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9月, 2022の投稿を表示しています

サーキットの狼 第1巻

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 本日の1冊 今回は「サーキットの狼 第1巻」を取り上げます。 「サーキットの狼」は週刊少年ジャンプで連載され、スーパーカーブームのきっかけとなった漫画で単行本は第1巻が1976年に発行されました。 ロータス・ヨーロッパに乗る主人公、ロータスの狼こと風吹裕矢は暴走族の中でも一目置かれる存在。グループに属せず一匹狼として公道レースに明け暮れる。そこで、永遠のライバルとなるポルシェ911カレラRSを駆る早瀬左近と出会う。第1巻では、その後の公道グランプリで戦うこととなるライバル達も登場し、第2巻から第5巻までは公道グランプリが繰り広げられます。 スーパーカー世代にとっては、第2巻から第5巻までの公道グランプリが最も印象に残っているのではないかと思います。主人公の乗るクルマ、そして様々なレースの中でライバルたちが乗るクルマたちは、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ他、ヨーロッパのいわゆるスーパーカーと呼ばれたスポーツカーで、実在するクルマというのもこの漫画の大きな特徴といって良いでしょう。この漫画とブームによって、日本にも数多くのスーパーカーが輸入されました。この現象も、漫画に実在するクルマを登場させていたことが大きいですね。 「サーキットの狼 第1巻」そしてそれに続く第5巻までは、漫画サーキットの狼、そしてスーパーカーブームのきっかけになった物語を知るために抑えておきたいコミック本といえるでしょう。

アレックス・サンジェ

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 本日の1冊 今回は「パリの手作り自転車アレックス・サンジェ」を取り上げます。 「パリの手作り自転車アレックス・サンジェ」はかつてパリにあった工房の自転車を取り上げた写真集といってよい1冊で、2011年に発行されました。 同書は45台のサンジェを車体のシリアルナンバー順に掲載しており、サンジェを年代を追ってみていくことができる構成となっています。また、基本構成は写真集といった体裁ですが、アレックス・サンジェの歴史やサンジェにまつわるトピックスが途中途中に掲載されています。 掲載されているサンジェはスタジオ撮影されているようで、どれも美しい写真で全体そして細部を見ることができます。車種はランドナーを中心に、スポルティフ、クルスルート、ミキスト、プロムナード、タンデムが紹介されています。中には故今井彬彦ニューサイクリング編集長や故新田眞志氏がオーナーであった、愛好家の間では有名なサンジェもあります。特に圧巻なのは、1番目に登場する1946年のグランプリ・デュラルマン優勝車で、サンジェファンであればこの1台の写真を見るためだけでも同書を入手すべきといっても過言ではないと思います。 「パリの手作り自転車アレックス・サンジェ」は、美しい写真と関係者による文章でアレックス・サンジェが紹介されています。写真によって多くの車種を見ることができるとともに、巻末には1950-1951カタログが掲載されており、当時のカタログモデル全てを知ることができます。これはサンジェファンならずとも、ランドナー乗り、特にフレンチスタイルのランドナーをオーダーしようと考えている方にとってはとても良い参考書となることでしょう。

カンパニョーロ

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 本日の1冊 今回は「カンパニョーロ(日本語版)」を取り上げます。 同書は、カンパニョーロ社75年の歴史を綴った「Campagnolo The gear that changed the story of cycling」の日本語翻訳版で、2009年に発行されました。 「カンパニョーロ」は、冒頭で自転車と自転車競技についてトゥーリオ・カンパニョーロ登場以前の歴史に触れています。カンパの歴史を語るうえで有名な1927年のクローチェダウネ峠の件からは、トゥーリオの半生そしてカンパニョーロ社の歴史について各時代の製品とともに語られています。 製品では、クイックリリースやロッド式変速機。各時代を代表するものとしては、グランスポルト、レコード、スーパーレコード等が登場。近年の話では完組ホイールやカーボン製品の登場。新ブランドのフルクラム等について触れられています。 「カンパニョーロ(日本語版)」は、当初海外版(外国語)でしか読むことができなかったカンパニョーロの歴史について日本語で読むことができる書籍として、カンパファンのみならず、自転車愛好家であれば手元に置いておくべき1冊だといってよいでしょう。

