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6月, 2022の投稿を表示しています

スペシャルメイドサイクル総覧

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 本日の1冊 今回は「スペシャルメイドサイクル総覧」を取り上げます。 「スペシャルメイドサイクル総覧」は、ニューサイクリング誌の1979年5月臨時増刊号として発行されました。 掲載台数は300台近くになります。モノクロの横1枚に簡単な解説文付きが基本で、一部の自転車は工作など細部のアップも掲載されています。巻頭のカラーページでは、「内外のスペシャルモデルたち」と題してルネルス、サンジェ、デ・ローザ、ロッシン、BS、ミヤタなどのランドナーやレーサーが紹介されています。 総覧の掲載車は全て個人所有のものですが、その所有者は一般の個人にとどまらず、競輪選手や芸能人、業界関係者など様々です。最近の紙面には登場しない、同書のみでしか見ることのできない自転車が大多数を占めているのではないかと思います。 現在のようにネットで様々なスポーツ車を閲覧できることができなかったこの時代は、「スペシャルメイドサイクル総覧」のようなスポーツ車を一覧できる本は非常に価値があったことでしょう。それは現在においても、おそらくネットにはほとんど登場していないと思われる自転車ばかり掲載されているという点では、貴重性にあまり変わりはないでしょう。1970年代のスペシャルといわれるスポーツ車に興味がある愛好家には、今でも手元に置いておきたい1冊となっていることでしょう。

旅する自転車 ランドナー&スポルティーフの本

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 本日の1冊 今回は「旅する自転車 ランドナー&スポルティーフの本」を取り上げます。 同書は枻出版が発行する、主にスチールフレームを使用したランドナー系自転車を取り上げているムック本で、2015年に発行されています。そして、「旅する自転車の本」が2009年に発行されて以来のスチールフレームランドナー本の一連のシリーズの一つといってよいでしょう。 「旅する自転車 ランドナー&スポルティーフの本」では、特集としてショップオリジナルランドナーが12台紹介されています。各ショップの完成車が取り上げられていますが、見方を変えれば、これらのショップはランドナーを得意としているわけですからランドナーパーツやそのノウハウにも長けたショップであるといえます。 その他、紙面では「スポルティーフの定義」やレストア記事、フレームオーダー時のジオメトリー設計のコツ、ランドナー系パーツカタログ等が掲載されています。 現在でもランドナー系はロード等に比べるとジャンル的にはマイナーな部類に入ると思います。ショップやパーツ類の情報、特にカーボンにはないフレームのオーダー製作に関するノウハウは同書のようなランドナー系の書籍でないと手に入らないと思います。 「旅する自転車 ランドナー&スポルティーフの本」はスチールフレームやランドナーをより楽しむために必要な情報が満載された1冊といえるでしょう。

スズキとともに

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 本日の1冊 今回は「スズキとともに」を取り上げます。 同書は歴史写真集と称して、2002年にスズキから発行された社史といえる書籍です。 歴史写真集と謳うように、520枚の写真により織機メーカーとして創業してからの歴史がつづられています。写真は鈴木社内に残されていたもののほか、従業員や先輩社員の提供によるものも多くあるようです。写真にはそれぞれに説明が加えられているのですが、提供写真には提供者の名前、また説明文にも写真に写っている方の名前が記載されているのが特徴的です。これは、主たる読者が社員とその関係者を想定していてのことでしょう。 「スズキとともに」は、写真でつづる社史といえると思いますが、社内で編集発行され、一般販売はされていないようです。それゆえに出版メディアに残っていない資料的に価値のある貴重な写真もあるのではないかと思います。 スズキファン、また自動車の歴史を研究されている方には歴史資料として貴重な1冊になるのではないでしょうか。

Mr. HONDA Forever

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 本日の1冊 今回は「Mr. HONDA Forever」を取り上げます。 「Mr. HONDA Forever」は、本田技研工業の社内報「ポールポジション」の特別号として1991年に発行された本田宗一郎氏の追悼集です。 内容は全体を宇宙に見立てた章立てで、「巨星誕生」と題して本田氏の誕生からピストンリングの製造会社設立まで。「星団形成」では本田技研の創業からマン島T・Tレース出場まで。「大いなる軌道」は社是制定から鈴鹿サーキット建設まで。「新銀河への飛翔」で四輪への進出、F1挑戦、排ガス対策。「巨星の遍ねき光」は社長退任後の本田氏の活動について。「超新星」と題した最終章は、本田宗一郎氏逝去後開催された「お礼の会」の様子を。それぞれの時代に縁のあった方々の話で構成されています。各章では当時の写真も交えた内容となっていますので、本田宗一郎氏の追悼集とともに、ホンダの社史的側面としても興味深い内容になっていると思います。 「Mr. HONDA Forever」は、ホンダファンにとっては社史の一端として、本田宗一郎ファンにとっては人物史として持っていたい1冊ではないでしょうか。

