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5月, 2022の投稿を表示しています

新型コロナのすべて

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 本日の1冊 今回はモーターファン臨時増刊「新型コロナのすべて」を取り上げます。 この「新型コロナのすべて」は、7代目となるトヨタ・コロナを取り上げた、ニューモデル速報の第11弾となるモーターファンの1982年3月臨時増刊号になります。 今ではその名を聞かなくなってしまいましたが、かつてはニッサン・ブルーバード、トヨタ・コロナの間で「BC戦争」といわれた販売合戦が繰り広げられ、コロナはトヨタの主力車種のひとつでした。 7代目コロナは、ファミリーカー的な先代までの曲線的なデザインから直線的でスポーティさを前面に押し出したデザインに大変革したモデルです。以前取り上げたセリカ、カリーナとともにトヨタのボディデザインが大きく変化していった時代の1台であり、このクラスがFF化していく前の最後のFR車という意味でも変化の流れの中にあったクルマといえるでしょう。 愛好家の中には、「クルマはやはりFRがいい」とお考えの方も多いかと思います。「新型コロナのすべて」を読めば、ファミリーカー的なクルマもFRであった時代のクルマ作り、そしてその走りはどうであったのかということを知るには良い1冊になるのではないでしょうか。

The Golden Age of Handbuilt Bicycles

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 本日の1冊 今回は「The Golden Age of Handbuilt Bicycles」を取り上げます。 同書は、2005年にアメリカで発行された自転車の写真集です。ただし、奥付を見るとこの初版本に関してはフランスで印刷されているようです。 「The Golden Age of Handbuilt Bicycles」には、1900年代初頭から2003年までのクラシックおよびクラシックスタイルのハンドメイド自転車50台が掲載されています。 自転車は全てスタジオで撮影されているようで、メッキ部の強い反射や映り込みが抑えられた、細部までよくわかる美しい仕上げの写真になっています。 撮影されている自転車は、洋書ということもあってルネ・エルスやアレックス・サンジェ他のいわゆる外車が全てです。日本のクラシックサイクルは、日本国内であれば目にする機会もあることでしょう。しかし、海外の自転車となるとその機会はぐっと少なくなると思います。 「The Golden Age of Handbuilt Bicycles」が手元にあれば、クラシックスタイルの美しい自転車をいつでも愛でることができるようになります。

Bicycle Quarterly

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 本日の1冊 今回は「Bicycle Quarterly Autumn 2008」を取り上げます。 Bicycle Quarterlyは、アメリカで出版されている季刊誌です。英語の雑誌ですが、記事はランドナー系のものも多く、この号は日本特集になっています。 巻頭特集では、東叡社のインタビュー記事が掲載されています。他には、グランボアの自転車が取り上げられていたり、カリフォルニア州バークレイにある日本人が経営するサイクルショップや日本のツーリング記事が掲載されています。 日本のランドナーの世界が、海外誌によって取り上げられることは少ないと思います。そのような中、Bicycle Quarterlyで日本のことが取り上げられていることは、日本人以外の目から見た日本のランドナーの世界ということで、興味深く記事を読み進められるのではないでしょうか。

シマノ自転車博物館

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 先週は大阪出張。日曜はシクロジャンブルに出店。月曜火曜は営業活動してきました。その際、移転・新規開館となったシマノ自転車博物館にお邪魔してきました。ご対応いただいた事務局長様によると、以前の3.5倍ほどの規模になったそうです。 館内は、世界最初と言われているドライジーネから最近のものまで様々な自転車が展示されています。途中にはミニシアターもあり、映像も楽しむことができます。 展示内容の説明について、事務局長様によると、自転車博物館は社会科見学で堺市の小学校の児童さんが訪れるので、小学生にも理解できる説明内容を基本にしているとのことでした。デジタル式の説明板は、小学生向けの基本説明に他に大人や愛好家向けに「詳細」「より詳細」な説明も用意されており、子供から大人まで楽しめるような工夫がされていました。 自転車を趣味やレジャーで楽しまれている方は、一度訪れてみることをお勧めします。 交通の便も良く、博物館には駐車場はありませんが、隣にコインパーキングがあります。鉄道では南海の堺東駅からは5分ほどとのことです。