ニューサイ的オーダーメイド車発達の系譜

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 本日の1冊 今回は「ニューサイ的オーダーメイド車発達の系譜」を取り上げます。 「ニューサイ的オーダーメイド車発達の系譜」はニューサイクリング誌創刊600号記念増刊として2013年に発行されました。 同書の構成は、過去のニューサイに掲載された記事の再掲と新たに書き下ろされた文章となっています。各記事は、「ハンドメイド自転車、特にツーリング用車製作の経験とノウハウに役立つ記事をまとめて、進歩の過程を圧縮した形で追体験あるいは疑似体験してもらう」ことを意図しているとのことです。 再掲記事は、当時の今井彬彦編集長による「一人で車種別に自転車を持つ」シリーズの連載記事から始まっています。この記事は当時の読者の多くに衝撃を与えたようで、その後の自転車趣味の方向付けとなった方も少なくなかったようです。 「ニューサイ的オーダーメイド車発達の系譜」は同時代性をもってニューサイを読んでいた方には懐かしい内容となっていると思います。また、これからオーダー車、特にクラシカルなランドナーの世界に踏み入れていこうと考えている方には良い参考書になると思います。

自転車メンテナンス

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 本日の1冊 今回は「自転車メンテナンス」を取り上げます。 「自転車メンテナンス」は、著者である新田眞志氏の前著「自転車メンテナンスブック」以降8年間の変化を反映して再編したもので、1995年に発行されました。 同書は、各部のメンテナンスや調整、消耗パーツの交換方法等を、多くの写真を用いて解説しています。メンテナンスについては、日常のメンテナンスにとどまらず、オーバーホールレベルのメンテナンスについても触れられています。解説項目は、駆動系等スポーツ車各車種に共通の項目に加えて、ライティングやマッドガード等のランドナー系車種を対象とした項目も設けられています。一方で、MTB系のサスペンションについてはその手の専門書に譲るとして同書では扱っていません。 同書にはメンテナンス以外にも「チューンアップ」「ドレスアップ」「オーダーメイド」のページも設けられています。特に「ドレスアップ」というのは他であまり見かけない珍しい項目だと思います。「ドレスアップ」の項では、パーツアッセンブル時にバランスの取れた自転車全体が美しく見えるような組付け寸法等を紹介しています。 「自転車メンテナンス」は、発行が1990年代ということもあり、現在からみると、いわゆるクラシックパーツといわれる範疇の部品を使用した、ロードやランドナーをメンテナンスする方にとって最適な参考書といえるでしょう。

イベント出店のお知らせ

轍堂は 10月に下記イベント 10月15日(土) 諏訪湖の片倉館で開催される「French Vélo Meeting」の「ノスタルジー・バザール」 10月22日(土) 京王閣競輪場で開催される「京王閣競輪場サイクルフリーマーケット」 に出店いたします。 従いまして、10/15および10/22は、轍堂の店舗営業をお休みさせて頂きます。

ツール・ド・フランスを追いかけて

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本日の1冊 今回は「ツール・ド・フランスを追いかけて」を取り上げます。 「ツール・ド・フランスを追いかけて」は、1970年代からツールを追いかけてきた著者による取材記で、1991年に発行されました。 著者は1976年に別のスポーツ取材でヨーロッパ各地を訪れた際に、ジロ・デ・イタリアの最終日にエディ・メルクスの走りを目の当たりにした。そこで、翌年からメルクスの走りを見たいという思いに駆られて、ツール・ド・フランスの取材を始めることとなったそうです。 同書は、文章とともにフォトグラファーである著者の写真が多く掲載されています。その内容はレースそのものの取材記というよりは、レース前後や移動、その他のレース以外の舞台裏やサイドストーリーが主多く語られています。写真もレース以外、レース観戦に訪れた観客やレースの通過する街の人々の風景を切り取ったものがあり、雑誌のレース速報だけでは見られないツールのもう一つの顔を知ることができます。 「ツール・ド・フランスを追いかけて」は、1970年代後半から80年代にかけての取材が元になっています。掲載写真では、エディ・メルクスをはじめ、同時代に活躍したベルナール・イノーやグレッグ・レモン、ローラン・フィニヨン等のスター選手を見ることができます。文中ではツールに参加した日本人メカニックの話もあります。ツールのことを知りたい。特にレースレポートだけではわからない、ツールにまつわる周辺の話を知りたいと思っている方には楽しめる1冊だと思います。

