投稿

3月, 2022の投稿を表示しています

自転車のある風景~ヨーロッパ・北欧~

イメージ
 本日の1冊 今回取り上げるのは写真集「自転車のある風景~ヨーロッパ・北欧~」です。 同書は、1999年12月初版発行です。西欧そして北欧で撮られた写真で構成されています。写真は数点を除いてすべてモノクロ、またスタジオ等で撮ったものは無く、街中で走っている自転車(に乗っている人々)を収めた所謂スナップフォトです。さらに、本文は写真のみで説明書きなども一切ない、文字通り、写真集です。 写真は何気ない自転車風景ですが、見ていて何か楽しくなってくるような写真ばかりです。この写真集は、まさに文字のいらない、1枚1枚の写真を眺めているだけで十分楽しめるものではないかと思います。

CR-X取扱説明書

イメージ
 本日の1冊 今回取り上げるのは「CR-X取扱説明書」です。 このCR-Xの説明書は2代目、サイバースポーツと謳われていたモデルのものです。 一般に販売されていた書籍ではなく、新車購入時にクルマに付属してくる資料です。新車を購入した方は必ず手に入れることができます。しかし、中古車を購入した場合は無くなってしまっている場合も多いことと思います。 現代のクルマ、その取り扱いについて大まかなところはわかると思いますが、細かい点は意外と気が付かない場合があるものです。 旧車ファンにとって、数十年前のクルマの取り扱いを詳細に知ることができる取扱説明書は貴重な資料になると思います。

かんすけさんとふしぎな自転車

イメージ
 本日の1冊 今回取り上げるのは「かんすけさんとふしぎな自転車」です。 こちらは1995年に発行された児童書で、当時の感想文コンクールの課題図書になっていたようです。対象は、小学校低学年の部となっていますので、現在もそのくらいの年齢のお子さんにちょうど良いのではないかと思います。 物語は、主人公である自転車屋のかんすけさんと、ある男の子にまつわるお話です。中身は文章が主体で、挿絵が所々に入っています。漢字にはある程度読み仮名が振られていますが、読み仮名が振られていない漢字もあります。 小学生低学年といっても、ある程度漢字を覚えてきている学年に向けられてものであるといえます。

ふしぎなおしゃべり自転車

イメージ
 本日の1冊 今回取り上げるのは、「ふしぎなおしゃべり自転車」です。こちらは、創作童話となっております。 主人公のヒロシと、しゃべる自転車の不思議な体験の物語です。 同書は文章が主ですが、挿絵もふんだんに使われています。文字は漢字交じりですが、漢字には全て読み仮名が振られています。読書対象は、小学校低学年辺りになると思います。 自転車愛好家がお子さんに送る1冊には、やはりこのような自転車が登場する本が良いのではないでしょうか。

ピカピカ

イメージ
本日の1冊 今回取り上げるのは児童書の「ピカピカ」です。 日本で捨てられてしまった、主人公の自転車「ピカピカ」がアフリカに渡って活躍する物語です。 同書は、絵本といってもよい作りです。文字は全てひらがなとカタカナで書かれていますので、文字を覚えたてのお子さんでも少しずつ読み進められるのではないでしょうか。また、読み聞かせにも適したものだと思います。

花が散る前に

イメージ
 本日の一品 今回はレコードを取り上げます。題名は「花が散る前に」で、歌っているのは中野浩一です。 中野浩一は、自転車界では知らぬ者はいない競輪選手であり、世界的には世界選手権10連覇を成し遂げた選手として知られています。 スポーツ選手がレコードを出すというのは、1980年代当時はそれほど珍しいことではなかったと思いますが、競輪選手がというと、とても珍しいことではないかと思います。 レコード盤面を見ると、ラベルには「見本盤」とあります。曲のほうですが、B面の「傷あと」とともに当時の歌謡曲、昭和歌謡といった曲調といってよいと思います。 自転車愛好家や競輪ファンの中には、競輪グッズをコレクションされている方もいると思います。ミスター競輪が歌っているレコードは、是非コレクションに加えていただきたい1枚です。