BMW 栄光の軌跡

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 本日の1冊 今回は「BMW 栄光の軌跡」を取り上げます。 同書は1983年に西ドイツで発行された本の日本語訳版で、日本では1984年に初版が発行されています。 内容はBMW社の歴史を綴ったもので、自動車製造以前の歴史も取り上げられていますが、主は自動車にかかわるものです。1929年以降の量産車がモデル毎に紹介されていますが、写真家により撮影された美しいカラー写真が特に目を引きます。 後半部では「1929年以来の量産車」と題して、BMWの各モデルが年代順に紹介されています。各モデルの紹介にはボディタイプのイラストともに、当時の写真が掲載されており、歴史資料とてしても貴重なものといってよいでしょう。 「BMW 栄光の軌跡」は、BMWファンにとっては是非とも手元に置いておきたい1冊ではないでしょうか。

旅する自転車の本Vol.2

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 本日の1冊 今回は「旅する自転車の本Vol.2」を取り上げます。 「旅する自転車の本」はランドナーを中心に取り上げているムック本で、2010年に発行されたVol.2では、スポルティーフを特集しています。 特集では、スポルティーフとはどんな車種か、スポルティーフの系譜、バリエーションやツーリストの所有するスポルティーフの紹介、スポルティーフ製作記等が掲載されています。 特集以外ではマスプロランドナーについて多くのページを割いて掲載しています。 「旅する自転車の本Vol.2」は、スポルティーフに興味を持っている愛好家やサイクリストはもちろん、マスプロメーカー車のファンにとっても色々と興味深い記事が満載です。もし、マスプロスポルティーフのファンがいたら、絶対に逃がせない1冊だと思います。

スペシャルメイド自転車ランドナーの本

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 本日の1冊 今回は「スペシャルメイド自転車 ランドナーの本」を取り上げます。 同書はバイシクルクラブの別冊として2016年に発行されたムック本です。 内容は題名の通り、ランドナーばかり登場します。ランドナー制作記は、クロモリフレームのフルオーダーによるもの。中古フレーム入手によるレストア記的な記事等が掲載されています。 スペシャルメイド偏では、「トーエイオーナーズミーティング編」「京都編」「大阪編」「SLTM編」「東京~神奈川編」「埼玉編」と各イベントや地区別にランドナーが多数紹介されています。そして、この本は全ページオールカラーとなっています。掲載されているランドナーの写真は全てカラーですから、造形やアッセンブルはもとより、フレームカラーも確認することができます。 「スペシャルメイド自転車 ランドナーの本」は、これからオーダーをしようと計画されている方にとっては、フレームカラーも含めた参考にするにはうってつけの1冊だと思います。

4WD FREAK

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 本日の1冊 今回は「4WD FREAK」1994年11月号を取り上げます。 「4WD FREAK」は四駆の専門誌です。当時はオンロード四駆的な性格が強いSUV登場以前、四駆といえばいかにもオフローダーらしいクロカン四駆が大勢を占めていました。同号の特集では、トヨタ、日産、三菱、マツダ、ススギ、ダイハツ、いすゞの日本メーカーの各車とクライスラー、ランドローバーの輸入車が登場しています。 クロカン四駆は、そのオフロード性能よりも従来のセダンやクーペといったクルマたちとは違うスタイルということでも人気が出たのではないかと思います。それはやがてオフロード性能よりもよりオンロードでの快適性を求める方向からSUVへとシフトし、現在のSUV人気につながっていると思います。 そのクロカン四駆ですが、SUVとの外観上の一番の違いはホイール周りでしょう。大径ホイールに扁平タイヤが特徴のSUVに比べ、クロカン四駆は70や80扁平の大径タイヤと大きなグランドクリアランスが特徴でした。 そんなオフロード志向の強かったクロカン四駆を、オフロード性能だけでなく、ゼロヨンや最高速など、オンロード面からも比較テストを行っている「4WD FREAK」1994年11月号はなかなか興味深いと思います。