0916実用カタログ'87

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 本日の1冊 今回は「実用カタログ'87」を取り上げます 「実用カタログ'87」は、サイクルスポーツ誌の1986年11月臨時増刊として発行されました。内容は自転車、主にスポーツサイクルといわれるジャンル、ロードレーサーやランドナーに使用するパーツを掲載しているカタログ本となっています。 各パーツは、写真1点にスペックと販売価格という構成で掲載されています。多くのページはモノクロですが、一部のパーツは巻頭のカラーページに掲載されています。チェンホイールやディレイラーもカラーで見ると、金属やアルマイトの質感がより分かりやすくなっています。また、同書ではカラーページの企画として内外のフレームが掲載されています。フレームは色やデザインが各ブランドで特徴があるので、カラーで見られるのはありがたいですね。カラー企画には、「コンポーネントパーツ」と称してカンパニョーロ、シマノ、サンツアー、スギノの各コンポーネントが取り上げられています。現在ではパーツのコンポーネント化は当たり前になっていますが、1970年代頃からレーシングパーツで登場してくるまでは、グレードやメーカーをまたいだ単品の組み合わせでのアッセンブルが当たり前のように行われていました。80年代後半でもコンポーネントパーツは、企画で取り上げるほど特別なものだったのですね。 そして、「実用カタログ'87」の大きな特徴は、一部のパーツについてスモールパーツリストが掲載されていることです。一例をあげると、シマノ・デュラエースやサンツアー・シュパーブプロの前後変速機とWレバーの展開図と各パーツの名称と価格が載っているといった具合です。 「実用カタログ'87」は、当時のパーツカタログとしてランドナー系のサンプレやユーレーも網羅していますし、一部ではありますがスモールパーツリストも掲載されていますので、クラシックパーツのコレクターや、レストアラーにとって役に立つ1冊だと思います。

シクロツーリストVol.3

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 本日の1冊 今回は「シクロツーリストVol.3」を取り上げます。 「シクロツーリストVol.3」は2011年の発行で、特集はスチールフレームのオーダーについてとなっています。ビルダーは、ランドナー系の車種製作に対応できる工房を紹介しています。また、フレーム、自転車をオーダーする際のノウハウや実際のオーダー車制作記もあり、ランドナーのオーダーとはどんなものなのかということが多面的に取り上げられています。 第2特集では、標高2,000m超の車道峠をランドナーで越える走行リポートとなっています。リポートにある「渋峠」「大河原峠」「麦草峠」「コマクサ峠」「大弛峠」はいずれも長野県内にあります。鉄道やクルマを利用しての移動を使えば、日帰りの峠越えも可能でしょう。また、この5つの峠は比較的近い範囲にありますので、1日にひとつの峠を越えながらツーリングをするといったことにチャレンジすることも可能です。 「シクロツーリストVol.3」は、ランドナーオーダーと超級峠越えサイクリングのふたつが特集となっています。これを読んで、峠越え仕様の旅行用ランドナーをオーダーし、完成した暁には超級峠5連続走破のツーリングに出てみるのはいかがでしょうか。

シクロツーリストVol.1

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 本日の1冊 今回は「シクロツーリストVol.1」を取り上げます。 「シクロツーリスト」は、「自転車と旅が好きな人、興味がある人へ向けて情報を発信するセレクトブック」ということで、Vol.1は2010年に発行されました。 特集では「ランドナーのすべて」と題してランドナーに関する基礎知識やランドナー向けの最新パーツの紹介。また、日本のランドナー界を語るうえでなくてはならない鳥山新一氏のインタビュー記事や東叡社の歴史紹介等も掲載されています。 他にも、ランドナーに関するノウハウや情報が1冊の中に詰まっています。そして、創刊記念として「トーエイ」「ロイヤルノートン」「タルタルーガ」「タイレル」のロゴシールが付いています。 「シクロツーリストVol.1」は、ランドナーを趣味とされている方もこれから始めてみようと興味を持たれている方どちらにも、手元に置いておくべき1冊といってよいと思います。

自転車部品の美学

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 本日の1冊 今回は「自転車部品の美学」を取り上げます。 「自転車部品の美学」は、主に1970年代から1980年代頃のクラシックパーツについて書かれたもので、2012年に発行されました。部品の選択は著者の好みによるもので、各時代の代表的な部品を取り上げたものではありません。70年代や80年代のランドナー系パーツというと、カンパやサンプレ、ユーレーといった外国製パーツが注目されがちですが、同書では日本パーツが多く取り上げられています。一例をあげると、リアディレイラーは全25点のうち、11点が日本製パーツ。フロントディレイラーでは、全12点中8点が日本製パーツとなっています。 部品構成は、変速機系、車輪系、駆動系、ブレーキ系、操舵系、サドル、ライティングと一通り網羅されています。それぞれの部品は見開き2ページで、1ページは著者の文章で、もう1ページは写真が1点ないし2点という構成になっています。 「自転車部品の美学」は、70年代・80年代のパーツに興味がある。イタリアやフランスパーツも好きだけれども、日本製パーツについても色々と知りたいと思っている方に最適な1冊だと思います。