VETERAN AND VINTAGE CARS

イメージ
 本日の1冊 今回はクルマの洋書「VETERAN AND VINTAGE CARS」を取り上げます。 同書は1970年に発行された第7版で、初版は1963年となっています。掲載されているのは、主にダイムラーとベンツのガソリンエンジン車登場以降、1930年頃までの所謂クラシックカーといわれているクルマ達です。 最近よく言われている「旧車」は所謂「ハコ車」といわれるようなモダンスタイルのクルマをイメージすると思います。クラシックカーは、それ以前のクルマといえるでしょう。 同書は写真も多く掲載されております。カラーも少しありますが、多くはモノクロで一部は当時撮影されたと思われるものもあります。 初版が1963年ですから、撮影されたのはそれ以前となるでしょう。今では失われてしまった写真もあることでしょうから、クラシックカーファンやヒストリアンにとっては貴重な資料といえるかもしれません。

ガソリンエンジンデータブック

イメージ
 本日の1冊 今回はエンジンに関するデータ本「ガソリンエンジンデータブック」を取り上げます。 このガソリンエンジンデータブックの発行は、1999年です。表紙にもあるように、1963年から1993年までの国産ガソリンエンジンに関するデータが掲載されています。 データ項目は100項目以上あり、普段クルマのカタログ等で目にする主要諸元には掲載されていないデータが詳細に出ています。内容から見ると、同書は専門家に向けた内容といえます。整備士やチューナーには有用な内容が掲載されていると思います。 個人の方でも、ご自身でエンジンをいじったり、レストア作業をされている方にはとても役に立つ本でもあると思います。 ガソリンエンジンデータブックは、実践的にエンジンを整備されている方々には他のマニュアル類とともに揃えていただきたい1冊といってよいと思います。

DFV 奇跡のレーシングエンジン

イメージ
 本日の1冊 今回はレーシングエンジンに関する書籍「DFV 奇跡のレーシングエンジン」を取り上げます。 フォードコ・スワースDFV、レースファンならば誰でも知っている名エンジンの開発ストーリーです。同書のストーリーは、1965年のフォード重役会から始まっています。 DFVは、1967年にF1デビュー。当初はロータスに、以降は数多のコンストラクターに供給され、F1で150勝以上を挙げるという、現在では考えられないような成績を収めています。このエンジンは、長寿エンジンでもあります。それも第一線のエンジンとしてで、1967年に初勝利を挙げてから1983年まで勝利を挙げていました。 さらに、DFVは他のカテゴリー、インディや耐久などに向けたバリエーションが展開されています。同書では、フォード・コスワースのV8レーシング・エンジンとしてDFV、DFY、DFW、DFX、DFLが挙げられています。 ここで、アレ?と思われた方もいるかと思います。その理由ですが、この本の出版は1988年であり、さらに著者の謝辞を見ると日付が1983年となっています。つまり後年に登場したDFZやDFRが登場する前に書かれたものであるからです。 「DFV 奇跡のレーシングエンジン」は、DFVの系譜が全て網羅されているわけではありませんが、DFVの開発ストーリーを知るための書としては逃せない1冊ではないかと思います。

エンジンのロマン

イメージ
 本日の1冊 今回は、「エンジンのロマン 増補改訂版」を取り上げます。 同書は初版からの改定版ですが、発行は1994年です。現代の最新技術までが網羅されているわけではありませんが、エンジンの誕生から蒸気機関、内燃機関までが紹介されています。また、クルマのみではなく航空機等のエンジンにも言及していますので、エンジン関係に特に興味を持たれている方には面白い1冊ではないかと思います。 クルマ関係でいうと、世界最古の自動車といわれているクニョーの蒸気エンジン車から書かれていますので、自動車エンジンの発達についても知ることができると思います。 総ページは500ページを超える「エンジンのロマン」。ボリュームのある同書ですが、43の章立てに分けられています。最初から読むのもよいですし、興味のある章を追っていくのもよいと思います。