4X4マガジン三菱パジェロ特集号

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 本日の1冊 今回は「4X4マガジン新型パジェロ特集号」を取り上げます。 同署は月刊誌「4X4マガジン」の増刊号として1991年に発行された2代目パジェロの特集号です。 内容は、前半で各ボディタイプの紹介と試乗インプレッションを掲載。後半はパジェロの歴史やメカニズム解説となっています。 パジェロは初代発売から人気が高く、オートキャンプブームとも相まって2代目モデルも販売好調で、当時の三菱自動車の屋台骨を担っていたといっても過言ではないでしょう。現在では国内市場から消えてしまったパジェロですが、販売終了となってから急に気になってくるということもあると思います。そのようなときには「4X4マガジン三菱パジェロ特集号」にような特集本がその知識欲を満たしてくれると思います。

ジムニー天国2007

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 本日の1冊 今回は「ジムニー天国2007」を取り上げます。 同署は2006年12月に発売されたJA11型とJB23型のカスタムジムニーを取り扱ったムック本です。カスタムカーとパーツを数多く紹介しており、各ショップのカスタムカーは50台を紹介。パーツは約90ページを使って掲載されており、総ページは200ページ以上になります。 軽自動車でありながら、本格的なオフローダーとして評価の高いスズキ・ジムニー。現行モデルは発売当初何か月ものバックオーダーを抱えるほどの売れ行き。絶版モデルも中古市場で人気があり、ドレスアップまたはカスタムされているジムニーも多く見ます。 先代、先々代ジムニーは、現行型に比べれば中古市場での数も多く価格もこなれていると思います。カスタムのベースとしても適しているとも言えるジムニー。現行型の新車をノーマルで乗るよりは中古車をドレスアップやカスタムをして乗りたいという方には、「ジムニー天国」はよい参考書になるのではないでしょうか。

ルネ・エルス解体新書

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 本日の1冊 今回は「旅する自転車の本Vol.4」を取り上げます。 この号は、「ルネ・エルス解体新書」と題しているようにルネ・エルスの特集号です。ルネ・エルスといえば自転車愛好家にとって垂涎の的、誰でも一度は所有してみたいと思っているのではないでしょうか。 この号では、そのようなエルスが何台も、また様々な車種が取り上げられています。登場するエルスも、「沼さんのエルス」とか「カトピンのエルス」といわれるような日本国内にあるエルスの中でも特に名高いルネ・エルスが登場してきます。 この「旅する自転車の本Vol.4」は、ルネ・エルスは持っていないけれども興味があるという方はもちろん、既にエルスをお持ちの方にも、登場する車種バリエーションを考えれば、持っていても損はないといえる1冊だと思います。

マウンテンバイクカスタムファイル

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 本日の1冊 今回は「マウンテンバイクカスタムファイル」を取り上げます。 同書はMTBのカスタムマニュアルとして1995年に発行されたものです。カスタム本ですので、当時のマスプロ車は出てこず、カスタムパーツや日米のMTBフレームビルダーの紹介が主な内容となています。 この頃はMTBも変革の時期にあったようで、リジッドサスとキャリパーブレーキのマウンテンバイクに後付けのディスクブレーキシステムやフロントサスがパーツとして紹介されているのは興味深い点です。 一風変わったところでは、三菱の十字号が紹介されているページがあることです。MTBとは直接ないと思うのですが、最近は十字号も一部で人気が出てきているようですので、興味を引かれる記事です。 現在のマウンテンバイクは、オートバイと見まがうばかりのフルサスが当たり前のようですが、「マウンテンバイクカスタムファイル」で紹介されているMTBはクロモリフレームで組まれた細身のものも登場します。 近頃はMTBの世界もロードの世界と同様、クラシックスタイルが再び注目されてきているようです。同書をみれば当時のMTBレストア、特にモデファイドレストアを行おうとしている方には良い資料となることでしょう。