4X4マガジン

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 本日の1冊 今回は「4X4マガジン」の1994年9月号を取り上げます。 四輪駆動専門誌「4X4マガジン」は、本格的な四輪駆動車を専門に取り扱う自動車雑誌です。現在は四駆といえばSUVというイメージが強いと思いますが、SUV登場以前は四駆といえばクロカン四駆とかオフロード四駆といわれるクルマたちでした。中でも同書で特集している三菱ジープはオフロード四駆の最右翼でした。 今では、フルオープンボディでフロントウインドウを倒せる四輪駆動車は姿を消してしまいました。オンロード性能や快適性を犠牲にしてもオフロード性能を重視した日本車はおそらく三菱ジープが最後でしょう。 スパルタンという言葉が最も似合うクルマ、三菱ジープに興味を持たれた方は「4X4マガジン」1994年9月号の特集をお読みください。

自転車レストア&カスタムBOOK

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 本日の1冊 今回は「自転車レストア&カスタムBOOK」を取り上げます。 2011年に発行された「自転車レストア&カスタムBOOK」は、自転車のレストアに関するノウハウ本といえるムック本です。 前半では、プロに依頼したり編集部員自らがDIYで行うレストアについて11例紹介しています。レストアにあたっては、オリジナルに忠実に再現していくやり方と、カスタムを加えてレストアするいわゆるモデファイドレストアがそれぞれ取り上げられています。 後半では「レストアテクニックダイジェスト」と題して、ホイール組みやアルマイト剥がし、サビ落とし等のノウハウが紹介されています。 自分が長く乗っていた、またフリマなどで手に入れた古い自転車やフレームをレストアして1台に組み上げる。また、それを乗る楽しみも自転車趣味のひとつといえます。自転車のレストアに興味を持った方は、「自転車レストア&カスタムBOOK」のようなレストアノウハウ本を入手してレストアに挑戦してみてはいかがでしょうか。

旅する自転車の本Vol.3

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 本日の1冊 今回は「旅する自転車の本Vol.3」を取り上げます。 「旅する自転車の本Vol.3」は、「サンツアーの軌跡」と題してサンツアーを特集しています。巻頭から約40ページに渡る特集では、冒頭で前田鉄工所に始まる会社の歴史を。製品では、歴代の主だったリアディレイラーがカラー写真および解説とともに紹介されています。その他にも、元社員による座談会や元社長である河合淳三氏のインタビュー記事も掲載されています。 特集以外にも、ランドナー関連の記事が多数掲載されておりますので、ランドナーファンには紙面全体が楽しめる内容になっています。「旅する自転車の本」は、クロモリフレーム、なかでもランドナーに力を入れたムック本です。ランドナーファンとしては1号から揃えたい本だと思いますし、サンツアーファンはこの3号は特に見逃せない1冊だと思います。

OPEL100

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 本日の1冊 今回は「OPEL100」を取り上げます。 同書は、オペルの100年史として1999年に発行されたものです。発行は日本ですが、編集はオペルジャパン、また巻末にはアダムオペル社副会長のあいさつ文が掲載されていますので、アダムオペル社の公式な社史といってよいでしょう。 自転車製造業を営んでいたオペル5兄弟が自動車製造業を始めた1899年から1999年までの歴史を当時の写真とともに紹介しています。また、サイドストーリーとしてデザインやアート、開発・テストやモータースポーツとの関りなどが記されています。 日本では、あまり知られておらずマイナーブランドの感が強いオペルですが、実は歴史のある老舗メーカーです。特に黎明期の歴史については、本国の出先機関であるオペルジャパンによる編集ですから、日本のいち出版社が編集したものに比べると入手困難な貴重な資料や写真が掲載されている可能性もあるでしょう。 オペルファンにとっては、公式社史といってよい「OPEL100」は是非とも手に入れておきたい1冊ではないでしょうか。

自転車パラダイス

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 本日の1冊 今回は「自転車パラダイス」を取り上げます。 「自転車パラダイス」は2000年に発行された、イタリア車を特集したムック本です。 巻頭では、チネリ、コルナゴ、デローザが取り上げられています。その他にも「イタリア・ロードレーサー・ブランド図鑑」として約40のブランドが紹介されています。 ブランド紹介の他では、イタリアの自転車愛好家やコレクターの取材記事があり、かの地にも日本と同じような趣味人がいることをうかがい知ることができます。 イタリアには、日本でよく知られたブランド以外にも多くの自転車ブランドがあるようです。イタリアブランドに興味がある方は「自転車パラダイス」を手に入れてイタ車研究の一助にされてはいかがでしょうか。