キョウト自転車生活

イメージ
 本日の1冊 今回取り上げるのは、京都市内のサイクリングに的を絞った「キョウト自転車生活」です。 冒頭のあたりで「暮らすように走ろう」と謳っているように、走りを満喫するというよりは、地元人が自転車での散歩を楽しもうといった感じの内容。観光サイクリングよりは地元民のようなサイクリングを楽しみたい人向けの1冊です。 前半部のコースガイドは距離や地図の表示は無く、途中の寄り道ポイントを紹介する形になっています。後半部では、ピンポイントで〇〇をしに行くといった案内となっています。 同書は一般的なサイクリングガイドというよりは、京都の寄り道ポイントを紹介し、コースは各自で自由にといったスタンスのようです。その為、同書だけを持っていれば京都を回れるという事ではなく、地図も用意してそれぞれのポイントをどのように回ろうかといった自分なりのコース設定をする必要があります。 ガイドに従ってただ走ればいいという方には向かないと思いますが、自分なりにコースをあれこれ考えるのが好きという方にはぴったりな1冊ではないかと思います。

大阪・神戸周辺自転車散歩

イメージ
 本日の1冊 今回は、大阪府内と神戸市を中心にコース紹介している「大阪・神戸周辺自転車散歩」を取り上げます。 同書は前回取り上げた「東京周辺自転車散歩」の関西編といえるものです。内容は、東京編と同様にガイド、コースマップ写真等、オールカラーページで構成されています。コースマップは2万分の1から6万分の1の縮尺が多くなっています。 掲載されているコースは、大阪府内は20kmから30km程度の距離が多く、50kmを超えるコースは兵庫県まで走る1コースのみになっています。神戸市周辺コースは大阪コースよりも少し長めの設定となっています。同書に掲載されているコースは、基本的に日帰りサイクリングコースとなっています。しかし東京と同様、神戸市周辺の最後に紹介されているのは唯一宿泊サイクリングとなるコースでしょう。それは淡路島1周です。神戸からは橋でつながってはいますが、150km以上と観光しつつのサイクリングでは1泊ないし2泊したい距離です。また、淡路島は本州側と違う、島ならではの旅情を味合わせてくれるコースだと思います。 同書は東京編とともに、週末にちょっと行けるサイクリングコースを中心にしていますが、長期連休に行ってみたいコースをあえてひとつ設定しているのではないかと思います。普段の休みから連休に走りに行きたいコースまで網羅している同書は、永らく楽しめるサイクリングガイドになっているのではないでしょうか。

東京周辺自転車散歩

イメージ
 本日の1冊 今回は、東京都内を中心にコース紹介している「東京周辺自転車散歩」を取り上げます。 コースは、川沿いコースで一部隣県まで足を延ばしているものがありますが、東京都内に収まるコースとなっています。内容は、ガイド、コースマップ写真等、オールカラーページで構成されています。特にコースマップは1万5千分の1から5万分の1の縮尺がほとんどですので、同書を携帯すれば他の地図は無くても大丈夫そうです。 掲載されているコースは23区及び市部の10kmから20km程度の距離が多く、50kmを超えるコースは隣県まで走るコースになっています。 同書に掲載されているコースは、基本的に日帰りサイクリングコースとなっています。しかし、最後に紹介されているのは唯一宿泊サイクリングとなるコースでしょう。それは大島1周です。確かに東京都内ですし、距離も50km程度なので1日で走り切れるコースではあります。ただし、大島へ行くまでに5時間ほど船に乗らなければなりません。また、陸続きの都内と違って、島独特の風情は旅気分をさらに引き立ててくれると思います。1日で帰ってきてしまうのはもったいない気がしますよね。 同書はコースマップがわかりやすくできています。地形図などを持たない方でも、とりあえず同書を持ってサイクリングに行けばルートに迷うことはないと思います。そのような点では、サイクリング初心者におすすめの1冊といえるでしょう。

