ニューサイクリング 1973年3月号(No.100)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1973年3月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1973年3月号は、通巻100号です。

この号のグラビアは「マイパスハンティング1」です。

通巻100号の目次をページ順に追うと、

16 最近の部品を見る 高級化の傾向

24 イタリアの名車デローザの紹介

30 最近のこれくしょん マドモアゼルニックのワイヤー芸術

31 最近のこれくしょん アンティックポスターのこれくしょんから

32 最近のこれくしょん パターソンの原画

34 ヨーロッパ=車界探訪 4 ロンキッチン訪問その他

50 濁川温泉から鞍掛峠へ

62 オランダサイクリング参加記

73 サイクリング歳時記 「歳時記」

74 スポーツ車の外観上のバランス

80 お便りから

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「最近の製品を見るー部品の高級化への傾向-」

この記事は、今月号の特集です。当時の日本では、玩具的な年少者向けの自転車や婦人車ミニサイクルが主流を占めていました。そのようななか、日本の部品メーカーが一般部品から高級部品に目を向け始めたことから、当時発表されていた各社の製品を写真入りで紹介しています。


「〈イタリアの名車〉デローザを見る」

ここでは杉野安氏がオーダーしたデローザを取り上げ、各部のアップ写真も交えてその詳細を紹介しています。


「最近のこれくしょん マドモアゼル"ニック"の針金芸術」

ここでは寺島常蔵氏が所蔵する、フランスのオブジェ作家が製作した、自転車の針金細工の作品を3点写真とともに紹介しています。


「最近のこれくしょん クラシック時代の自転車ポスター」

ここでは寺島常蔵氏が所蔵する、19世紀終わりから20世紀初め頃のものと思われる自転車が描かれているポスター4点を写真とともに紹介しています。


「最近のこれくしょんから パターソンの原画」

ここでは河合淳三氏が所蔵する、ファーストパターソンブックのものと思われるパターソンの原画を4点写真とともに紹介しています。


「車界探訪」

この文は「ヨーロッパ各地気まま旅行記」と副題をつけた、当時の杉野鉄工社長の杉野安氏による見聞記です。今回は、「パリからイギリスへ」と題し、食べ物のこととロンキッチンのことを綴っています。最初は食に関する話題で、パリでのテーブルマナーのことや食前酒の選択、フォアグラの味のこと、さらには中華料理店での出来事について語っています。次にイギリスへ渡ってからの出来事や、商談のためにロンキッチン氏を訪れて見聞きしたことを色々と綴っています。


「濁川温泉から鞍掛峠へ」

筆者は、上松から森林鉄道に乗って貨車に載せた自転車とともに滝越まで移動します。駅で降りた筆者は自転車で走り始めると集落を抜け、途中で一服したり熊の気配に怯つつ自転車を飛ばしたりしながら進みます。やがて濁川温泉の看板を見つけた筆者は自転車を藪の中に置いて小径を谷底の温泉宿まで降りていきました。翌朝は雨、そのなか宿を出発して自転車のところまで戻ってから滝越えまで走って森林鉄道に乗り、終点の元谷駅まで移動します。ここからは雨がやんで青空が見えてきた中を鞍掛峠を目指します。そして、峠では冷えた握り飯をほうばりながら財布も底をつきかけていたので明日は東京へ帰ろうと思いました。


「オランダサイクリング参加記 上」

これは、筆者がのオランダサイクリングのツアーに参加した海外サイクリング紀行です。筆者は老齢に達して勤務を離れたことを機に「ヨーロッパサイクリングの旅」を申し込みます。筆者は8月上旬、羽田から空路でオランダへ移動します。オランダ到着後はサイクリングに随行するバスに乗ってアムステルダム市内の観光をした後、観光協会でブリヂストンから提供された自転車の受け取ります。そしてホテル到着後、自転車の組み立てをして夜半過ぎベッドに入りました。サイクリング初日はアムステルダムからマルケン島を経由してフォレンダムまで、翌日はフォレンダムからアルクマールまで走ります。アルクマールでは正午の終了時刻までチーズ市を見て回り、その後エグムントへ移動してユースホステルに投宿しました。サイクリング3日目は、海岸に沿った砂丘地帯を南に向かって快調に走ってノードウイックまで走ります。翌日は砂丘の上り下りがきつくなり10段変速が役に立つコースを南下していき、スヘフェニンゲンの海水浴場に寄ってからハーグへ入ります。次の日はハーグを出発、デルフトで昼食とって街中をぶらついたあとロッテルダムまで移動して港の船に宿泊します。翌日の午前中はバスを使ったロッテルダム市内の観光と観光船に乗った港めぐりをし、午後はレセプション参加と自由行動で夕方まで過ごしました。


「サイクリング歳時記 歳時記(さいじき)」

このコーナーは、自然と自転車、生活と自転車のかかわりについて歳時記的な角度から見てみようとの意図で綴られています。今回は「歳時記」と題して、古来の自然観、宗教観、それに年中行事に関しての手引書について述べています。


「シリーズエッセイ 自転車に乗らないサイクリスト」

ここでは「サイクリングと言えるとか、言えない」は別として、筆者が自転車に乗らない楽しさのようなものを綴るエッセイです。今回は「スポーツ車の外観上のバランスについて」と題し、バーテープの色や巻き方、ホイールとタイヤのマーク、肉抜き加工などにおける全体のバランスについて語っています。


「お便りから」

このコーナーは読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、ユーラシア大陸ツーリングに夫婦で出かける方からの旅程紹介と八ヶ岳・蓼科附近の情報等が掲載されています。


目次にはありませんが、84ページには「これくしょんから」というコーナーが掲載されています。このコーナーでは、自転車に関する雑貨類を紹介しています。今回は、タンデムの絵柄の陶器製灰皿、杉野鉄工所が記念品で作ったネクタイ、自転車模様が入った靴下を紹介しています。


1973年3月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「BS-27」でした。

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