クロモリロードバイク ベストセレクション

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 本日の1冊 今回は「クロモリロードバイク ベストセレクション」を取り上げます。 同書は、バイシクルクラブを発行する枻出版から2010年から2017年に発行されたクロモリロードバイクに関するムック本の記事を抜粋、再編集し1冊にまとめたものです。 同書には、クロモリレーサーに関する様様な記事が収められています。愛好家によく知られた自転車やフレームビルダーに焦点を当てた記事。業界著名人による対談、フレーム製作に関するノウハウ、昔の話等々。 「クロモリロードバイク」他のムック本は、これまでに様々な興味深い記事が掲載されてきました。それを「ベストセレクション」と銘打って集大成としているのです。クロモリロードに興味のある方で過去記事掲載誌をお持ちでない方はもちろん、過去の「クロモリロードバイク」等をすべてお持ちの方にも残すべき1冊として、蔵書に加えていただきたい本といえるでしょう。

THE GREAT RACE

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 本日の1冊 今回は「THE GREAT RACE JAPANESE GP SUZUKA,1990」を取り上げます。 こちらは、1990年のF1日本グランプリの際にティレルのメインスポンサーであったEPSONが発行した小冊子です。 当時のマシンはティレル019、フロントのアンヘドラルウイングが特徴的でした。それに乗るドライバーは中嶋悟とジャン・アレジ。この冊子では、日本グランプリに出場する日本人ドライバーということで、中嶋選手をフィーチャーした内容になっています。また、エプソンの広報誌としての位置付けもあるようで、紙面の最後には当時のエプソン製品であるノート型PCとカーAVシステムも紹介されています。 過去のF1GPに関する雑誌や書籍は、現在でもある程度の量が中古市場で流通していると思います。しかし、いち企業の小冊子が出てくることは稀だと思います。ティレルファン、中嶋ファン、そしてエプソンファンにとっては貴重な一冊ではないでしょうか。

轍堂からお知らせ

明日6/12(日)は杖突峠 峠の茶屋にて今井彬彦メモリアルランが開催されます。ニューサイクリングの元編集長である今井さんには店主も生前いろいろとお世話になりました。 日曜日は店主も今井メモリアルに参加いたします。 そのため、6/12の店舗営業はお休みさせていただきます。

シマノ 世界を制した自転車パーツ

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 本日の1冊 今回は「シマノ 世界を制した自転車パーツ」を取り上げます。 自転車を趣味にしている方であれば「シマノ」を知らない方は皆無と言っていいでしょう。 自転車レースの世界では、変速のインデックスシステムやデュアルコントロールレバーをいち早く導入し、今では他のパーツメーカーも同様のシステムを導入。グランツールに出場するチームは全てそれらのパーツを使用するという、シマノが開発したシステムがレースの世界では世界標準となっています。 同書はシマノという会社の歴史を綴ったものではなく、いってみれば「デュラエース」の歴史を綴ったものであるといえます。イタリア・カンパニョーロ社に追い付け追い越せという意気込みで誕生したコンポーネント「デュラエース」。その後の「AX」の失敗、「STI」コンセプト導入によるレース界への挑戦と世界制覇。 後半には、マウンテンバイクの世界では世界を席巻しているMTB専用コンポーネントの話が綴られています。 自転車パーツの世界では今や「世界のシマノ」といってよい程の成長を遂げているシマノ。その原動力となったのはやはり「デュラエース」といっていいでしょう。 「シマノ 世界を制した自転車パーツ」を読めば、シマノという会社の成長・発展の歴史をよく知ることができると思います。

スポーツグラフィック ナンバー

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 本日の1冊 今回は「スポーツグラフィック ナンバー」を取り上げます。 ナンバーは、様々なジャンルの競技を取り上げるスポーツ雑誌です。同書は1994年6月に発行されたもので、この年のサンマリノGPで事故死したアイルトン・セナの追悼特集号となっています。1ページまたは見開き2ページで1枚の写真を掲載しているほか、数々の記事や写真が掲載されています。この号は全140ページ余りですが、その内100ページほどを割いており、ほとんど1冊セナ特集といえるような力の入れようです。 当時、それだけの人気を誇り、そして事故がどれだけ衝撃的なことであったかがこの紙面数からもうかがい知れます。 現在でも多くのファンがいるアイルトン・セナ。それらセナファンにとって、若き日やプライベート写真の掲載があるナンバーの341号は永久保存版の一冊といえるのではないでしょうか。