関西サイクリングマップ

イメージ
 本日の1冊 今回取り上げるのは、1996年に発行された「関西サイクリングマップ」です。掲載地域は、京阪神タウン、北摂・丹波、兵庫・播磨灘、京都・琵琶湖、奈良・大和路、和歌山・紀伊半島、コース数は50におよんでいます。 書名にマップと謳うだけあって、地図は手書きの簡素なものではなく、ロードマップのような地図がカラーで掲載されています。また、各コースの高低差と距離を表したグラフも載っており、サイクリストにはうれしい情報が盛り込まれています。 同書は書名がマップとなっていますが、単なる地図本ではなく、コース案内もあるいわゆるガイドブック的体裁となっています。コースガイドは、立ち寄りポイントやワンポイントアドバイスを載せつつ見開き2ページでまとめられており、情報全体が見やすいように工夫されています。 同書の一番の特徴といえるのは、「目的別早見チャート」です。各コースが難易度(初・中・上級)の他、オンロード向き、オフロード向き、レンタサイクル有りの別やサイクリングの目的(カーサイクリングか輪行か、パスハンかポタリングか等)が一覧表で巻頭に掲載されています。 以前から計画していたサイクリングは別として、次の休みにちょっとサイクリングにでもと思い立った時は、計画立案に同書のチャートは役に立つと思います。また、同書は25年程前に出されたものですから、当時のルートが今はどうなっているのかといった楽しみもあるかもしれません。

東京近郊サイクリングコースガイド50東京東部編

イメージ
 本日の1冊 今回はサイクリングコースガイド、1998年に発行された「東京近郊サイクリングコースガイド50東京東部編」です。 同書は東京東部編と謳っていますが、都内だけでなく千葉・埼玉も網羅しています。コースは大きく4つの地域に区分されており、東京23区、房総、埼玉県平野部、奥武蔵・秩父となっています。また、走行距離も20kmから30km程度で平坦路が多いのでサイクリング初心者やお子さん連れでも無理のないコースが多いとのことです。それ以外では、50kmを超えるコースや峠越えを含んだコースもありますので、初級からステップアップするにも役立つコースも紹介されています。 最近は、集団走行が難しい環境にあります。以前であればショップ主催のサイクリング等が色々あったと思いますが、開催数が減っていることでしょう。かといって、サイクリングを始めたばかりでどのようなコースを走ったらよいのかがわからないという方もいらっしゃると思います。そのような時、同書のようなガイドがあると案内されているコースを走ってみる。時には自分なりに少しアレンジをして走ってみるという事が不安なくできるのではないでしょうか。

新商品取り扱い開始

イメージ
 自転車関連の雑貨で、新たにカップの取り扱いを始めました。 マグカップ2種類とビアマグ、自転車愛好家ならすぐお判りになるサンプレマーク入りです。 お気に入りの自転車を眺めながら、コーヒーやビールを飲むのに最適です。 手作り品で、一個一個に個性があります。店内のカウンターテーブルに展示しております。ぜひご来店のうえ、それぞれの個性をお楽しみください。

デンマークの緑と文化と人々を訪ねて

イメージ
 本日の1冊 今回取り上げるのはデンマーク在住の日本人女性による自転車の旅を綴った「デンマークの緑と文化と人々を訪ねて」を取り上げます。 著者はコペンハーゲンに住んでいるようで、第1章はコペンハーゲン市街のシティランといった感じの内容になっています。第2章もコペンハーゲンのあるシェラン島の各地が紹介されています。1章・2章の内容は日本からサイクルツーリングへ行く際にコペンハーゲンをベースに各所をサイクリングで訪れるには参考になる内容ではないかと思います。 3章以降はデンマーク各地への宿泊ツーリングの話となっています。また、同書によると1993年には全土に10本の国定の自転車旅行ルートが開かれたそうです。 デンマークは国土の全域がほぼ平坦で、国内最高地点でも標高が200mに満たないということです。多少のアップダウンはあるのでしょうが、厳しい峠越えがあるわけではないでしょう。日本からサイクリングへ行くにも本格的なツーリング車を持ち込まなくても、フォールディングバイクでも十分にデンマークサイクリングを楽しめると思います。 個人的には、ブロンプトンと同書を携えてデンマークを訪れてみたいですね。

