ニューサイクリング 1971年11月号(No.84)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1971年11月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1971年11月号は、通巻84号です。
通巻84号の目次をページ順に追うと、
グラビア 11月の峠
10 特集 メカニズムエッセイ 自転車をばらす
18 エッセイ あの日あの時 その3 峠の上までバスに乗った事
22 エッセイ あの日あの時 その3 星のキレイな場所
24 エッセイ 物の怪
26 峠二題 道志で・変な男
30 エッセイ ある日曜日の日課
32 路傍の文化財〈連載第一回〉
36 対談 いろいろおしゃべりしよう(4) サイクリングクラブの一つの形
41 本社代理部案内
52 サイクリングコース 三浦七福神案内
56 紀行 六十里越 借りた車で越した峠
62 サイクリングレポート 高尾縦走
64 サイクリングレポート 馬越峠・その他
66 レースシリーズ 年ヨーロッパ・プロルート競技
68 製品メモ/コレクションメモ
70 パニア・バッグ
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「メカニズムエッセイ 自転車をばらす」
この記事は今月号の特集で、自転車をいじる楽しみの一つとしての自転車の分解を取り上げています。記事ではバラした部品の数やバラした部品のことを記しています。その中でも、シクロランドナー、ヘッドとBBの小物、TAのクリテリウムのチェンホイール、マファッククリテリウム、エベレストのプラットフォームペダル、ブルックスのサドルクリップについては分解写真を掲載して紹介しています。
「あの日あの時 その3 峠の上までバスに乗った事」
この文はサイクリングエッセイで、友人とともに木曽へサイクリングに出た時のことを綴っています。一行は輪行袋を背負って飯田駅に降り立ちましたが、筆者は列車の中にサイフを忘れてしまいました。そこで友人達には先に行ってもらい、筆者は財布が見つかったらバスであとを追いかけることします。幸いサイフは見つかり、筆者はバスで先に進みます。筆者は期せずしてバス旅となったこともそれなりに楽しみながら峠路最後の詰めに入ります。そして、木曾と伊那の境となる清内路峠が見えてくると人影が見えます。それは、気を利かして峠で待っていてくれた友人達でした。そして筆者は、運転手が気を利かせて停留所でもないのに止めてくれた峠で下車することができました。
「あの日あの時 その3 星のキレイな場所」
この文はサイクリングエッセイで、初めて道志へ行った時のことを綴っています。筆者はお目当てである道志へ、巌道峠を越えて向かいました。峠では津久井経由で先に宿に着いて徒歩で登ってきた先輩と遭遇、宿に着いてからは夕方になってさらに友人二人が到着。翌日は一人帰りましたが、新たに数人が宿にやってきて更に賑やかに。その翌日には雨の中大勢が帰りましたが、天気が良くないからと筆者を含めた3人がもう一泊することに。そしてその日の午後には雨が上がり、すばらしい星の夜となりました。
「物の怪」
この文は「サイクリング周辺エッセイ」と称するもので、サイクリングにまつわる様々な話題を取り上げています。ここではJCAの機関紙「サイクリング」に掲載された菅沼達太郎氏の「不思議な光の話」と、「近頃の妖怪」と題したサイクリストが出会う音について綴っています。
「峠二題 道志で」
筆者は、オヤジと呼ぶ自転車店の主人と道志を走りに出ます。宿に到着すると先に着いていた友人たちと合流します。オヤジさんはその日に帰るというので一同引き止めますが、ビールをおごるの一言で皆の口を封じます。そして一同はビールと鮎を楽しんだ後、オヤジさんは帰っていきました。
「峠二題 変な男」
筆者は月明かりの中、中津川沿いでナイトランをしていると黒い影が動いたので驚きます。その後、野宿する場所を探していると一人の男と出くわします。その男は背広にネクタイ姿で、およそ山の中では似つかわしくない恰好でした。聞くと男は厚木で財布を落としたため秦野まで歩いているとのこと。筆者はそんな男と山中の廃屋で夕食を共にして眠りにつきました。
「ある日曜日の日課」
この文は、筆者が日課と称している毎週日曜日にクラブモデルを引っ張り出して喫茶店へ珈琲を飲みに行く様を綴ったエッセイです。
「路傍の文化財」
この文は、筆者がサイクリングの際に見てきた路傍の文化財を紹介していく企画の連載です。連載第一回は石塔を取り上げて、石塔の型として主だった13種類の型と梵字の一部を紹介しています。
「いろいろおしゃべりしよう(4) サイクリングクラブの一つの形」
この記事は、今井編集長と自転車関係者が対談していくシリーズ企画です。今回はアンテロープサイクリストツーリングクラブのメンバー5人を招き、メンバー7人の為だけの楽しみに目的を絞り外部へも働き掛けないという先鋭性の強いクラブ運営について聞いています。
「サイクリングコース 三浦七福神案内」
ここでは、三浦半島にある七福神を巡るサイクリングコースを案内しています。コースは1番の札所から2・3・5・4・6・7と巡るのが道順的に良いとしています。そして、帰路については三浦海岸駅、衣笠駅、逗子駅から輪行で帰るパターンを紹介しています。そしてガイドの最後には、七福神の縁起概略を掲載しています。
「六十里越」
この文は、綿貫益弘氏によるサイクリングエッセイです。今回の旅で筆者は借り物の自転車で、更に行先も借りて持ち主に先んじて輪行サイクリングに出かけます。今回は六十里越を広神村あたりから只見線に沿うように走り、田子倉湖から船に乗って只見川を行く様子を綴っています。
「サイクリングレポート 高尾縦走」
8月の終わりごろ、筆者はふと思い立って輪友とともに高尾へ出かけます。甲州街道を汗だくになりながら走り、八王子市内を抜けて杉木立の道を進み小仏峠に出ます。ここから景信山までほぼ押し上げで登り、その後は尾根道を走って白沢峠、明王峠、奈良子峠を経て和田峠に辿り着きます。筆者はここで紅茶を沸かしたところでレポートを終えています。
「サイクリングレポート 馬越峠・信州峠・金山峠・木賊峠・観音峠・昇仙峡」
8月下旬、筆者と友人二人は輪行してきた小海駅で自転車を組み立て出発します。祝平あたりで朝食、中島、三川を通って昼過ぎに馬越峠に到着します。ここで2時間ほど昼食と休憩をとったあと峠を下り、原に到着して泊まる場所を探していると地元の人が自宅に泊めてくれることになりました。翌日は甲信林道を走って昼前に信州峠を越えて黒森まで下り、林道釜瀬線に入って金山まで行き宿に入りました。翌日は午前中に木賊峠を越えてからさらに観音峠を越えて昇仙峡を走り、3時過ぎに甲府駅に到着して今回のツーリングを終えました。
「'71 ヨーロッパ プロルート競技」
このコーナーでは、ヨーロッパのプロロードレースの経過と結果を掲載しています。今回は、サルデニア島一周、'71シクロクロス世界選手権、エトフォルク、ミラノ-テュランの4レースです。
「製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、マエダ工業の「サンツアー鍛造エンド」、島野工業「クレーン」、サンプレックス「クリテリウム」を取り上げています。
「コレクションメモ」
こちらは自転車関連の雑貨類を紹介するコーナーです。今回は、アメリカの缶バッチ、クラシック自転車のコースター、ピエール・カルダンのシルクマフラーが写真入りで紹介されています。
「パニア・バッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は読者からの質問、近況報告などの他、詩が一編掲載されています。
1971年11月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「BS-27」でした。
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