旅自転車ランドナー&ツーリング車の本

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 本日の1冊 今回は「旅自転車ランドナー&ツーリング車の本」を取り上げます。 「旅自転車ランドナー&ツーリング車の本」は、ランドナー系のムック本で2020年に発行されました。同書はキャンピング車を特集しており、ランドナーの中でも普段あまり目にすることが少ないキャンピング車が色々と取り上げられています。 特集以外では、ランドナーを得意とするショップや数台のルネ・エルスが紹介されています。 「旅自転車ランドナー&ツーリング車の本」はキャンピング車に関する情報が豊富ですので、キャンプツーリストは見逃せない1冊だと思います。そして、同書には日本のランドナー文化に多大な影響を与えることとなったエルスが2台掲載されています。エルスファンにとっても見逃せない1冊になっていると思います。

栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング

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 本日の1冊 今回は「栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング」を取り上げます。 「栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング」は、プロロードレーサー、実業団チーム監督を経験している栗村修氏による著書で2012年に発行されました。栗村氏は現在、グランツールの番組解説等もしておりますので、ご存じの方も多いことでしょう。 同書はロードレース向けのトレーニング指南書で、ホビーレーサーでも参考となる内容になっています。構成は、フィジカルやライディングテクニックはもちろん、体のメンテナンスや食事についても言及しています。最後の章では「速く走るためのヒント」と題して自分に合ったショップの選び方やトレーニングコースの選び方等についても触れられています。 ロードレースの為のトレーニングというと、体を鍛えたりライディングテクニックを養ったりというほうに目が行きがちです。もちろんそれは大切なことですが、ライバルに差をつけるにはもっと視野を広げてトレーニングをすることも必要でしょう。 「栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング」は、ロードレーストレーニングについて幅広い範囲を網羅していると思います。ロードレースを本格的に取り組むための初めてのトレーニング書として適した1冊ではないかと思います。

クロモリバイク徹底レストアBOOK

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 本日の1冊 今回は「クロモリバイク徹底レストアBOOK」を取り上げます。 「クロモリバイク徹底レストアBOOK」は、クロモリバイクいわゆるスチールフレームのロードレーサーのレストア本で、2017年に発行されました。同書で取り上げているのはロードバイクということで、ランドナー等の泥除けの付いた自転車は登場してきません。 最初の特集では、内外ブランド7台のクロモリロードのレストア記となっています。第2特集ではパーツのレストアに関するアイデアや組付けに関するノウハウが紹介されています。 最近はフリマやオークションで中古のフレームや部品を入手して、レストアを楽しんでおられる方もいると思います。レストアのノウハウもネット等で探している方も多いことでしょう。 「クロモリバイク徹底レストアBOOK」は、レストアの実例やノウハウが1冊にまとめれています。ネットで色々と情報を集めるのも楽しいと思いますが、色々な情報を一つにまとめた書籍を一つ持っておくのも良いと思います。

旅する自転車の作りかた

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 本日の1冊 今回は「旅する自転車の作りかた」を取り上げます。 「旅する自転車の作りかた」は、オーダーメイドのツーリング用自転車の製作について書かれたもので、2011年に発行されました。 旅用の自転車というと、古くはランドナー、現代ではMTBも多く使われていると思います。同書では、ランドナー、特にビルダーにオーダーするスチールフレームを用いてツーリング車に仕上げていく方法に焦点を当てて紹介しています。 部品の選択についてもランドナースタイルで、例えばヘッドパーツはインテグラルではなくスレッドタイプが前提。ホイールは手組ホイール、変速はWレバーでブレーキアウターは上出しといった、クラシカルなスタイルを基本としています。 部品の組付けに関しては、サイクルショップの店長を務める著者が自店でのやり方を紹介する形となっています。それはそのまま、自身で組むならばこのように行いましょうという教科書になると思います。 自転車のパーツアッセンブルに関しては、ロードの組み方を紹介したものは雑誌の特集やムック等でも見かけると思います。しかし、ランドナーでは今やロードでは使われなくなったWレバーやアウター外出しのブレーキレバーを使用したりします。さらにランドナーならではの組付け部品にマッドガードがあります。 「旅する自転車の作りかた」は、ランドナーならではの使用パーツの組付け方に特化した形で紹介しています。これから自分でランドナーを組んでみたいと考えている方は、参考書として持っておきたい1冊です。