ヒマラヤペダル越え

イメージ
 本日の1冊 今回は大学生によるチベットへの旅を記した「ヒマラヤペダル越え」を取り上げます。 この本が出版されたのは1989年ですから30年以上前のことです。当時大学生であった著者が自転車でヒマラヤのベースキャンプを目指す話です。 若者が海外の自転車ツーリングに挑戦するという話は多くは無いですが、聞かない話ではありません。しかし、その目指す先がヒマラヤのベースキャンプとなるとちょっと様子が変わってくると思います。ベースキャンプは山頂から3,700mも下ということですが、それでも標高は5,000m以上です。富士山の山頂よりはるか上、しかもそこまで道が続いているというのですから、日本にいては経験できない世界ですね。 この冒険に使用された自転車も愛好家としては興味を惹かれるもので、その仕様が本文にあるので引用します。 「クロモリ鋼ダブルバデットチューブ、石渡022のフルセットで組んだフレームは、サイズは545ミリ、その他の使用は標準仕様。(中略)ラグはコンチネンタルカットで、ヘッドラグとフォーククラウンにはメッキを施し、とても美しい。」となっています。この後も工作や直付け、その他の特徴が述べられています。そして、この自転車は「スポーツサイクル・アルプス」でオーダーしたものだということです。 道のりは、中国経由でチベットへ入り、ヒマラヤを目指すルートとなっています。秘境といえるような場所でしかも高所ですから、道中の困難さが文章から伝わってきます。ベースキャンプへ向かう最後のほうは、自転車での走破を断念してヒッチハイクを余儀なくされるような場所もあったようです。 日本にいては経験できない高所へのサイクルツーリングは誰もが挑戦できるものではないでしょう。同書を読めば、それがどのようなものであるのか感じるこことができるのではないでしょうか。

ドイツ自転車旅行を楽しむ

イメージ
 本日の1冊 今回は日本人によるドイツ旅行を書いた「ドイツ自転車旅行を楽しむ」を取り上げます。 著者は60代、旅の半年前に初めてマウンテンバイクを買い、1度も日本での自転車旅行を経験することなくドイツへ行ったそうです。旅行したルートはヴェーザー川自転車道というドイツ国内を走る長距離自転車道で、その総延長は500kmあるそうです。 同書はドイツへ行くきっかけから旅立つまでの準備、そして自転車での10日間の旅行記で構成されています。 旅の準備については、日本からドイツへ自転車を運ぶための公共交通手段や旅行中の宿について、具体的な金額を紹介しながら書き進められています。冒頭にもあるように、同書はほぼサイクリング初心者によるものですから、海外サイクリングを考えている方には、色々と参考になる点も多いのではないかと思います。 自転車の旅については、10日間の出来事が書かれていますが、サイクリング中のことはあまり出てきません。というのは、まず道が川沿いの平坦路であることから他の旅行記によくあるような峠越えのようなハイライトがありません。そして、各日の走行距離が長くて50km、少ない日は10kmとなっており、町から町への移動で自転車に乗り、あとはその街での観光といった内容になっている為でしょう。泊った宿の宿賃や食事事情はよく出てきますので、これらはドイツでのサイクリングを考えている方には参考になるでしょう。 この旅行記は、サイクリング中のイベントについてあまり書かれていない一方、その土地に関する歌の歌詞や物語の一説が紹介されています。同書はドイツサイクリングの参考になるほか、他のサイクリング旅行記と違った面があると思います。海外サイクリングを考えている方もそうでない方にも興味深く読める1冊ではないでしょうか。