Car Ex

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 本日の1冊 今回は「Car Ex」を取り上げます。 同書は女性誌や男性誌などの雑誌や書籍を発行している世界文化社(当時)の発行している自動車雑誌で、1992年8月号になります。 この号では、ロータス・ヨーロッパを巻頭でカラー特集しています。ヨーロッパといえば漫画「サーキットの狼」で一躍有名になり、スーパーカー世代にとってはあこがれの1台、またはほしいクルマに挙げる方も多いのではないでしょうか。 特集はこの号と次号の二部構成となっているようで、この号では前編が掲載されています。特集のページ数は10ページと決して多くはないですが、ヨーロッパファンには見逃せない一冊ではないでしょうか。

本音のクルマ選び2000

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 本日の1冊 今回は「本音のクルマ選び2000」を取り上げます。 同書は別冊宝島の488号として2000年に発行されたムック本で、当時は毎年「本音のクルマ選び」が発行されていました。 2000年版では、1998年10月から1999年11月までに発売された新型およびフルモデルチェンジとなった国産車を取り上げ、コンセプト等8項目について評価。10点満点の採点とコメントが掲載されています。そのほかのモデルについては、日本国内で一般的に買えるクルマのほぼ全てを取り上げ、軽・国産メーカー別・輸入車の採点表が一覧で掲載されています。 また「本音のクルマ選び2000」には採点表以外にも当時のトピックスやトレンドを取り上げた記事も掲載されています。当時のクルマやクルマ文化、社会情勢とクルマとの関係なども見えてくると思います。自動車専門誌ではない出版元が発行しているムックですので、クルマ文化の歴史的流れをちょっと違う視点から見てみたい読者には一読してみる価値のある一冊ではないでしょうか。

自転車パスハンティング

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 本日の1冊 今回は「自転車パスハンティング」を取り上げます。 同署は1989年に発行された自転車によるパスハンティングに焦点を当てて書かれた書籍です。 パスハンティングも坂を上るのだから、現在ロードバイクで人気のあるヒルクライムと同じではないの、と思うかもしれません。確かに、ヒルクライムもパスハンティングも峠の頂上を目指して坂を上っていくことに変わりありません。しかし、ヒルクライムが峠の頂上を目指しているのに対し、パスハンティングは表紙のタイトルに小さく書かれているように、「峠越え」が目標になっています。越えるということは、麓から上って峠に着いたら戻ってくるのではなく、峠を越えて先へ進むということです。 そのため、自転車も装備もライディングテクニックもヒルクライムとは違ったものが要求されます。さらにパスハンティングでは峠、つまり山の高い所を目指し、時には自転車を押してやぶ漕ぎをしたり、時には自転車を担いで登っていくこともあります。したがって、自転車に関する知識だけではなく、登山に関する知識等も求められたりします。 「自転車パスハンティング」は、サイクリングの中でも特殊な一面を持っている、パスハンティングの様々なバリエーションやそれぞれに対する準備や装備に関する知識が詰まっています。 ロードバイクによるヒルクライムや、MTBでのシングルトラックランとは違った、パスハンターによるパスハンティングに興味のある方には是非読んでいただきたい一冊です。

スポーツ・サイクリング教書

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 本日の1冊 今回は「スポーツ・サイクリング教書」を取り上げます。 「スポーツ・サイクリング教書」は、1987年に発行された自転車をスポーツの視点からとらえて書かれたものです。 題名を見ただけでは、ランドナーを中心としたスポーツサイクルに関する書籍だと想像しがちかと思います。しかし、同書で取り上げている範囲は、サイクリング車とともにロードレーサーまでも含められています。 そのため、自転車の種類や構造についてはロードレーサーとサイクリング車の二つを中心に取り上げて各種の解説がされています。そして、「スポーツ・サイクリング教書」では自転車に関するハードウエアやソフト面だけではなく、雑学として自転車とレースの歴史についても掲載されています。また、付録としてメーカー・ビルダー・ショップの一覧が掲載されています。 昭和の終わりころの自転車文化についてや、かつて存在した有名メーカーやビルダー、ショップが当時はどこにあったのかということ等について興味のある方は、手に入れておきたい一冊だと思います。