ニューサイクリング 1971年4月号(No.78)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1971年4月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1971年4月号は、通巻78号です。

'71年3月号からは表紙の題名が記載されなくなりました。

通巻78号の目次をページ順に追うと、

10   特集 変貌する自転車のイメージ ミニサイクルを中心とした新しいタイプの自転車の登場

18 フイチュア ミニサイクル・CTCガゼット

22 フイチュア サイクリスト手帖から見るイギリストのサイクリスト CTC発行のサイクリストダイアリーから

28 レース パトリック・セルキュとの一問一答 ヨーロッパプロ界で話題になっているセルキュの実力

39 代理部だより

44 エッセイ 雨と私とツーリング

46 エッセイ 青春は雑木林に

48 ツーリング 角問峠・地蔵峠を行く

54 ツーリング 須賀尾を越える

56 エッセイ まとまらない話

58 ツーリング 和田峠の楽しさ

60 ツーリング 道志街道

62 製品メモ

66 パニア・バッグ

69 交換案内

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「変貌する自転車のイメージ」

この記事は今月号の特集で、ミニサイクルを中心とした新しいタイプの自転車に焦点を当てています。記事の冒頭では、ミニサイクルの登場によって自転車の用途が実用性から脱してレジャーまたはスポーツに変わってきているとしています。次に各社から発売されているミニサイクルを紹介するとともに、各方面の広告に自転車が登場してきているといって、その事例をいくつか紹介しています。


「VOICE OF CYCLIST」

ここでは、自転車に関するコトやモノに関して筆者の意見を述べています。今回は「ミニサイクルのこと」と「CTC GAZETTEのこと」の二つです。「ミニサイクルのこと」では、当時ブームとなっていた小径車を題材により質の良い移動手段とは何かという視点で意見を述べています。「CTC GAZETTEのこと」では、CTCの機関紙であるCTCガゼットの1935年版と1936年版の掲載内容に触れて、広告に出てくるパーツのことやイギリスとフランスの語学的距離について語っています。


「サイクリスト手帖から見るイギリスのサイクリングとサイクリスト」

この記事は、イギリスのCYCLIST'S TOURING CLUB(CTC)が発行した1968年版のサイクリスト・ダイアリーを取り上げて、その内容を紹介しています。この手帖はページ数が210ページで、そのうち53ページまでは各種の記事でそれ以降は1週間ずつの手帖になっています。そして最後にはイギリス各地の地図が18ページに渡って入っています。手帖の19ページまでには、郵便料金表や度量衡換算表、ライト点灯時刻、サイクリングの一般論や自転車の説明、注意事項等が書かれています。


「セルキュ大いに語る スポーツ記者との一問一答から」

この記事は1970年11月の六日間レースの休憩中にあるスポーツ記者と交わした一問一答で、レースに関する質疑応答が十数件掲載されています。


「まとまらない話 (四)」

この文は綿貫益弘氏によるもので、まとまらない話の4回目です。今回は、城島高原のヒュッテでの話、八ヶ岳赤岳キレットの小屋での話、赤岳にある小屋のプロパンの親爺さんの話、九州の横断道路を走った時の話について書いています。


「私と雨とツーリング」

この文は、サイクルツーリングに出ると二日に一日は雨に降られているという筆者の雨の思い出を綴ったエッセイです。


「青春は猫の額に」

この文は、サイクリングやツーリングとは関係がありませんが、主人公が自転車に乗って雑木林へ出かける描写が登場するショートエッセイです。


「地蔵峠から角間峠」

この文は、信州の高原を走ったサイクリング紀行です。筆者は晩秋の小諸駅に降り立ち、ここからサイクリングを始めます。力士雷電のドライブインで昼食を済ませ、地蔵峠に向かいます。峠に到着して山荘で休憩を取りますが、角間峠を越して真田への道のりを確認すると明るいうちに着けないと判断してこの日は山荘に泊まることにします。翌日は朝食を済ませてからスタート、5分ほど下ってから角間峠への入り口に到着します。峠への道を走り、途中道が悪くなってからは押しながら進みますが、峠に辿り着くと突然にアルプスの山並み現われ大パノラマに感動します。峠で30分ほど休んでから下りにかかり、1時間ほど走って沢に出てからは川沿いに走り、途中休憩をはさみながら岩屋観音から上田まで下り、自転車を分解して上田駅から汽車で帰路につきました。


「須賀尾峠ごえ」

筆者は長野原駅まで輪行し、ここで自転車を組み立ててサイクリングをスタートします。少し中之条方面へ走ってから、県道大戸長野原線に入っていきます。しばらく上ると人家は途絶え、山道となった道には落葉がハブにかかるほどの深さになり容易に進めなくなります。途中で休憩しながら峠まで行った後の下りは、良く固まった走りやすい地道でした。舗装の始まるところまで来るとバス停があり旅館もあったのでここで泊まろうとしましたが、満員だったため大戸まで行って宿に泊まりました。翌日は観光をした後に出発、萩生峠を越えて高崎までのダウンヒルを楽しみました。


「ツーリングレポート 和田峠」

3月の日曜日に筆者は自宅を出発して甲州街道を府中、立川、八王子と走って大垂水峠で一服、下って相模湖に出たあとは勝瀬橋を過ぎてから甲州街道を外れて登りにかかります。休憩したり押し上げたりしながら峠に到着、ここで食事とします。下りは道が悪く狭いので焦らず下り、舗装路に出てからはトップで疾走して陣馬街道、甲州街道と快走して帰宅しました。


「ツーリングレポート 冬の道志街道」

筆者は12月の試験休みを利用して、道志の村々を訪ねるサイクリングに出ます。自宅を出て津久井湖方面へ向かい、道志街道へ入っていきます。三ヶ木、奥相模湖、管井、伏馬田と巡ってから道志街道を引き返し、帰路に着きました。


「製品メモ」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、杉野鉄工所のクランク「マキシィ」とハンガー小物およびパターンレスギア、吉貝機械金属のグランコンペステム、ブルックスのパニアバッグなどを取り上げています。


「パニア・バッグ」

このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は掲載記事に対する意見や、ニューサイ誌に対する要望等が寄せられています。


1971年4月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「ダイヤモンド」でした。

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