自転車乗り快走ノウハウ

イメージ
 本日の1冊 今回は自転車趣味を楽しむための入門書といえる「自転車乗り快走ノウハウ」を取り上げます。同書は高村精一氏が監修した書籍です。 高村精一氏はNPO法人日本サイクルスポーツ協会理事長として紹介されていますが、自転車愛好家、サイクリストにとっては「ラバネロ」の高村さんのほうがわかりやすいでしょう。 内容は、前半をカラーページで自転車の種類とその特徴、自転車を購入する際のポイント、おすすめサイクリングコースを紹介しています。後半は「自転車に乗る」と題してウエア等の装備、乗車前チェック、マナー、乗車技術等を。また、メンテナンスや自転車用品、自転車と健康についても触れられています。 同書の写真で登場する自転車は、ラバネロはロード系が得意ということでしょうか、ロードバイクが多くなっています。特にサイクリングやメンテナンスの項目ではロードバイクメインかなという印象を受けます。 高村精一氏は、フレームビルダー、ショップオーナー、実業団チーム監督と自転車にかかわる多くの顔を持っている方です。同書はその経験やノウハウが詰め込まれた1冊といっていいでしょう。

スコット親子、日本を駆ける

イメージ
 本日の1冊 前回に引き続き、今回も自転車による旅行記を取り上げます。 アメリカ人の親子が、北海道の宗谷岬から鹿児島県の佐多岬まで約4,000kmを67日間かけて縦断した記録です。著者の妻が日本人ということから、親子サイクリングの場所として日本を選んだようです。 子供が8歳ということから、2台の自転車で走るのではなくトレーラーサイクルという特殊な自転車を使用しています。この自転車、前の自転車は通常の1人乗り自転車ですが、後ろにトレーラーサイクルを連結して2人乗りの自転車としているものです。この自転車はタンデムと違い、それぞれが自分のペースでペダリングしたり足を止めることができるそうです。 旅の記録は37の章に分けて語られています。1章から5章までは日本縦断を決意してからその準備について、6章からは道中の記録と続いています。親子は宗谷岬をスタートし、北海道の東部・南部を走破して函館まで走ります。北海道内での移動は、毎日の出来事や宿泊場所、観光について6章から20章まで使って詳しく書かれています。 青森に渡って以降の本州、四国、九州と続く旅の話は37章までの17の章で語られています。北海道での出来事が日々語られており、楽しく読み進んでいたことと比較すると、ちょっと道中を端折った感じの印象を受け、物足りなく感じるかもしれません。 タンデム自転車による夫婦旅行に比べると、親子での自転車旅行は例も多くなると思いますが、8歳と子供と海外ツーリングとなるとまた話は別です。父親にしても会社を辞めることなく、無給休暇を取得してとのことです。現在の日本では、なかなか実現が難しいでことでしょう。 著者は日本語もできるようで、道中で出会ったサイクリストや地元の人々との交流も数多く出てきます。同書はサイクリング旅行記として楽しめるのはもちろん、アメリカ人の視点で見た日本や日本人がどのように映ったかを知るという点でも興味を持って読めるのではないかと思います。

夫婦2人で世界一周自転車旅行

イメージ
 本日の1冊 今回取り上げるのは、自転車による旅行記です。 タンデムで夫婦2人、コースは北米、オセアニア、東南アジア、アフリカ、ヨーロッパ、南米と回っています。途中、一時帰国したり、紛争等の影響でアジア大陸の予定コースは断念したりといった部分はあったようですが、世界43か国26,000Kmを2年8か月かけて走破しているとのことです。 使用した自転車についての詳細は言及が無いのですが、クロモリのオーダーとの記述があったのは、自転車愛好家的にはグッと興味をひかれる点です。 旅での経験が全て語りつくしきれていないとのことですが、自転車の移動スピードでの道中記は、クルマやバイクと違う自転車ならではのゆったりとした旅の流れを感じます。 サイクリストであれば、国内で中・長期の自転車旅行をされた方はそれなりにいることと思います。しかし、海外となるとハードルはずいぶんと高くなりますし、まして世界一周となると早々実現できるものではありません。さらに、それが夫婦でのタンデム旅行となると非常に稀なことでしょう。 自転車愛好家やサイクリストの中でも、一緒に乗ってくれる相手がいないのでタンデムを持っていないという声も聞きます。また、持っていても宿泊旅行に出てくれるタンデムパートナーがいらっしゃる方は少ないのではないでしょうか。 そういった意味でも、夫婦でのタンデム旅行はどういったものかということは、とても興味惹かれるものと思います。