自転車ラ・ストラーダ

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 本日の1冊 今回は「自転車ラ・ストラーダ」を取り上げます。 同書は1988年に発行されたムック本で、サブタイトルに「ロードレーサー'88」とあるように当時主流だったクロモリフレームのロードレーサーを主に取り上げています。加えて、当時の新素材フレームとして主に大メーカーから発売されていたカーボン、チタン、アルミフレームのレーサーを紹介。さらに森幸春選手他により行われた試乗インプレッションも掲載されています。 クロモリレーサーについては、フレームビルダーやショップブランドの自転車が50台以上取り上げられています。こちらは試乗インプレッションはありませんが、「フレームビルダーの声」として各ビルダーの主張や製作ポイントを知ることができます。 「自転車ラ・ストラーダ」はロードレーサーを特集した書籍です。クロモリフレームでオーソドックスなスタイルのロードレーサーが多くなりますが、今では見ることが無くなってしまったファニーバイクもいくつか取り上げられています。 80年代当時、どのようなスタイルのレーサーが存在し、次世代の素材としてどのような素材が登場してきたのかを知るには良い資料となると思います。

ラインナップ大図鑑

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 本日の1冊 今回は「ラインナップ大図鑑」を取り上げます。 同書は、個人の所有する自転車を3台から6台ずつのグループに分類。オーナーのコメントが述べられるという体裁になっています。詳細なスペックやアッセンブルはあえて載せず、ビジュアル的に楽しんでもらうことを狙っているそうです。 グルーピングは特にルールは無く、オーナーの主観で例えば車種別のグルーピングであったり、タイヤの太さでグルーピングをしたりといった感じです。 趣味の自転車は、競技用自転車と違いルールがありません。それが何年経っても、何台作っても楽しみが尽きない、自転車趣味の一つの要因だと思います。逆に入門者にとっては、わからない、迷ってしまうことの原因でもあると思います。 自転車をオーダーしてみようと思っている方は、ショップやビルダーに相談してみるとともに、「ラインナップ大図鑑」を眺めてみて、「こんなイメージの自転車を作りたい」と思える1台を探す。それをショップやビルダーに伝えることが、失敗しないオーダーのひとつの手法といえるのではないでしょうか。

スペシャルメイドサイクル パートIV

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 本日の1冊 今回は「スペシャルメイドサイクル パートIV」を取り上げます。 この本は、ニューサイクリング2001年1月増刊として発行されたもので、ニューサイクリング誌の通巻441号となります。 「スペシャルメイドサイクル パートIV」では120台ほどの自転車が紹介されています。同書では個人所有のエルス、サンジェ、トーエイといった内外で名の知られた自転車はもちろん、サイクルショップ、フレームビルダーの所有する自転車も紹介されています。 車種も多様で、スペックやアッセンブルパーツが詳細に詳細されている自転車も多くあります。本文はモノクロですが、120台ほどの中から30台余りは巻頭にカラーで写真が掲載されています。 ベテランサイクリストで自転車を何台もオーダーしているという方ならば、自分なりの考えで新たな1台を作り上げることは可能かと思います。しかし、初心者やオーダー初級者はどのような自転車を作ればよいか、そのとっかかりすらつかめない方が多いと思います。そのような時の参考書として「スペシャルメイドサイクル パートIV」があれば、ページを繰ってみて、「この自転車は素敵だな」とか「この自転車が好き」という1台を見つける。そこから自分の1台の構想を進めていくと良いと思います。