自転車フィットネス健康法

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 本日の1冊 今回は「自転車フィットネス健康法」を取り上げます。 「自転車フィットネス健康法」は、「バイコロビクス」の提唱者である鳥山新一氏が著した1冊で、1988年に発行されました。「バイコロビクス」については、1976年に同様の著書「サイクリング心身健康法」を出しています。「自転車フィットネス健康法」はその後の研究成果を取り入れ、特に時代の高齢化に対応した、成人病対策プログラムを細分化したものを同書に反映させています。 具体的には、従来1つであった成人病対策プログラムを「糖尿病」「高血圧」「コレステロール」「痛風」の4つの対策プログラムを作成した点だということです。 内容の構成も前著に比べ同程度のページ数ながら、バイコロビクスとは何かといった点については前著に任せる形とし、バイコロビクスの実践について多くのページを割いています。 現代は、自転車は環境に優しいということともに、健康に良いということが改めて認識されています。それらの点について書かれた関連書も様々なものが発行されていると思いますが、具体的かつ科学的根拠を持って健康サイクリングについて著されたものはごく少ないと思います。 「自転車フィットネス健康法」は、成人病予防や病後のリハビリとしてサイクリングを本格的に取り入れたいと考えている方には、現在でも大変有用な参考書となるのではないでしょうか。

轍堂一周年

この9月で、轍堂は開店一周年を迎えることができました。 そこで、ささやかながら一周年を記念してセールを開催いたします。 ご来店いただいたお客様に、当店価格1,000円以上の模型(ミニカー、プラモデル)を3割引きでご提供させていただきます。 セール期間は、9/10より10/3までとなります。 皆様のご来店、お待ちしております。

サイクリング心身健康法

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 本日の1冊 今回は「サイクリング心身健康法」を取り上げます。 「サイクリング心身健康法」は、「バイコロビクス」の提唱者である鳥山新一氏が著した1冊で、1976年に発行されました。「バイコロビクス」とは、「バイコロジー」「エアロビクス」を元にした造語で、と鳥山氏が命名したサイクリング健康法の呼び名ということです。 バイコロビクスの大きな特色は「プログラム方式」「個人別処方箋方式」「効果の判定可能」とのことで、同書の第2章ではこの3点について詳しく述べられています。第1章では、バイコロビクスとはどのようなものか、その特色や効果、医学的根拠等について書かれています。そして、最終章となる第3章では、バイコロビクスに適している自転車について紹介しています。 「サイクリング心身健康法」は、医学部卒業後に軍医として勤務した医師として、またサイクリストの視点で、医学とサイクリングの両方に精通した著者ならではの健康法である「バイコロビクス」について知ることができる1冊となっています。

サイクルスポーツ オールカタログ1997

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 本日の1冊 今回は「サイクルスポーツ オールカタログ1997」を取り上げます。 「サイクルスポーツ オールカタログ」は、自転車パーツとグッズを集めたムック本です。1997年版では、パーツ、グッズ、フレームが収録されています。 この号の特徴は、カラーページの大部分が用品類の紹介にあてられていることです。ウエアやシューズ、サングラスにヘルメット、そしてバッグ類に至るまでカラーです。パーツ類はモノクロがほとんどですが、フレームはカラーとなっいますので、デザインも含め全体の雰囲気が掴みやすくなっています。 この頃はMTBが流行しているようで、特集はMTBのレースやカーボンモノコックのフレーム工房が取り上げられています。既製品のフレームはブレーキがディスクだったり、Vブレーキだったりしていますが、前後サスは標準となってきているようです。 「サイクルスポーツ オールカタログ1997」は、当時の部・用品のカタログ資料としてとともに、MTBの変遷を知るための資料としても役に立ちそうな1冊です。