自動車の操舵系と操安性

イメージ
 本日の1冊 今回は、前回に続いてクルマに関する専門書を取り上げます。「自動車の操舵系と操安性」は山海堂から1996年に初版が発行された書籍です。同書は前回取り上げた「自動車のサスペンション」と同様、カヤバ工業の方々10名による執筆です。 カヤバといえば、ショックアブソーバーメーカーとしてご存じの方は多いと思いますが、パワーステアリング等の操舵系についても古くから製品を生産しています。同書は操舵系、特にパワーステアリングと4WS(4輪操舵)に主眼を置いて書かれています。 内容は、ステアリングの概要から油圧式パワーステアリング、電動式パワーステアリング、4輪操舵、そしてそれらの評価と将来について述べられています。 同書では、基礎理論編は無いのですが、各章で数式は度々出てきますので、やはり専門的知識が無いと理解が困難な点はそれなりにあると思います。 しかし、こちらにはステアリング装置の歴史に触れているページもあり、クルマ愛好家が興味を惹かれるであろう内容も含まれています。 前回サスペンション編でも触れましたが、操舵系においても性能評価でフィーリング試験の重要度は高いと述べています。人間の運転する車ですから、性能評価で人がどのように感じるかというテストは大事なのですね。 自分の経験を振り返ってみても、パワステで初期の電動式は油圧式に比べて違和感が強かった記憶がありますが、最近のものは言われなければ油圧式か電動式かを意識することはないほどにフィーリングに違和感が無くなっているように感じます。 最後に操舵系の将来について述べられていますが、その中で自動運転の可能性に触れられています。1990年代の中頃に発行された書物の中で既に自動運転について言及されているのは、自動車メーカーにごく近いサプライヤーはやはりかなり先のことまで見据えているのだなと感心します。 「自動車の操舵系と操安性」は専門的な書物だと思います。が、見方を変えてみて、アフターパーツとしてではなく、自動車メーカーに純正部品として直接的に製品を提供しているメーカーはどのような活動や開発を行っているか。その一端を知るために、メーカー技術者の著書を読んでみるのもよいのではないでしょうか。

自動車のサスペンション

イメージ
 本日の1冊 今回は、クルマに関する専門書を取り上げます。「自動車のサスペンション」は山海堂から1991年に初版が発行された書籍です。同書は12名による共著ですが、執筆者は全てカヤバ工業の方々です。 カヤバといえば、メーカー純正や社外品のショックアブソーバーメーカーとしてご存じの方も多いと思います。同書はサスペンションのスペシャリスト達によって書かれています。 内容は、サスペンションの概要からその構造と特徴、性能と基礎理論、構成要素、設定まで、図版もふんだんに使用して述べられています。図版はイラストもありますが、グラフも多く、基礎理論では数式が頻繁に登場します。一般的なクルマ愛好家向けというよりは、自動車工学系の専門家に向けた内容といってよいでしょう。 モータースポーツのサスペンションについて述べられている章は他に比べると専門知識が無くても理解しやすい内容となっているでしょうか。性能評価の章では専門的ではありますが、その専門家が「最も効果的な評価はフィーリングによるテストと考えられる」と言及しているのは興味深いです。 最後にサスペンションの新技術と将来として、電子制御サスペンションについて述べられています。電子制御のサスペンションは、1980年代にF1でアクティブサスの登場がいち早いと思っていましたが、同書によると1983年にトヨタ・ソアラが本格的な制御システムが搭載されたとあります。制御レベルは違うのでしょうが、F1と市販車の電制サスが同じような時期に登場していたというのは意外でした。 「自動車のサスペンション」は専門家や専門家を目指す方に向けた書籍だと思いますが、クルマのサスペンションをより専門的に理解してみたいという愛好家の方にとってもよいと思います。