ホンダ・シティのすべて

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 本日の1冊 今回は「ホンダ・シティのすべて」を取り上げます。 ニューモデル速報第10弾となる同書は1981年12月発行で、ホンダから発売された新型車シティを紹介しています。ホンダ・シティはトールボーイデザインと1.2リッターエンジンを搭載した今までのホンダに無かった新しいクラス。現在のホンダでいえば、フィットの先祖といえるクルマです。シティは、マッドネスの歌にのった当時のCMも特徴的で、一世を風靡しました。 さらに、シティにはモトコンポという原付バイクがオプション的位置づけで用意されました。モトコンポは、ハンドルとシートを折り畳むと、シティのラゲッジスペースにぴったり収納できるように作られていました。 あれだけ売れたシティも、今では街で見かけることがとんと無くなってしまいました。日本のコンパクトカー史上では、エポックメイキングなクルマといえるシティ。巻末には縮刷版カタログが収められており、モトコンポやシティの4ナンバーモデル「シティ・プロ」の情報も載っています。 「ホンダ・シティのすべて」は、現シティオーナーやシティファンに持っていただきたい1冊です。

新型スカイラインRSのすべて

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 本日の1冊 今回は「新型スカイラインRSのすべて」を取り上げます。 同書は、ニューモデル速報第5弾で登場した6代目スカイラインに追加グレードとして登場した「RS」を取り上げた1冊です。 通常、全てシリーズはフルモデルチェンジしたモデルを取り上げます。その為、取り扱い範囲は広く、どうしても広く浅くなりがちでした。それに対して同書は新型スカイラインのRSグレード、そして新登場のFJ20型エンジンのみに絞った扱いです。同じボリュームで1グレードのみを扱うとなれば深堀りも可能で、RSはもちろん、歴代のスカGや日産DOHCエンジンにまつわるレースシーンも多く取り上げられています。 「新型スカイラインRSのすべて」は、一代限りで終わってしまったRSグレード、そしてFJ20型エンジンを専門に取り上げた数少ない雑誌のひとつだと思います。歴代GT-Rの狭間にあった4気筒DOHCエンジン搭載モデルですが、スカイラインのホットモデルであることに変わりはないでしょう。スカイラインファン、特にRのファンにとっては他のRの資料とともに揃えておくべき1冊だと思います。

イベント出店のお知らせ

 イベント出店のお知らせ 5月22日(日)大阪の服部緑地公園で自転車関連のフリーマーケット、シクロジャンブルが開催されます。(雨天中止) 轍堂は、このフリーマーケットに出店する為、5/21(土)と5/22(日)の店舗営業をお休みさせていただきます。

新型アコード&ビガーのすべて

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 本日の1冊 今回は「新型アコード&ビガーのすべて」を取り上げます。 同書で取り上げているホンダ・アコード&ビガー。アコードは2代目のモデルで、ビガーはこのモデルから登場した車名です。アコードとビガーはいわゆる兄弟車で、販売チャンネルの関係でアコードはホンダ店(後のクリオ店)、ビガーはベルノ店の取り扱いとなっていました。 外観上の特徴は、アコードが異形ヘッドライトだったのに対し、ビガーは規格の角型4灯ヘッドライトでした。また、レジェンドが登場するまでは同車がホンダの最上級車種でした。当時、ベルノ店にはスペシャリティカーとしてのプレリュードがありましたので、アコード・ビガーの位置付けはラグジュアリーな路線でした。エンジンも1600ccと1800ccの2種類で、現在のような「R」を冠するようなホットモデルはありませんでした。そのかわり、全車クルーズコントロールを標準装備したり、ナビゲーションシステムをオプションで設定する等、充実した装備を誇っていました。このナビシステムは「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」といい、世界初のカーナビでした。 1981年に発行された「新型アコード&ビガーのすべて」のアコード・ビガーは、スポーティ路線、ミニバンブーム以前の、四輪車に参入した当初のホンダ車の雰囲気を色濃く残しているモデルだと思います。 昔のホンダ車はどんな性格のクルマだったのだろう、そのようなことを知りたい方にとって、同書はいい資料となるのではないでしょうか。