勝つための自転車レーステクニック

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本日の1冊 今回は「勝つための自転車レーステクニック」を取り上げます。 「勝つための自転車レーステクニック」は、ポーランドの元ナショナルチャンピオンであるエドワード・ボリセヴィッチ氏による著書の和訳版で、1994年に発行されました。 エドワード・ボリセヴィッチ氏は選手引退後、アメリカナショナルチームのヘッド・コーチとしてグレッグ・レモンを育てた他、オリンピックでも数々のメダルをもたらした名コーチということです。また、同書の監訳は世界選手権V10の中野浩一氏が務めており、原著・訳書ともに世界トップレベルのレース経験者が携わっている書です。 同書の構成は、「強くなるトレーニング」「ライディング・ポジション」「年間トレーニング計画」「ロード・レース」「クリテリウム」「個人タイム・トライアル」「チーム・タイム・トライアル」「ステージ・レース」「実践的アドバイス」となっております。各章の題名から想像できる通り、同書はロードレースに関する内容となっています。また、対象も18歳から35歳までを主な対象と位置付けています。レベル的にはホビーレーサーではなく、プロやナショナルチーム入りを目指している選手向けの内容といってよいでしょう。 各章は著者の経験に元ずく理論が実例なども交え、詳しく書かれています。監訳者の言葉を借りると「原著は、自転車競技のバイブルとして欧米では有名」だということです。 原著は1985年に発表されたもので、時間はだいぶ経過しています。とはいえ、ナショナルチームのコーチを務めた方の理論で、普段なかなか聞けないような内容が含まれていると思います。 「勝つための自転車レーステクニック」は、現在はトップの選手やコーチにとっては既知の内容かと思いますが、アマチュアやホビーレーサーにとっては非常に有益な内容となっているのではないかと思います。

七つの自転車の旅

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 本日の1冊 今回は「七つの自転車の旅」を取り上げます。 「七つの自転車の旅」は、小説家・エッセイストであり、サイクリストでもある著者が自身の自転車旅を元に綴った紀行文で、2008年に発行されました。 旅先は章ごとに七か所あります。各章の題名は「北上の光」「津軽から秋田へ」「バリオスと北陸」「走れなかった自転車の旅」「白馬と糸魚川」「大平街道再び」「しまなみの幻想」となっています。 本としてまとめられる自転車旅行というと、世界1周等の壮大なアドベンチャーサイクリングが多いと思います。数泊程度の小さな旅、それも国内の旅となると雑誌に掲載されることはあっても、1冊の本としてまとめられるのは少ないのではないかと思います。 「七つの自転車の旅」はその数少ない国内小旅行をまとめた書として、貴重な紀行文集だと思います。

サイクルスポーツ オールカタログ1998

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 本日の1冊 今回は「サイクルスポーツ オールカタログ1998」を取り上げます。 「サイクルスポーツ オールカタログ1998」は、自転車パーツとグッズを集めたムック本です。1998年版では、パーツ、グッズ、完成車&フレームが収録されています。 この当時はMTBがブームであったようで、1998年版では、MTBに関するアメリカ取材記事とキャノンデール・GTの両ブランドが特集として取り上げられています。また、この頃はインターネットの普及も進んでいたようで、インターネット自転車サイトを紹介するページが設けられています。 「サイクルスポーツ オールカタログ」は、毎年発行されていすので、パーツカタログとしてはコンポ関係のモデルチェンジが無ければパーツ掲載内容は大きく変わることはないと思います。ただし、カタログ面以外の記事はその時々のトレンドを追って変わっています。 「サイクルスポーツ オールカタログ1998」は、今改めて読み返してみると、当時は何がトレンドになっていた、またはなりつつあったかを知る術の一つとなるのではないでしょうか。

サイクルスポーツ オールカタログ1999

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 本日の1冊 今回は「サイクルスポーツ オールカタログ1999」を取り上げます。 「サイクルスポーツ オールカタログ1999」は、自転車パーツとグッズを集めたムック本です。1999年版では、3,500点が収録されているそうです。同書はカラーページが豊富で、サイクルウエアやシューズ等がカラフルで目を楽しませてくれます。また、MTBとロードのフレームと完成車も掲載されています。カラーリングが気になるものがカラーで紹介されているのはありがたいですね。 また、同書ではパーツ類の紹介以外に、前年にデュラエース誕生25周年ということもあり、「シマノ物語」と題してシマノとデュラエースの歴史について特集されています。他にも、工具の魅力や自転車収納ノウハウなどの読み物も掲載されています。 「サイクルスポーツ オールカタログ1999」は、パーツカタログとして役立てることはもちろん、読み物も楽しめる1冊となっています。