141)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1976年8月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1976年8月号は、通巻141号です。

この号のカラー口絵は「'75 世界選手権から」、グラビアは「第5回クラブ対抗自転車競技大会」「柳沢峠」です。

通巻141号の目次をページ順に追うと、

18 沼勉氏に聞く 近代レーサーの傾向

30 レース 私のジロ観戦記

38 【連載】 神のよる木(5)

40 旅 名松線と今井林道

44 桜の園

46 メカニズム 軽量化の行きつく先は

64 旅 霧ガ峰の高原道路

68 メカニズム 我が国のプロ選手の自転車

76 メカニズム ひと目でわかるギヤ比計算図表を作ろう ある親子の会話から

91 バーとステムの寸法

96 PHOTO GUIDE 塩の道

98 製品メモ

102 えっせい

104 この月の表紙

105 VELO SPOT

106 LETTER TO EDITOR

109 会報すくらっぷ

112 REAR LAMP

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「近代レーサーの傾向」

この記事はスビート化されるヨーロッパプロレース界で使用されている自転車の特長を分析しようと、編集部が沼勉氏に行ったインタビューをまとめたものです。冒頭では当時沼氏が勤めていた宮田の自転車がパリルーベを完走した、そのいきさつについて語っています。本題に入っては、まずイタリアのハンドクラフトメーカーやマスプロメーカーの状況に触れています。次にレーサーの進化について、軽量化、高剛性化、高回転の維持、ヘッドアングル、個性化、フロントセンターといった視点で当時の傾向を語っています。


「私のジロ観戦記」

この記事はイタリア生活を始めて三か月となる宮沢清明氏による、第59回ジロ・デ・イタリアの観戦レポートです。レポートは最後の二日間、ベルガモとミラノでのレースの様子とレース前の街の様子などを伝えています。


「神のよる木(その5) やなぎ」

この記事は実例を紹介しながら、木・石・水を媒体として人と自然のコミュニケーションについて考えていこうという企画の連載です。今回は冒頭で「野ざらし」という小咄を紹介し、水辺に人骨が散らばっていても不思議ではない時代があったことを抜きにしては語れないとして、やなぎを取り上げています。そして、やなぎの語源に関する二つの説を紹介するとともに、やなぎの木は古くは祖霊の憑り来る木であったはずとの考えを述べています。


「名松線と今井林道」

この文は、筆者が阿漕駅から松阪駅、ここで名松線に乗り換えて伊勢奥津駅まで輪行。ここから走り始めて今井経由で椿井峠までの道中を、写真に加えて路線も含めた地図と名松線の停車場一覧を掲載して綴るサイクリングレポートです。


「桜の園」

この文は、当時NHKで放送されていたドラマの舞台となった武田尾への道として名塩から入っていくルートを案内する、ルートガイド的サイクリングエッセイです。


「軽量化の行きつく先は」

この記事は「10ミリピッチストーリー」と題した、当時シマノレーシングチームの監督を務めていた筆者による軽量化に関する考察です。前半では、自転車部品の軽量化に関する手法と結果の因果関係について考察するとともに、当時のイタリア式軽量化手法はプロの技術屋から見て違和感を覚えたことを伝えています。後半ではシマノのデュラエース10の開発ストーリー、そしてトラックの短距離種目における効果とその要因についての考察を述べています。


「霧ガ峰の高原道路」

この文は、筆者が本格的な夏の季節に上諏訪をスタートして霧が峰から蓼科へ走った時のことを綴ったサイクリングエッセイです。


「我が国のプロ選手の自転車 その2」

この記事は今野義氏による執筆で、競輪レーサーの自転車を取り上げて特にフレームに関して深掘りしています。今回は前半で前回に引き続いて阿部良二選手のフレーム関連、シートアングルの決定やバックの剛性、特製ステムなど使用部品に関することを述べています。後半では加藤善行選手のロードレーサーを取り上げ、フレームの設計・製作過程を解説しています。


「ひと目でわかるギヤ比計算図表を作ろう ある親子の会話から」

この記事は筆者親子のギアレシオに関する会話を、ノモグラムを用いながら、その内容を目で見てわかるように書き起こした説明文です。


「自転車部品の互換・寸法(2) ハンドルバーとステムの寸法」

この記事は編集部による、自転車部品の互換の問題について実際に現物を見たり測ったりしながら解説していく、不定期連載です。今回は、ハンドルバーとステムを取り上げています。前半ではステムとハンドルバーの日本、イタリア、フランスにおける規格の話。そして、互換の問題となるクランプ部の径とステアリングコラムの径について述べています。記事の最後には、ステム12メーカー18銘柄およびハンドルバー10メーカー20銘柄の実測データの一覧表を掲載しています。


「PHOTO GUIDE 塩の道 千国街道」

この記事は、南小谷から千国街道を走って信濃森上へ至るコースを写真とともに案内するフォトガイドです。


「製品MEMO」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、CLBの新型ブレーキ「プロフェッショナル」、ストロングライトのBB小物「コンペティション」、カンパニョロのスロット部を短くした新型エンド、VIVAのカラーアウターとバーテープ、アルプス自転車工業のハンドルバーに固定しないフロントバッグ等を取り上げています。


「えっせい」

ここでは、読者から募集したエッセイを紹介しています。今回は「650Bの味」と題した、650Bの乗り味はツーリングの味だとの思いを綴った話。そして、「カンパニョロのナッツクラッカー」と題した、カンパニョロのナッツクラッカーを手に入れた時の感激を綴った話です。


「この月の表紙」

このコーナーでは、その月のNC誌の表紙について説明しています。今回は表紙に使われている自転車、ロッシンのモデルモントリオールの各部を写真で紹介しています。


「VÉLO SPOT」

このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「サイクリングの文章(承前)」と題して前回に引き続いて文章について、今回はえっせいについて取り上げています。ここでは編集長の考えるフランス的解釈も取り入れたニューサイ的えっせいの定義と、そこに期待することを綴っています。


「LETTER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は、フロントキャリア取付ダボのアイデア、ニューサイ縮刷版発行の要望、自転車の図面などが寄せられています。


「会報すくらっぷ」

このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は港サイクリングクラブ、北大阪サイクリングクラブ、ペンギンサイクリングクラブ、名古屋サイクルフレンズ、サイクリングクラブペケandポチの各クラブから会報情報が寄せられています。


1976年8月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ダイヤモンドシリーズ」でした。

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