新型カリーナのすべて

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 本日の1冊 今回はモーターファン別冊「新型カリーナのすべて」を取り上げます。 1981年10月発行の同書は3代目となるトヨタ・カリーナを紹介した1冊。カリーナは、クラス的にはカローラよりも上でコロナよりも下、その隙間を埋める位置付け。セリカと共通のプラットフォームなので、車格的にはセリカと同じとなりますが、セリカはスポーツやスペシャリティカー的位置付けとなっています。それに対してカリーナは、セダンとクーペというカローラ、コロナにより近い位置付けの為、当時はより隙間商品的なイメージを受けたのかもしれません。今になってみれば、スポーツモデルが欲しいけれども家族がいるから2ドア系は買えないといったニューファミリー層にうってつけの位置付けだったといえます。 セリカと共通のプラットフォームですから、その走りのスポーティさは想像に難くありません。加えてセダンの乗車人数とその使い勝手の良さ。当時のCMで流れた「やったね千葉ちゃん」のフレーズも印象的で、渋い選択のクルマとして人気があったように思います。 旧車として取り上げられることは少ないと思いますが、18R-GEUや2T-GEUを搭載したホットモデルもあり、いまさら乗るのも面白いかもと思わせてくれるクルマです。もし、このクルマに興味が湧いたら、「新型カリーナのすべて」の入手をおすすめします。

twin drive DUJEE

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 本日の1冊 今回取り上げるのは、自転車カタログ「twin drive DUJEE」です。 DUJEEは、三菱重工製のジュラルミンフレーム自転車「十字号」のことです。こちらのカタログは英語版となっています。一方、押してあるゴム印にはかなり薄いのですが「三菱重工業津機器製作所」と読めます。海外向けカタログのように思えますが、国内で流通していたようです。 十字号は1950年前後に販売されていましたので、GHQやその関係者に向けて作られたカタログかもしれないですね。当時の輸出品には「Occupied Japan」とあるはずですが、それが見当たらないことから考えても日本国内向けの英語版カタログとみるのが妥当な気がします。ただし、製品ではなく製品カタログにも「Occupied Japan」と入れる必要があったかは定かではありませんが。 こちらのカタログに掲載されているモデルは、以前ご紹介した日本語版とはモデルが異なり、タイプも2種類となっています。大きな違いはフロント周りにあります。タイプの違いは車輪径の違いによるもので、その他の仕様は共通となっているようです。 「twin drive DUJEE」のカタログは戦後間もなくのものです。「三菱重工業津機器製作所」は1949年に他製作所と統合されており、「三菱重工業」の名自体も財閥解体の影響で1950年には一旦その名が消滅しているようです。このことから考えると、このカタログは1949年以前のものと考えられます。戦後間もない頃の資料は少ないと思いますので、自転車趣味としてはもちろん、学術的にも貴重な資料かもしれませんね。

THE GIANT AND THE FILE

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 本日の1冊 今回は「THE GIANT AND THE FILE」を取り上げます。 「THE GIANT AND THE FILE」はカンパニョーロ社の創業者トゥーリオ・カンパニョーロの伝記です。同書は、1993年にカンパニョーロ社が発行したものです。巻頭には、「A tribute to my father.」と題して息子であり現社長のヴァレンチーノ・カンパニョーロ氏の言葉が載っています。 同書は、発行がイタリアのカンパニョーロ社ですが、本文は英語となっています。著者もイタリアの方のようです。おそらく、本来はイタリア語で書かれ、それを英訳したものでしょう。 「THE GIANT AND THE FILE」は奥付に非売品と書かれています。一般販売はされていない書籍のようですので、大変に貴重なものと思います。カンパニョーロ社の創業者であるトゥーリオ・カンパニョーロとはどのような人物であったのかをよく知るためにはとても良い1冊ではないでしょうか。

DUJEE号

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 本日の1冊 今回取り上げるのは自転車のカタログ「DUJEE号」です。 DUJEE号 は、三菱重工業が戦前の航空機製造技術を活用して製作したジュラルミン製フレームの自転車「十字号」のことです。 カタログは、大きな表裏1枚物を6つ折りにした体裁になっています。このカタログに掲載されている三菱の住所は、本店以外に「津工場」があります。ということは、十字号は津工場で製作されていたということでしょう。 表紙面には、緒言として十字号開発の動機が述べられています。また特徴として、車体形状は特異であるが車輪径(26インチ)や車体の角度寸法(ヘッドアングルとトレール寸法)は従来の規格車と変わりが無い。つまり今までの自転車と乗った感じは変わらないということを言っているのだと思います。それに対して重量は、従来車に比較して25%軽量化していると謳っています。 裏面には、写真・イラストとともに(ヘッドベアリング、サドル、ブレーキの)調整法とフレーム等の構造が説明されています。これを読むとフレームとフロントフォークの構造やハンドルの特徴がよくわかります。 戦後まもなく登場した三菱十字号、70年近く前の自転車ですから今ではとても貴重になっていると思います。反面、貴重となっている分博物館などで自転車本体を見る機会はあるようです。しかし、カタログといった資料はなかなか目にすることができないと思います。もし、十字号のレストアを考えている方や興味をお持ちになっている方には、良い資料になると思います。

新型コスモ・ハードトップのすべて

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 本日の1冊 今回は「新型コスモ・ハードトップのすべて」を取り上げます。 同書は、モーターファン1981年10月臨時増刊として発行されたニューモデル速報の第6弾です。同書は、当時発行されたオリジナル版です。 コスモは当時のマツダの最上級モデルで、いわゆるスペシャリティカーといわれていたクラスのクルマです。同書で取り上げているのは、後に発売される4ドアやロータリーエンジンに先駆けて発売されたレシプロエンジン搭載の2ドアハードトップです。 同書は2ドア主体ですが、4ドアモデルが発表会に参考展示されていた写真が数枚、新型ロータリーエンジンについては3ページにわたって詳細情報が掲載されています。 このコスモは表紙写真からもわかる通り、現在の新型車では見ることが無くなってしまったリトラクタブルヘッドライトを採用したスタイリッシュなボディが特徴。そのスタイルは美しさだけではなく、空力特性の良さも売りにしていました。 ミニバン系やSUV等が人気の現在では、すっかり廃れてしまった感のある2ドアスペシャリティカー。かつてはこの手のモデルが各社から発売され、人気を誇っていました。最近見なくなってしまったこの手のクルマを今見ると、かえって新鮮に見えるかもしれません。 今どきのクルマに少し飽きてしまった方、この1冊は意外に楽しく眺めることができるのではないでしょうか。

ほんとうに幸福な自転車乗り

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 本日の1冊 今回はサイクリストの対談集「ほんとうに幸福な自転車乗り」を取り上げます。 同書は著者の二人、エンゾ・早川氏と森幸春氏の対談をまとめたものです。副題に「ロードバイクについて森幸春さんと話したこと」とあるように自転車、特にロードバイクに焦点を当てた内容となっています。対談期間は約2年、場所は神奈川県内他のお店。体裁的には対談というよりは、食事しながらの雑談といったほうがより近いようなざっくばらんとした印象です。そのぶん、より本音ベースの話になっているかもしれませんね。 対談では、「自転車乗り」の「食べ物」「お店」「体」「美学」「パーツ」等について語られています。 同書が発行されたのは2015年です。実は著者の一人、1982年のロードレース全日本チャンピオン森幸春氏はその前年2014年に癌で亡くなっています。 その為、本自体は共著者である早川氏によって1冊にまとめられていますが、対談の内容自体は森さんの生前のことですから変わることはないと思います。 「ほんとうに幸福な自転車乗り」は、自転車乗り森幸春氏の現在の自転車を取り巻く様々な環境に対する忌憚のない意見が読める最後の書といえると思います。森幸春ファンは、必読の1冊といえるのではないでしょうか。

早わかり自動車運転法

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 本日の1冊 今回は「早わかり自動車運転法」を取り上げます。 同書は、1967年発行です。自動車運転免許は、現在であれば指定自動車教習所へ通い卒業後に運転免許試験場へ行って学科試験を受けるのが一般的であると思います。これは、公安委員会が指定した教習所を卒業すれば、一定期間試験場での技能試験が免除されるためです。 1960年に指定自動車教習所制度が始まっていますが、それ以前やそれ以降でも指定教習所が広く一般に普及するまでは、いわゆる一発試験といわれる、運転免許試験場で技能・学科の試験を受けることが一般的でした。 同書は、一発試験を受ける方に向けた運転方法の教科書となるものです。内容は、目次を見ると「基本操作」として「運転室にある装置」「ハンドルのにぎりかた」に始まり、「ダブルクラッチ」といった項目もあります。「基本走行」では「直線コース」「クランクコース」「車庫入れコース」等。最後の「実地試験」では「実地試験のやり方」と「試験管の注目点」が書かれています。 「早わかり自動車運転法」は、図版をふんだんに盛り込んではいますが、文章で運転方法を説明しています。本を読むだけで運転できるようになるものかなと疑問に思いますが、免許を持っているものが読むと、確かにそういう感じだなと思える記述になっています。 また、受験者の側だけではなく試験官の注目点も掲載されいますので、技能試験受験の際に注意すべき点の復習にもなるのではないでしょうか。

新型スカイラインのすべて

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 本日の1冊 今回は「新型スカイラインのすべて」を取り上げます。 同書はすべてシリーズといわれるモーターファンの1981年10月別冊として発行されたニューモデル速報の第5弾です。すべてシリーズは、現在も発行が続いている人気シリーズ。復刻版も出たりしていますが、同書は1981年に発行された当時のオリジナル版になります。 スカイラインは、プリンス自動車から日産自動車に引き継がれ、その名が現在も続くモデルです。過去モデルでは旧車ファンに人気のハコスカやケンメリがあります。そして、現在は別車種の扱いですが「GT-R」といえばスカイラインでした。 この「新型スカイラインのすべて」で取り上げているR30型はGT-Rが途切れていた時期のモデルで、発売当初はL型6気筒エンジンを搭載したGT系と、Z型4気筒のTI系でした。 発売当初、スポーツ度ではやや物足りない感があったR30型ですが、バリエーションは豊富で、ボディは2ドアハードトップや4ドアセダンはもちろん、5ドアハッチバックも初登場。同書には取り上げられていませんが、数か月遅れで商用のライトバンまでラインアップされました。 スカイラインの歴史上、最もボディバリエーションの豊富だった6代目スカイライン。この「新型スカイラインのすべて」には、今では入手困難になっている希少なモデルやグレードの情報が掲載されていると思われます。スカイラインファン、特に歴代モデルを追い続けているスカイライン歴史ファンには入手必須の1冊といえるのではないでしょうか。

新型セリカ&セリカXXのすべて

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 本日の1冊 今回は「新型セリカ&セリカXXのすべて」を取り上げます。 同書はいわゆる、すべてシリーズといわれるモーターファンの1981年8月別冊として発行された新車速報の第3弾となるものです。 全てシリーズは現在も発行が続いており、絶版分についても復刻版が発行されるほどの人気シリーズです。今回取り上げた1冊は、復刻版ではなく当時発売されたオリジナル版になります。トヨタのセリカと、その上級版といえるセリカXXの新型車が紹介されています。 セリカは現在のトヨタラインアップに名はありませんが、初期の「ダルマ」や「LB」といわれた旧車としても人気の高いモデルがありました。また、後にセリカは世界ラリー選手権(WRC)でも活躍したモータースポーツファンにもなじみのモデルです。 セリカXXは、4気筒のセリカに対して6気筒エンジンを積んだ上級版といえるモデルです。「XX」はアメリカでは少々よろしくないイメージがある為、北米モデルは「スープラ」という名前でした。スープラは近年久々に復活し、以前からのスープラファンには喚起を持って迎えられたモデルです。 「新型セリカ&セリカXXのすべて」で取り上げられているのはセリカの3代目、セリカXXとしては2代目となるシリーズの新車速報です。モデル詳報や試乗レポート、とじ込みのカタログ等、当時の資料として貴重な情報が盛りだくさんのすべてシリーズ。セリカファンとしては見逃せない1冊であることは間違いないでしょう。